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爆誕の果実
これは古のこと、、、そうまだこの大地に人間という名の愚物がまだそれほど趨勢していない頃の物語≪フェアリーテイル≫である。
その地には二人の老人が住んでいました。
「行くのかい?」ばあさんが長く垂れた前髪の間から、三白眼を光らせました。
おじいさんは獲物を研ぐ手を止めました。
「ああ、刈りの時間だ」
おじいさんは使い込まれた獲物…≪【栄光をこの手に】イングロリアス・アックス≫を手にし、山を更地に変えるべく柴刈りに、おばあさんはこの世の、特におじいさんの不浄≪ダーク・マター≫を清めるために川へ洗濯に行きました。
おばあさんの左腕に幾筋もの血管が浮かび上がります。そして、神さえ恐れる程の強さで洗濯板に衣服をこすりつけました。
ザッシュッ!!!!ザッシュッ!!!ザッシュッ!!!
この光景を見た山の動物たちは畏怖のあまりにその住処を山の奥地に移したと言われていました。
「さあ、一気に仕上げるよオオオっ!!」おばあさんの絶叫が山間にこだましました。
その時です。おばあさんはその野鳥の如く広い視野の隅に異物の影を捉えました。