俺だけが特別な訳ないだろ?part2
しばらく体調を崩していたので連載が止まってしまっていました…
これからまた地道に更新して行くのでよかったら応援のほどお願いいたします!
積み上がっていた書類の山を処理(ほぼ却下して破棄)する作業を終え一息ついていた。
その合間に代表練習の担当教師に断りの話をしに行ったのだが…。
「その断りは今までの慣習からも私としてもありがたいお願いではあるんですが…」
「まさかとは思いますが、先生の一存では決められないとでも…?」
先生は気まずそうな顔をして俯く。
「代表に関しては先生に任されているのでは?」
「確かに任されているのですが、それはあくまで引率者としての責任です。編成に関しては学園長と校内の評価で行われるのですよ…そのせいで毎年胃が痛いのですが…」
きっとこの人は苦労人体質なのだろうな…。
「分かりました。それならば学園長に直接お願いしてきます。」
「そ、そんなことできるんですか?」
「俺を誰だと思ってるんですか?こう見えて冬月家の当主ですし、霧も海も次期当主として確定しているんですよ?関係者である学園長が無視したらそれこそ大変な事態ですよ」
ちょっとばかし家の権力を振りかざすようで申し訳ないが、こういう時は思う存分使っても問題ないだろう。
「そうでしたね…」
「本来ならこんなことに権力は使うべきでは無いですが…今回は多めに見てくれればありがたいです」
そう言って頭を下げて部屋を後にする。
「…なんとなく問題がさらに起きそうな気がするんですけどね…」
去り際に先生が何か言っていた気がするが気にするまでも無いだろう。
というかそもそも学園に成績順のランキングなどがあるならば、上位生徒を連れていくだけでいいだろうに。
それか、校内でトーナメント戦などを行なって上位何名かが代表入りなどにすればいい。
そうだ、学園長との交渉にそれを使えばいいか。
色々と構想を練りつつ、第一目標の俺の代表入りをなくすために思案していると学園長室に着く。
「失礼します」
「何かな、少々今は立て込んで…と当主様!?失礼いたしました!」
書類の山から顔を上げながら返答したのはこの学園の運営を任せている人だ。
確か、今の学園長は元暦月衆のまとめ役だった人のはず。
色々と後処理をうまくやっていたタイプなので話の分かる人間だとは思う。
「今はあくまで一生徒ですよ。ですが、時間を作って欲しいのでそこに関しては当主としてお願いしたいところではありますが」
「分かりました、それならば教育者として対応させて頂きます。それで何か御用でしょうか?」
「学園対抗戦についてなのですが…」
何かを察したような顔をする。
「あぁ…その件ですか…」
「俺としては代表には上級生を入れるべきだと思うのですが、どうして俺が入っているのでしょうか?」
「本来ならば成績上位者をそのまま代表としているのですが…俊哉君達はあまりにも突出した成績を出してしまったので対外的にも代表入りをそのまま許可するしかなかったんですよ…」
ん?俺達だと?
俺だけが代表入りしていると思っていたのだがそうでは無いのか…?
確かにいざこざの時に俺、霧、海、唯人の4人と数合わせの暦月衆だと言いはしたが上手く処理してなくす予定の手筈だったはず。
「今回の代表選手のメンバーはどうなっているのですか?俺が知っているのは自分の代表入り確定の情報しか知らないのですが?」
「遠征組が帰ってきてからの公表予定ですから知らなくても当然ですが…」
俺もそうだと思って、他の生徒同様それを楽しみにしていたのだが。
「他の人間がいたあの場での発言は漏れていないと思い、内々で揉み消していつも通り最上級生の成績上級者で学園とし対抗戦メンバーを固めるつもりでした。」
うんうん、その通りだな。
ある程度の結界も張ってあったのだから情報が漏れるとは考え難いのだが。
「毎年学園都市対抗戦には、各都市20名のメンバーで行います。どこから情報が漏れたのか今回の対抗戦には四季派閥が出ると公に出てしまっており、火消しが間に合わなかったのです…。そのため、最低限俊哉くんは確定でその他の方にはどうにかこうにか外れる流れを作ろうとしているところなのですよ。」
…そこそこの結界が張ってあったからと油断したか。
「上級生が黙っていないでしょう?特に今、遠征に出ている方々などは。」
「その通りです。どうなっているんだといくつかの家から書類が来ています。なので今年は学園全体の選抜戦を行い決めることでその問題を解決する流れにしようかと動いているところではあります。希望する人間のみで、遠征組が帰ってきてからですが」
やはり、同じことを考えていたか…。
しかし、そうなると俺たちも希望しない訳にはいかず、なおかつ家の名前にかけて負ける訳にもいかない。
そこで、間違いなく勝つであろう俺だけは確定とういうことにしていたのか。
…だが学園長は甘い。
「それだと、少なくとも3分の1くらいは俺たち一年生で固まることになりますよ?」
「俊哉君が実力があるのは知っていますが…霧君、海君なども上級生に勝てると…?」
「公に行うとなれば、霧や海は全力で行いますし、唯人もです。それに今年はサポートメンバーに入りそうな奴もいますし、一部だけなら俺たちに匹敵する者もいますからね。」
下手したら過半数が俺たち一年生で決まることになりかねないと俺は読んでいる。
二年生には朧もいる。三年生が入るの上位数名が限界なのでは無いのだろうか…?
「最後にみなさんの戦闘訓練を見たのは一年前ですが…それほどまでに…」
情報が古すぎる。
現役を離れるとそこまで情報収集が遅れるものなのか?
こうなると今年は出場して来年以降は上手いこと外れるようにするのが一番、波風立たずに済むのかもしれないな。
覚悟を決めてやるしかないな。
「…分かりました、今年は選抜戦での代表決めということで納得しましょう。しかし来年からは慣習通りに行ってもらえると助かります。」
きっとこの人も苦労人体質なのだろう。
胃のところをさすりつつ、苦笑を浮かべている。
そうとなれば遠征組が来るまでは自己研鑽に注力して、おとなしく過ごしておくしかないな。
…政治とか大人の事情って面倒なんだな。
けど俺の周囲の人間を甘く見過ぎてるなぁ。
俺の周りで過ごしているのに俺だけが特別なわけないだろう?




