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cientos de socio 〜白の王〜  作者: 音無悠也
第1章 新入生騒動編
18/44

天罰、いや神の雷が落ちたようで後編

ようやく、個人的に大きな戦闘回かなと


うまくかけてるといいな

朧が最初に視認したとき、目に入って来たのは黒く大きな柱のようなもの。

その上に目をやるとそこには、御伽話でしか聞いたことがないような竜であった。


「誰だね?私の道の邪魔をするものは?」


ギョロリと黄色い瞳を下に立っている朧に向ける。

絶対的な生物界の覇者である竜。その威圧を前にして立っていられるのは一重に俊哉との訓練がここに来て活きているからだろう。


「相当な手練れがきているのだと思っていたけどこれはちょっと想像以上すぎないかな…」


相対していると言うには大きさに差がありすぎる両者の睨み合いは竜が朧の正体に気づくことで崩れる。


「お主はもしや、巷で力をつけていると噂の四季何ちゃらかのう?」

「そうだと言ったら?」

「なに、少しばかり調子に乗っているようでな?灸を据えてやろうかとな」

「軽く死にそうな事を懲らしめるみたいに言わないでもらいたいね…」


事実、朧は逃げ出したかった。

それでも話し続けているのは、称賛に値するべきだろう。


「確かにこのままの姿だとつまらんからな、ちゃんと貴様らに合わせてやるさ」


竜の体が、霧のように霞んで消えると位置には黒髪に黒い瞳白い肌のまるで日本人かのような青年が立っている。

朧はこれでようやく、戦いできる事で時間稼ぎがしやすくなったと少し安心した。

そこに自身の生死が入っていないのはいつもの事。

俊哉が来るまで持ち堪え、被害を最小限に抑えることこそが本懐である。

当の俊哉はそれをよしとしてはいないが。


「覚悟せい?ワシの拳はそう簡単には防げんぞ?」


唐突に始まる、まさに攻防戦。竜が猛攻を仕掛ける、朧がそれを防ぎ受け流す。

その余波だけであたりはなぎ倒されていく。

しばらく続くその戦いに終止符が打たれたのは朧の背後から竜に向かい襲いかかる黒炎蛇が訪れた時である。


「むぅ?」

「やっとですか…そろそろ、持ち堪えるのも限界でしたよ?俊哉」

「よく持ち堪えた。ここからは四季派閥の誇る最高の矛で勝負しようか?」


俊哉は朧に治療を行う為、少しの時間を稼ぐ為に海と霧が前に出る。


「二人とも命がけの攻撃は許さん。確実に攻撃を通して時間を稼げ。」

「「了解」」


その言葉を発したときには二人は竜の眼前に迫っていた。


「うぉ!?貴様らあやつより早いのぉ!これは楽しめそうじゃのう!」

「楽しめるだぁ?何言ってんだてめぇ?これは一方的な戦いの前段階だっつぅの!」


先に攻撃が届いたのは霧。

白をすでに展開していた霧は勢いそのままに技を繰り出す。


「肆の型、音無」


ただの横なぎでの首を切り落とす動き。

しかし、竜は違和感を覚える。

そして気付く、自分の周りから音が消えている事に。

さらに体も動かずその世界で唯一動いているのは霧の持つ汚れなき純白の日本刀の白のみ。

そう、突っ込んできていたはずの霧の体すら一ミリもずれる事なく。

刀をただ横を振る以外の動きがない。

その首に刀が触れる直前、竜の体が後ろに吹き飛ぶ。


「なんだ、テメェ?どうやって俺の技から逃げやがった」

「ふっ…危ない所じゃったわ。最近の若者はやるようじゃのう」

「テメェ、答えろや…」


霧が扱える技の中で唯一と言っていい、相手を殺すための技である。

一対一の戦いにおいての必ず殺せる為に磨き上げて来た技を初見で見破ることは出来ないはず。

その技を竜は自身もダメージををったとは言え回避したのだ。

霧よりも一枚所ではないほど上をいかれていた。

あくまで霧一人ならば。

今回の戦いに関して言えば、霧は一人ではない。

全武装を解除された海は、制服姿ではなく、全身が赤く輝く鎧のような物を身に纏って

いた。

それぞれの特性を生かしつつ、戦闘を刹那のもとに終わらせる、そのつもりであった。


「夏月家奥伝・蜂誅(ほうちゅう)


技を発動する瞬間、視界が黒い霧で塗り潰され海と霧は意識が途切れる。

その影響は離れていた、俊哉のところまで来たが軽く振り払う俊哉。

霧が晴れた先にいるのは、フルプレートの鎧に両手剣を携えている黒騎士。

離れたところに、生きてはいるが戦闘はできない状態の二人。

俊哉は、応急処置程度で朧の元を離れ、戦闘モードに入る。


「おい、あんた。ウチの仲間を痛めつけた事後悔させてやるよ。」

「…ブォン」


低い風切り音とともに構える黒騎士。

離れていた俊哉に悟られまいと、必死に体の震えを抑えているが隠しきれない空気感がある。

生物界の頂上に近いであろう、竜でさえも少しキレた俊哉の殺気には耐えられないようだった。

実際、生き延びていた生物たちが気絶していく。


「久々に、全力でぶん殴るから覚悟しとけよ?」


その言葉が終わるや否や黒騎士が次の瞬間に認識したのは自分の腹に右拳を当てている俊哉の姿。

その後ろには白銀の稲妻。

それと同時に、体の中を駆け巡る苦痛や体が破壊されていく音。


「…拳闘術・神罰」


静かに俊哉が呟く。

先ほどの着地の時に起きた雷はこの拳闘術の余波で生まれた物である。

吹き飛ぶほどの威力を持ちながら俊哉の拳は驚くほど静かに黒騎士の鎧を少し押し曲げている程度。

パラパラと拳が触れている部分の鎧が落ちていく。

その隙間から見えるのは一直線にえぐられた大地を赤い血が丸く撃ち抜かれたようになった腹。中で上から下へ流れ出る血。

竜は悟った。次の一撃を喰らえば、死ではなく存在が消されると。

そこから竜は身代わり、目眩し、囮。

考えうる全てを使って竜は逃げた。


「あ、あれはこの次元の生物が手を出していいい物ではない…!!」


「追うよりも先にあいつらを治療することが先かな…」


俊哉は人を呼ぶために信号弾を撃つ。

その手に白銀の銃と車のキーを握り締めて。


「アイツの力、借りなきゃこれから先やって行けないかもなぁ…」


一つの絶望を与え、一つの覚悟を決め、一つの事実を作った。

これから、俊哉がどう進んでいくのかが何者かによって決められているかのような。

そんな不快感を抱えながら、俊哉は海達を回収しに行った。


海「出番少なくね!?」


仕方ないですよ、時間稼ぎのつもりが竜の方がまだ力を隠し持ってたんですから。

その分、次の話で色々なワードや状況が明かされるのでそこで活躍してもらうので期待しててね!

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