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番外mission2 裏ワザを使って攻略せよ!


『8月3日

 あさがおがかれました。

 あさがおのぶんもがんばっていきていきます』



 というわけで。太郎には枯らせと言った朝顔ではあるが、何も本当に枯らすのは可哀想なので、場所を移して俺が世話をしていたのだった。


『毎日毎日精が出るぷんね。育てても何にもならないぷん』

「お前は植物育てるのにそこまで見返り求めるのか」


 大半のガーデニング好きを敵に回すような発言をしていた。ただでさえ敵を作りやすいんだから気を付けろよ。


『しかし、なんかもうホモエンドでも良い気がしてきたぷんね』

「勝手に諦めるな」


 よくねぇよ。こっちはそのために頑張ってるんだよ。


『ホモがそんなにだめぷん?』

「そりゃそうだ。俺は女の子が好きなんだよ」


 現実世界では多種多様な恋愛が認められつつもあって、それは良いことであるが俺の性癖とは違う。男が好きな奴に無理やり女の子を勧めても嫌がられるのと同じ話だ。あと、単純に太郎と恋愛したくない。



「いっそ、裏ワザでもあってさっさと攻略できりゃいいんだけどな」

『その願い、しかと聞き入れました』



 その言葉と同時に朝顔が発光した。この世界は発光すんの流行ってるのかな? 目がやられてかなわん。



『私は朝顔の精です』



 またえらくファンタジーなものが出てきた。まあカッスも触手もいる世界だから何でもアリなんだろう。


『クソガキに枯らされそうになっていたところを助けていただき本当にありがとうございました。毎日お世話もしていただいて……』


 そのクソガキに枯らせと命じたのは俺なのでなんとも言えないわけだが。



『御礼に、何でもひとつ願いを叶えさせてください』



 この状況下で本当に叶えてもらっていいかは分からないが、渡りに船だ。マッチポンプ感が半端ないが、使えるものはなんでも使わせてもらおう。


「じゃあ、俺を元の世界に」

『無理です』


 さっき何でもって言ったよな。



『私の何でもは育ち盛りの男子高校生が晩ご飯何がいい? と聞かれた時や初デートの時に彼氏から何食べたい? と振られた時の"なんでもいい"と同じ意味なのです』



 つまり、何でもいいという割に魚料理だと肉が食いたかったと文句を言われ、初デートで吉野家に連れて行くともうちょっとさぁ……とか言われるアレか。使えない。


『というわけで、最初にお話ししていた裏ワザをひとつあなたに授けましょう』


 朝顔の精はそう言って、いつの間に手に持っていたのか大量の割り箸をこちらに向けた。なんで割り箸?


『このゲームのデータベース内にある裏ワザップと名付けられたファイルから情報を持ってきました。ひとつだけしか選べませんのでご注意を』


 名付けに相当問題がありそうだが、これが何かの役に立つかもしれない。迷っても仕方ないので手近な割り箸を一本抜いた。




【はずれ】




『ぷーっ! くすくす』

「明日から水は必要なさそうだな」


 家の中に入ろうとすると邪魔された。


『ま、待ってください! おちゃめですよおちゃめ! 朝顔界隈で有名なジョークです!』


 朝顔界隈のことなんて知るか。


『次はちゃんとやりますから! 朝顔ウソつきません!』

「全く……カッスみたいなことするなよ」

『我そんなことしてないぷんよ!?』


 うっかりカッスに流れ弾というか誤射した弾をぶつけてしまったが仕方ない。もう一本引いてみると、きちんと文章が書かれていた。どれどれ。



【裏ワザ:ほまれの家の壁の左側を押すと音が鳴る!】


【結果:楽しい!】



 ボキリ。


『ああっ! せっかくの裏ワザが!』

「小ネタじゃねぇか」


 少しでも期待した俺が馬鹿だった。暑いし謎のジョーク飛ばされるし育てても何もならなかったな。



『このへん押すと確かに何か聞こえるぷん』



 小ネタをしたところで得るものは何もなさそうだが、俺も一応押してみる。




『ひひひひひひひひ』




 そして歩き出した。


『ぷん? 調べてみなくていいぷん?』

「カッス。俺達は何も聞かなかった。いいな」


 なんなんだよこの家は。未だに押し入れにも近寄り難いし。




『わ!』

「ひっ!」




 カッスが脅かしてきただけだった。勝ち誇ったような顔をしている。



『お前にも苦手なものがあったぷんね! これは良い情報ぷん! 我にとって裏ワザみたいなものぷぷぷん!?』



 捕まえやすい耳を持って思い切り投げた。




『ぷーん!』




 スカッと晴れた夏の空に、朝だというのに星がひとつ見えた気がした。






 さて、今日はどうしようか。






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