そこそこ面白い人もいるようで
数日後、学園に併設されてある訓練場の中にある模擬戦用に作られた部屋にいた。
今日のこの時間に話し合いの場が持たれたのだ。
話し合いなのになんで訓練場なのかって?
それはもう極めて平和的な解決なためだからだ。
相手に送った連絡は一言。
言いたい事は実力を持って言わないと戯言だ
え?挑発してるって?
そんな事はない。面と向かってちゃんと話し合おうって伝えただけだからね?
「貴様がイカサマで首席になった冬月俊哉か!ここでその無様な姿を晒すがいい!」
そう、漫画に出てきそうなセリフと共に現れたのは途中編入してきた新入生という変な肩書きを得たこの男の子は阿部幸樹というらしい。
「特にイカサマとかの証拠もないししたこともないんだけどな…」
「この学園の出資者などに上手く取り込んだのだろう?そうでもなければ貴様のような平凡な男がこのような神聖なる学園にいられるわけがないのだからな!」
この学園ってそんなに神聖化されてんの…?
てかそもそも、出資者って言えるような存在はいないし強いていうなら四季派閥と暦月衆の引退した人達だし。
その人たち相手ならむしろ俺の方が上になるけど…大丈夫かな?
ちなみに彼がその事実を知ることになるのは、決闘後なのである意味怖いものなしである。
「この四季派閥入り間近と言われるこの僕と決闘できる事は光栄だと思いたまえ!」
「そんな話したことないし話題にも出てきたことないんだけど?」
「そんな機密情報が君のような格下に知られるわけがないだろう!」
こいつ、本気で俺が当主になってるの知らないの?
結構派閥系の間では有名になってるからこいつの家もそれ相応の家ならそれぐらいの情報は持ってると思うんだけど…。
「ちなみに何だけどさ?君、俺の名前知ってるよね?」
「もちろんだとも!どんな罪を犯している人間だとしてもきちんと覚えておくようにしているからね!」
「うん、じゃあ俺の苗字は?」
「冬月、だろう!」
「四季派閥の当主は?」
「それはもちろん、冬月俊哉様だ!」
「だよね?俺の名前は?」
「冬月俊哉だ!」
「そこまでわかってるなら何で気付かないかな?」
「君があの冬月俊哉さ…ま…な…」
小学生でもわかるような問答をしてようやく、自分の目の前にいるのが誰か理解出来てきたのか目を見開いて固まる。
こいつ、本気で俺のこと別人だと思い込んでたのかよ…。
「え、御当主さまであられますか…?だとすると、俺は当主に向かって格下やイカサマなど…」
「罪を犯してる人間とか言われたね?」
漫画でもみているかのような冷や汗の量と血の気が引いている。
ここまで分りやすい人間も見たことないな。
少し面白いから罰は優しくしてやろう。
「そして僕に決闘を挑んできたってことは当主の座を奪いにきたって扱いになるから、必然的に命を賭けた戦いをするってことだ」
「ひっ…」
「今回は命は賭けないでやってやるけど、軽く地獄はみる覚悟はしろよ?」
俺は出来る限りの優しい笑顔で告げたが、相手は腰を抜かして怯えている。
何をそんなビビってるのか?
きっと海や霧に施した実戦訓練の噂を知っているからだと思うが、それをこんなところでやるほど馬鹿じゃないからな。10分1くらいに抑えてやるつもりなんだけどな。
「ちなみに海は気を失うくらいになってたから、命があることは保証されてることに感謝するんだな」
ちなみに余談だが俊哉が二人にやった訓練のせいで地形が変わってしまい地図を変更する羽目になっている。当の本人は全く気付いていないが。
新たに新しいおもちゃを見つけてしまった俊哉の決闘というなの調教が始まった。




