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続きだよ。
特に言うことないよ
「おい、天狩。あれがエイリアン養成所だな?」
宮薙は、双眼鏡から顔を離し、肩まである白髪を揺らしながら振り向く。
十代前半ほどの幼さであり、顔は常に無表情だが、都会にいけば10秒以内でナンパされるほどに可憐だった。
が、宮薙は人妻(37)である。つーか、男である。
人妻っつーか、嫁がいるのである。男の娘である。作者の趣味である。
見た目とはかけ離れた経歴は最早詐欺である。
「外見があいつの言っていたのと一致しますね。多分、そうでしょう。」
対する天狩は金髪、碧眼。わかりやすいイケメン、以上。
「にしても、、、変な建物ですねぇ。円柱3本をくっつけただけで、センスも糞もない。ただただ、機能重視で見てるだけで吐きそうですよ。」
「逆にお前養成所がエッ〇ェル塔だったら引くだろ。」
「誰が、世界遺産レベルの美しさを求めたんですか?
にしても、聞きました?俺があいつを[コレクション]にすると決定したときの反応を!!!」
「嫌でもな。」
と、宮薙は(更に)不機嫌そうに言ったが、天狩はガン無視して続ける。
「あの女、俺に色仕掛けが効かないとわかった瞬間に、自分は何をしても自分は喋らないとかほざいてましたけど、俺のコレクション1から3を見せただけで、泣きわめきながら喋ったんですよねー、
あはは、あのときは本当に笑えたなー。」
宮薙は天狩の話を一切聞かず、携帯食料のパックを開ける。
この携帯食料は15cmほどの四角柱で、味は不味いが腹持ちするし、何より餅より少し硬めの食感が魅力的で、宮薙は気に入っている。
宮薙がそれを咥えながら伸ばしたりして遊んでいる間も、天狩はその美貌に泥を塗るような下品な笑顔で[趣味]の話を続ける。
「んで、全部聞き終えたし、あいつをコレクションに改造しようとした瞬間に、全部話したのにぃ!!って、、、、話しただけで解放されると思っているお気楽者を、生きたままコレクションに改造する!!!
俺はもう、、、作業中ギンギンのビンビンでしたよ!!」
天狩は下品な笑顔ではなく恍惚の表情をうかべていた。
宮薙は食い終わって指をなめながら、愚痴をこぼす。
「お前が楽しみすぎたせいで、俺とタリエンテは大分待たされたけどな。」
「はぁい、すんませーん。」
社会人がしたらその場でクビをもらえるほどの薄っぺらい謝罪だった。
「、、、、、まぁ、いい。
お前の性癖は今に始まったことじゃないしな。」
「そーですよー、諦めてくださいねー。
んで、今回は量産種か固有種、どっちですかねー?」
現時点で、エイリアンには量産種と固有種の二種類が確認されている。
量産種は、比較的に少ないエイリアン細胞を取り込んで出来るタイプであり、固有種より格段に成功率は高い。
固有種は、多量のエイリアン細胞を取り込んで出来るタイプであり、成功率はかなり低い。反面、全てが量産種を上回っている。さらには、量産種には無い特殊能力まである。
「でも、そんなヤバイ奴なんざ野放しにする道理は無いでしょう。今まで通りに拘束しているでしょうねぇ。
雑魚(研究員、被験者、警護兵)を蜂の巣にして、拘束されているエイリアンの首をはねる。簡単なお仕事です。」
「今回はそんなに上手くいかんだろうな。」
「は?」
「アクセルメイル(強化軍服、非常に高い防御性能に快適な着心地。さらには、宇宙飛行も可能)がない。」
「いやいや、敵は雑魚と動けない肉の塊だけですよ?」
「見ろ。見回りの軍人が一人もいないし、いくら深夜でも研究を続けているはずだ。そのはずがどこにも電気が付いていないのはおかしすぎる。」
宮薙は説明を終えると、天狩に双眼鏡を渡す。
「ぁー、、、あっ、確かにそうですね。
あーりゃりゃ、連中エイリアンに食われたかな?」
この二人を見るとそうは思えないが、これはかなりの異常事態だ。
が、1日1回レベルで修羅場をくぐってきた者達はどこまでも気楽だ。
「まぁ、俺もお前も何度もエイリアンを殺しているし、何とかなるだろ。」
「まぁー、そーですねー。」
天狩も呑気そうに携帯食料に手を出した瞬間。
養成所の自動ドアが叩き割られ、惑星国家同盟の軍人が出てきた。
「っぁああああああああ!!!!!助けて!助けて!!助けてくれぇ!!!」
天狩は双眼鏡を覗きこむ。
軍人はアクセルメイルを着用し、ビームガンを持っているのに、大いに取り乱している。どう見ても天狩より年上だが、その様子はまるで赤子だった。
しかし、それを見ても天狩はなんとも思わない。
「おっ、多分エイリアンから逃げてきた奴じゃないですか?
俺、ちょっと試してみますよ。」
そう言って天狩は立ち上がり、大きく手を振って声をあげる。
「おぉーーい!!」
軍人は最初は走りながら飛び上がるという器用なことをしたが、即座に天狩の方に向けて走り出す。
「あぁ、良かった、良かった、、、本当に、、、」
天狩は微笑みながら、、、引き金を引いた。
レイザートイガン(光線拳銃)から放たれた光線は、190m離れていた軍人の右の太ももを貫く。
それは、エイリアンがどんなものか見るために、そして天狩の個人的な趣味のために足を撃った。
憐れな軍人は、突然の激痛に完全に錯乱した。
「あひっ!!な、!?なんであしぃ!!?あしが、うごけぇぇぇええ!!!」
軍人が泣き叫ぶこと20秒。
養成所の自動ドアの残骸を蹴散らし、最早出入口ではなくただの風穴にしながら、[それ]は出てきた。
「あぁー、固有種かぁ。」
その固有種は、芋虫のような胴体だが色は肌色で直径は3mはあり、全長は20mある。
そして両側に10本づつ、図太く、長い毛むくじゃらな人の腕が生えていた。
とどめには、先頭の頭がツインテールの美少女の顔なのだ。
街でアンケートをとると、91%がキモイと答えるであろう化け物だ。
「うヴぁぁぁぁああああ!!!食べないで!食べないでえ!!」
軍人のささやかな願いは聞き取られず、エイリアンは大きく口を開き、舌を出した。
その舌は色だけなら人と同じピンクだが、12m近くあり、先端は無数に枝分かれし、それら全てに手が生えていた。
エイリアンはその舌で軍人をつまみ上げ、[舌の手]で軍人を食べやすいサイズに千切っていく。
「ぎっっぎゃふぁがづさげすぎてけぎはぁああああ!!!!」
軍人は産声よりも大きく断末魔の声を上げ、エイリアンの口の中に消えた。
エイリアンは満足そうに微笑んで養成所のなかに消えた。
1部始終を見た二人はというと、
「ぅ、、わぁぁ、、、綺麗なお嬢さんですね。隊長にお似合いですよ。」
「ブス専なんて次元じゃないな。」
「良いじゃないですか。舌なんか物凄く色っぽかったじゃないですか。
一発、〇〇〇してもらったらどうですか?」
説明が遅れたが、天狩は読者が思うような心優しい美青年ではなく、非常に残忍で、さらには非常に下品だ。すなわち、オストガルア1のクズである。
なので、10年以上の付き合いがある宮薙ですらも必要があれば躊躇わずに殺す。
とは言うものの、宮薙も天狩の事は分かりきっているので、軽くあしらう。
「俺は、〇〇〇派じゃなくて、キス派なんだ。すまんな。代わりにお前がしてもらってくれ。」
「へー、そうなんですねー。僕は、〇〇〇というか目玉があった穴に突っ込むのが好きですね。」
エイリアンの夜食を見ても何とも思わない宮薙だったが、さすがに天狩の性癖のエグさには絶句する。
「、、、、、、、、、」




