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cientos de socio 〜白の王〜  作者: 音無悠也
第1章 新入生騒動編
30/44

現実と理想の差は思いのほかないようでpart.3

お互いの刀身を触れたところで小さいが火花が散った。

少し反発するような力を感じるが特に違和感はない。

次は両手に持ってみよう。

陽剣を握ったのは3年ほど前に父さんに届けるために持った以来でましてや振った事など一度も無かった。

右手に枯月、左手に陽剣を持つ。

二刀流の構えなんて考えた事が無いからひとまず持っているだけだが。

右手からは這い上がってくるような寒さ。

左手からは体の芯から温められているような感覚がごちゃ混ぜになっている。


「んー…なかなかに気持ち悪い感覚だな…」

「ねぇ!ちょっと!俊くん!」

「ん?なんだ?」


ずっと手元にある剣たちを見ていたので海に声を掛けられて顔を上げ驚く。

俺の立っている所から右半分が荒地のように、左半分が緑豊かな草原と化していた。


「なんだこれは…」

「手に持ち始めたあたりからここら辺がおかしくなってるの!!」

「なんでそんなに必死なんだ?」

「見えてないの!?さっきからこの辺は見えない刀で切られてるみたいに斬撃が飛んでくるのよ!」


荒野の奥の方にいる海を見るとその近くにはいくつもの斬撃の跡が残っていた。

かなりの数があるから相当、長い間躱し続けているのだろう。

俺の感覚としてはまだそこまで時間は経っていないような気がしていたのだがそうではないらしい。

時計に目をやるとすでに三時間が経っていた。

どうやら、半分意識をこの剣たちの世界に引き込まれていたのかもしれない。

証拠にこの実験室がここまで変化しているのだから。

これは予想以上に難しいぞ…。

相方が現実世界に影響を及ぼすのはよくある事だ。

なんせ、この世のにあるものを相方にしているのだから。

しかし

俺が使っている武器たちはこの世に顕現しているだけの伝説のようなものに過ぎない。

それがここまで現実世界に及ぶとなるとこれは骨が折れるな…。


「海、これから一度引き揚げて師匠のもとに行くから合図したらこっちに走ってこい」

「何それ!?聞いてないんだけど!?」

「海には初めて言ったからな」


二つの剣をお互いの鞘に収めると荒野と草原は消える。

しかし、斬撃の跡は消えていない。

これは、先に師匠のところへ伝えておく必要があるな…。

もしかしなくても、訓練場はなくなる気がする。


「斬撃やんだからこっちきたけど…大丈夫?」

「ん?あぁ、それ以上近寄らなければ」


今、海と俺の間には五メートルほどの距離がある。

海の頭にはてなマークが出ているため分かりやすくするためにどうしようかと迷う。

変なことをしてこの状態が暴走すると最悪、ここら一帯が消し飛ぶ。

悩んだ挙句、結論は仕方がないと思う事にした。

海なら全力で逃げれば生き残れるだろう。

博士は…まぁいいだろう!

上から良くないと突っ込む声が聞こえた気がするが大丈夫だろう。


「海、そこにある物をなんでもいいから俺に向かって投げてごらん」

「物って…実験室の床とか壁の残骸しかないよ?」

「それでいいから」

「いや、これって枯月を使って切っても意味がないほど修復速度が早いんじゃ…」


そう言いつつ、手頃な残骸を見つけ投げてくる。

その残骸が俺から五メートルほどのところに入った時、銀と金の線が縦横無尽に走る。

それは、俺を中心として半径五メートルのドーム型となったがすぐに消える。

海の方向を見ると視界を遮るものが()()()()そう先ほどもで二人の間にあった投げられた残骸はもちろん。埃、砂。

全てが消え去っている。

今、俺が考えていたのは障害物の排除。

それでここまで住んだ空気を作り出すほどの斬撃が繰り出されたのだ。


「え、うっそぉ…ここだけ綺麗な森の中みたいに澄んだ空気になってる…」

「これが理由だ。今の俺は無差別ではないが半自動的に周りにある物を切り刻んでしまう」

「相方は大丈夫なの?」

「今のところは問題無い、この状況を抜け出すにはやはり形状変化のベールを作り出すしかないな…」

「なるほ…はぁっ!?ベールを作り出す!?」


学校に通い始めて最大の驚いたツッコミをもらえました。

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