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気の赴くままに  作者: yxu
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0話

これが私にとっての初投稿作品になります。これからの活動をどうか温かく見守ってください。

「私は何者であるか」「何を成すべきなのか」「どうして私という存在がこの世に生まれ落ちてしまったのか」



眠りから覚めると窓がないのに少しだけ空気の流れを感じる薄暗い部屋の中でいつものように自分に問いかける。



しかし私には分からない、私では理解できない、私だから解答を導くことができない。



私が今生きることができているのは最小限の動きで生活しているためエネルギーの消費が少ないからであろう。


呼吸・睡眠・食事・排泄・思考


私に与えられた能力はこの五つ。生きていく上で最低限できなければいけないことだ。


呼吸は常にしているとして、睡眠は起きたばかりなので体が欲していない。食事は一昨日したので今日は()()()()。排泄も同様である。したがって残された選択肢は思考のみ。私に今できることは思考だけだ。


しかし、そもそも私は私がどこから来たのか全くわからないしここがどこなのかも知らない、いわば記憶喪失のような状態である。そのため、いざ思考しても何も浮かばず、それらに関してのことを何度も考えるしかない。今日も思考し考察し推測する。



まず分かっていることを整理しよう。


・石のような素材でできた部屋で家具や雑貨はなにもない。

まるで牢屋みたいだ。


・広さは私が二度同じ方向に寝返りを打っても壁にギリギリ到達しないくらい。

狭くはないが広くもない。


・高さは私が手を伸ばしてもギリギリ届かないくらいである。

十分な高さだと思っている。最後に立ち上がったのはだいぶ前だけれど。


・部屋の角_天井に近い壁に対角線上にある小さな穴からは新鮮な空気を感じるのできっと外に繋がっているのであろう。

空気孔の役割を果たしてそうだな。


・時間を図るすべはないが三度寝ると食事が運ばれ、その日のうちに食器が片付けられトイレに連れて行かれる。

おそらく日が沈む頃に眠くなり日が昇ると目が覚めるようなサイクルが体の中に構築されているのであろう。

私をトイレへ連れて行く者は黒装束を纏い話しかけても一言も発さない。まるで人形かのようだ


・この場所で生活した時間は記憶を遡ると明日で600日である。

1年(10ヶ月)で300日なので明日でちょうど2年経つという計算だ。ちなみに私はどうやら物事を記憶することに長けているらしく記憶の最初まで思い起こすことができる。



考えれば考えるほど、私がどこから来たか、ここがどこであるか、なぜ私の最初の記憶がこの場所から始まっているのか分からない。



「…ふぁ―」


眠たくなってきた、ということは外はもう夕暮れ時なのだろう。


今日はもう思考することをやめて眠るとする。






明日の食事はなんだろうか。

誤字・脱字などございましたらご指摘の程よろしくお願い致します。

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