久々に新しい力を身につけるのも悪くないようで
いつの間にか睡眠をしていたような状態になっていた俺は目を開ける。
目の前に広がる光景に驚きつつもこの両手に握られてる剣と刀がここまで我が強いとは思わなかったと呆れていた。
「おい俊哉!このよく分からない斬撃をどうにかしろ!このままじゃここら一帯が本当に吹き飛ぶぞ!」
「すいません、もう少し耐えれますか?こいつら黙らせて俺のものにするので」
「五分だ!それ以上はここを見捨てて逃げるからな!防衛する事だけで手一杯になるしな!」
「それだけあれば十分ですよ、その後に二刀流との組み合わせの作業に入るので地下お借りします」
いま一度深呼吸する。
先ほどはこいつらの世界に勝手に引き込まれたが今回は二つの世界で俺がこいつらと会話しなきゃな。
そして、目を閉じ意識を集中する。
そこに広がるのは、草原と荒野。
俺が経っている所を中心として右と左に分かれている。
前回にもみた光景だ。
しかし違うのはそれぞれに白い世界で見た騎士と侍が立っている事。
「今回の主人はお主か」
「某は今回の主人であれば問題ないと認めているが此奴が認めておらん」
「えっと、枯月の方はよくて陽剣の方は納得いってないって感じかな?」
「いかにも」
「某は必死に説得しておるのだぞ!!此奴が石頭のせいで…」
「誰が石頭だ、このもやしめ」
「貴様にはこの洗練された肉体や技術が理解できんだけだろう」
「貴様こそ正々堂々と戦う力がないだけであろう」
「「…今日こそ斬る!」」
なるほど、外の斬撃の嵐はこいつらの喧嘩が俺を通して一部顕現していたのね。
…こいつら馬鹿じゃね?
「おい、いま馬鹿にしたのか?」
「主人とはいえその言葉は聞き捨てなりませぬな」
「じゃあ、面倒だから二人同時にかかってきなよ俺が勝ったら仲良くしてもらうからね」
そしてそのまま、抜刀する。
「な、貴様どこからその刀を抜いた!?」
「主人、某以外にも扱えるものがあるのですか…?」
「あのなぁ、冬月家に代々受け継がれてるならそれぐらい知ってるでしょ?これが君たちの大元の刀だからね?」
今しがた俺が抜刀したのは神話に伝わる天叢雲剣だ。
冬月家に昔に来て以来一度も鞘から抜かれた事のない剣。
しかし、今は俺が抜刀している。
側から見れば抜身の刀を構えているようにしか見えないものを俺は腰にあてがう。
右手で柄、左手で刀身を握り込む。
「あ、主!?左手から血が…!」
「いいのかい、折角のチャンスなのにもうすでに勝負は始まっているんだよ?まぁ、すでに遅いかも知れないけど」
「小童が何をほざいて…」
一瞬だが俊哉の体がブレる。
キンッ…。
いつの間にか俊哉が握り込んでいた刀身が足元に落ちている。
右手には鈍色の刀が。
「この剣は一度も鞘から抜かれてこなかったんだよ」
「いや、先ほどまで主人が握っていた部分が刀身では…」
「本当の意味での鞘は歴史上で一度しか抜かれておらず、そして今ここに再び抜刀された」
「つまりはその姿が真の天叢雲剣…」
「これは俺が扱いやすいように変わってくれているだけだよ、これを抜くことができた人に合わせて形状や重さ、長さ、数まで変わる」
「それが神器…不明級よりもさらに高みの武器…」
「できればこれは使いたくないんだよ。相方がいてこその世界にいきなり関係ない奴が刀一本で勝ち上がったらどうなるのか目に見えてるしな」
「そこで君たちの力が欲しいんだよ、だから力になってくれないかな決闘なんてやめてさ、それにすでに二人とも武器ないしね」
先ほどの抜刀術で二人の武器は破壊してある。
これを制御できるの三回までだからそれまでに認めてくれるとありがたいんだが…。




