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雨の中の竜

作者: 雨雫

どこにでもいる普通の人間、まぁるい地球の上に乗っかってる70億人の中のたったの1。そう思うと、悲しいというよりも暗闇にのまれる気持ちになる、1人だってことが孤独に感じるから。大勢の人間がいるのに、1人だ、人口爆発で食料問題がおこっても、たった1人だ。そう考えると、やっぱり、悲しい気持ちになるのかな。孤独だって、どこまでも孤独だから。この気持ちを共有してくれる人はいない、SNSで呟いても、心はいつも満たされない。永遠に1人だ。誰も本当の心には気づいてくれない。深く、深く絡み合って、孤独を抱え、いつしか見知らぬ深海にたどり着く。どうしようも出来ない感情を溜め込んで、帰り道は分からない、底まで落ちて、傷ついて気づく、なんて、自由なのだろう。じっと目を潰る。今この深海で横たわっているのは1人だけ、静けさが心の声を聞かせてくれる、ひんやりとした死灰の積もった砂が優しく肌をなでる。もう孤独は感じない、悲しみは海に溶けた。そして、それは翼になっていくんだ、腕に力がこもっていくのを感じる。目を開けて遥か水面に飛んでゆく、羽ばたいた翼は水を切って力強く跳躍する。水面を突っ切り、地上の空気であっという間に水気をはじく。なにも考えずに空まで飛んだ。気持ちいい、もっと飛びたい、もう1人でも悲しみはない。

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