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序章



  ――トゥインクルライト…トゥインクルライト…



 さぁさぁ軍隊のお通りだよ!道をあけな!



  ――トゥインクルライト…トゥインクルライト…



 軍隊はどこから来たの?どこへ行くの?




 王家のために!我々、トゥインクルライト軍隊は地の果てまで!





 地球から777光年離れた場所にある星のパーマメント王国。

 一星一国に属するトゥインクルライト軍隊は、現在、星と星を繋ぐスターロード『ベルベットアイス』を行進中。

 王家のご子息、ツイスト王子の命でフィアンセ探しの旅をしています。

 軍隊の旅の様子をみてみることにしましょう。


「隊長!フンブル隊長!」


 鼻息荒く、悲しそうに声をあげるのはアーモア軍師。


「フンブル隊長!私はもう歩けないのであります!かれこれ何時間になりますか!もう歩けないのです!!」


 フンブル隊長は答えません。軍師のことを見ようともしません。


「フンブル君!君は少し組織というものを勉強したほうがいいかもしれないな・・ご覧なさい!我が隊の指揮は完全に下がっていますよ」


 通信士、兼、衛生士のカポネが俯向きながら、ブッと音をたてて笑ってしまいました。


「フンブル!組織は崩壊寸前です、一度作戦を練り直したほうが良さそうですな。幸い私は軍師です!計画をたてて、王子に少しでも早く良い報告をしようではありませんか・・」


 カポネは鼻歌を交えて、軽い足取りで星々を眺めていました。

 カポネにはパーマメント王国に残してきた恋人がいます。次の星に到着したら手紙を書こうと考えました。カポネはさらに幸せそうに浮かれて見えます。


「フンブル・ハイドラン!私はもうこの部隊を抜けることにします!分かりますか?今にあなた方は羅針盤を失うのですよ。この宇宙という海原で迷子になるも同然です!浮かばれませんな!王子の願いはパーマメントの空に消えていくのです。私は来た道を引き返しますよ!さようなら、フンブル隊長!良い旅を」


 ほんとうにアーモア軍師は立ち止まってしまいました。軍隊はそれでもアーモアを残して行進します。

 カポネはアーモアに手を振りました。何か声をかけようかと思いましたが止めました。そして、カポネは恋人のいる方角へキスを送りました。


「カ、カポネ衛生兵!それはさよならを意味していますか?それとも戻っておいで?私は戻りませんよ!この組織は問題を抱えているのです!それを!あっ!」


 走って集団に追いついてきたアーモアを見兼ねて、特攻隊員のゴチャがアーモアの尻を蹴り上げました。アーモアは何メートルも前に飛んでベルベットアイスに顔から着地します。

 行進が進み、集団がアーモア軍師のところまで行くとゴチャはもう一度、アーモアを蹴り上げました。


「もう!止めてください!」


「よう!軍師さん!まだ歩けるかい?」


 ゴチャは陽気にアーモアに返答しました。


「歩けますよ!だから、もう蹴らないでください!暴力反対!」


 フンブル隊長は王子のことを思いました。王子に早くフィアンセを見つけてあげたい。フンブルは皆にバレないように星に願いました。


 トゥインクルライト…トゥインクルライト…


 カポネが歌います。

 軍隊が目指す星はまだ見えません。銀河を渡り歩くはトゥインクルライト軍隊。宝石箱をひっくり返したような宇宙空間を今日も休まず歩きます。





(続く)


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