1ー9
ガルパの[スタート]のエキスパートが糞ムズい。
「流石に、これはヤバイよなぁ、、、、」
あっさりいくつもの赤子の手に捕まった天狩だが、右腕だけはかろうじて動かせる。
天狩は、脇差しを抜き、舌に突き立て、、、、、
ようとしたところで地面に叩きつけられる。
激しい衝撃が天狩を襲い、[ごぼっ]と大量に吐血する。
新しく出来た血の海で横たわっていた天狩は、ゾンビのようにゆらりと立ち上がった。
そのまま、追撃しようとした石浜幸だが、ぴたりと動きを止める。
「あぁー、、、、、痛たたた。」
いつもと変わらない、優しい笑みを浮かべた天狩。
だが、どす黒い。
表情は親においてかれた幼子でさえが安心する笑顔のくせに。
「俺、ガキの頃から、、虫が嫌いでさぁ、、、」
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ。
完全に下ネタ野郎から、殺人鬼へ変貌した天狩。
「ほら、キモいじゃん?
大抵、クラスの陰キャの定規で磨り潰して殺してきたんだよねー。」
「だから、お前も死んで?キモいしウザいからから。」
刀を二本抜き、猛然に石浜幸に向かい駆け出す。
石浜幸は優れた聴覚を使い、位置を特定し、舌で迎撃する。
が、天狩は飛び込み前転し舌の真下を転がる。
猛然と迫る、天狩に気圧され、石浜幸はとっさに、舌ではなく[耳を収納した]。
天狩は起き上がり、隙だらけの舌ではなく、毛むくじゃらの腕を狙う。
天狩は左腕の刀を振り下ろすが、ぎいいんと音がして、刀は少し弾かれる。腕は想像以上に、硬いようだ。
が、この程度の硬さを斬れぬようでは、[GIFT]は名乗れない。
天狩は今度は高速で3回転し、右腕の刀を振り下ろす。[ぶつり]と音がして、今度は切断に成功する。
これで、石浜幸の先頭の右腕はホルスS9155で吹き飛ばされ、先頭の左腕は小太刀で切断され、石浜幸は自身を支えるのが難しくなり顎を無様に床で打った。
「グぎいイいイイいイいイいイ!!」
石浜幸の呻きを天狩は嘲笑する。
「お得意の拡縮はしないのぉ?
あ、そうかぁ、、常に巨大化していないということは時間制限があるんだろうねぇぇ。
腕も斬られちゃって、逃げれないねぇぇぇ?」
天狩の言う通りに石浜幸の拡大縮小には弱点がある。
1、[一回の縮小、拡大は数分間]
2、[一度解除したら3分間は使えない]
天狩はこの弱点を実際に食らっただけで弱点の
具体的な数値もほぼ完璧に叩き出した。
が、石浜幸は固有種の中でもかなりの生命力だった。
傷口から新しい腕を生やしたのだ。
「あああアアアあaaaaaa!!!」
しかも今までの腕と比べ、3倍ほど太くなり、長くなっている。(もちろん毛むくじゃら。)
「アは、あハは!あハはハハははハ!!!!」
天狩は千鳥足で三歩程歩いて、[くるりくるり]と回りながら、石浜幸の顔面に鮮やかに二刀の五回転斬りを叩き込む。
「ギャぎゅがぁばあアアアア!!!!!」
この餌はかなり不味い、石浜幸は本能的に瀕死のはずの宮薙に標的を変える。
石浜幸は体積を縮小し、天狩の視界から消え、宮薙の元へ移動する。
「本当は結構みえるんだけどなあー。」
先ほどの殺気は消え失せ、
天狩は石浜幸を放置し、ホルスを取りに行った。
「やっぱ、隊長より借り物のホルスだな、
もし、壊れたら種子島が何やらかすかわかったもんじゃない。」
命からがらに、目的地にたどり着いた石浜幸は壁にへばりつき頭だけを2階の床におき、大きく口を開けた。
「イたダキまあー、、、。」
石浜幸は、突然口を開けるのをやめる。
宮薙が起きているのだ、起きて自分の舌をつかんでいる。
何が起きている?
いや待て、この餌は何をしようとしている?
「このベロ邪魔。」
宮薙は舌を両手で掴み、引きちぎった。
「ぎいやアアアアアアアア!!!!!!」
石浜幸は壁から滑り落ち、床を大きな音を立てて転げ回る。
「やっぱ、俺とはちゅーしたくないらしいな。
ざんねんすごいかなしー(糞棒読み)。」
「はーい、そですねー
ところで、自然回復促進剤(回復薬)持ってません?」
「なんか、割れてる。」
「うーん、、、無能!」
「多分その割れてこぼれた促進剤の液がかかったおかげで、えげつない速さで叩きつけられたのに無傷だ。」
「えー、、、俺も叩きつけられた時」
「割れたんだろ?」
「その場のシリアスなノリに合わせて、リュックごと床に投げ捨てました。」
「お前が無能じゃん。」
「俺めっちゃくちゃに痛いんですけど。可愛そうじゃないですか?」
そんな呑気な状況の二人に向けて、
「ああああああアアアアアアアアあ!!!!!」
石浜幸が激痛に、激怒に、叫ぶ。
「あー、隊長あいつは、」
「イヤ、奴の生態云々は[ずっと起きてて見ていたから]説明はいらない。」
は???
「は???イヤイヤ、ちょっと待ってくださいよ。
じゃあ、俺が痛め付けられてるところも???加勢出来たはずなのに???」
「観察のためにな。
ごめん、嘘は良くないな、やっぱ面白かったからだ。」
天狩、スイッチオン。
「まあ、そのお陰であれ、殺せそうな方法が思いついたんだし、いいだろう?な??」
「そんなのどうでもいいからしんでください。」
天狩は全理性を総動員し、正気を保っている。
いや、これ保ってねーわ。
「じゃあ、これから作戦内容を言うぞ。耳の穴をかっぽじってよく聞けよ?」
確かに宮薙の洞察力は目を見張るような精密さだ。が、肝心の作戦となるとカスのような意見しか出さない。
なので、基本的な作戦はタリエンテが発案している。
何で、こいつ隊長なの?そう思った天狩だが、
そんなのどうでも良いから、自分の命を守ろう。
そう決意した。
あの前書きをご覧、人気が無さすぎて発狂寸前の作者だよ。




