表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/186

27.猫のポーズ

 次にニールがやろうとしているのが、カラリパヤットの中で休憩の為に使われる猫のポーズであった。

 猫のポーズの目的は休憩であり、息を整えて次のポーズへスムーズに移行する為と一旦体勢を整えて落ち着きを取り戻す効果がある。

 やり方は1つの例として、まずは馬のポーズをする。

 そこから右足が後ろなら右足を、左足が後ろなら左足を前に短いステップで出し、そこで今度は反対の足で踏み切ってジャンプし、ステップで出した足を振り上げて真っすぐ上に伸ばしてジャンプキックだ。

 そしてジャンプキックを終えた後に今度はいよいよ猫のポーズへと繋げる。

 ここでは今のジャンプキックから止まらずにそのままフォームを続けて猫のポーズに繋げて行くのがポイントであり、一旦止まってしまうと非常にギクシャクした動きになってしまう。


 ジャンプからしゃがんでそのまま座るのだが、ただ座るのでは無くて股関節を左右に目一杯開き、膝を曲げて右足は内側に折りたたんで足の甲をつける。

 反対側の左足は足の裏をつけて、目一杯外側に向ける。

 この時に右足の指と左足のかかとはくっつけていなければならないので、最初の内は違和感を覚える事必須のポーズである。

 つまり、猫の座りポーズを後ろから見てみると足が完全に横向きになっており、右足が裏返しで左足が真横を向いて足の裏がついており、右足の指と左足のかかとがくっついて足の状態で1本の線を生み出している状態になっている。

 ちなみにその時の手の位置は、手の平を上向きにして腕の力を抜き、右手を右ひざ、左手を左ひざの上においてリラックスし、顔は真っすぐ前に向けておく。


 こうして猫の座りポーズで息を整えて落ち着いたら、次に膝に置いていたそれぞれの手を爪を立てる様にして指の先から両膝の間の地面につける。

挿絵(By みてみん)

 そこから今度は右足を思いっきり後ろに振り上げて背中を反らし、まるでシャチホコのポーズにそっくりになる様に空中でポーズした後に胸から地面に身体をつけて後ろへ伸ばし、その時に左膝を曲げて膝の内側から地面へつける。

 右足は真っすぐ後ろへ伸ばし、胸からつけた身体を地面に沿わせて低い姿勢から一気に胸を上げて手は地面につけたまま少し広げてストレッチ。


 最後にそこから後ろへ2歩下がるのだが、この時にまた地面に身体を沿わせつつ後ろへ起き上がりながら馬のポーズの時と同じ様に左手を左肩にくっつけて、右腕を頭の上に通して頭の後ろをその右手を押すと、腕の力を使って素早く起き上がる事が出来るのだ。

 この猫のポーズでは身体を地面に沿わせてそこから胸を反らせる事により、胸と背中と腰のストレッチが出来る様になる。

 ここでは限界まで上に胸だけを上げるのがポイントで、腰が浮いてしまわない様に気をつけたい。

 それと、後ろに起き上がる時に腕をしっかりと頭の上から通して起き上がる事で、馬のポーズの時と同じ様に相手の攻撃をガードしながら起き上がる防御の姿勢が自然と身につくし、何よりも起き上がる時に腕の力も使えるので自分が起き上がるのが楽になると言うメリットがある。


 ヘビのポーズと猫のポーズをユフリーに見せ、時間も丁度良くなって来たので2人は武具店に入る。

 とは言ってもここは鉱山の町なので品物の数も少なく、扱っているのも最低クラスの武具ばかりらしい。

 それでも武具があるのと無いのとではこの先の戦いを生き残れる確率が段違いになるだろうと考え、何か調達する事にした。

 帝都ランダリルに近い町であるとは言え、まだそのランダリルまでは時間が掛かるし、ユフリー曰く「魔物の出る平原」を抜けなければならないらしい。

 ここで自分の使えそうな武器や防具を選ぶのだが、ニールは割と何でも武器を使える。

 スタントマンの仕事で武器を使う事もあるのだが、元々カラリパヤットでは木製の武器と鉄製の武器をそれぞれトレーニングするので幅広い武器術も習得出来る。

(流石にウルミは無いみたいだな)

 それがあったとしてもウルミはかなり癖がある武器だし、広範囲に攻撃出来る反面使える場所も限られるので、ここはファンタジー作品のイメージに沿って剣と盾の組み合わせを選ぶ事にした。


 それをユフリーに相談してみると、彼女はニールの背丈に見合ったサイズのセットを見繕う。

「そうねえ、貴方の体格だとこの辺りかしらね?」

 この位かなーと見当をつけてニールにその剣と盾のセットを手渡すユフリーだが、次の瞬間かなりの衝撃が2人を襲う。

 バチィィィッ!!

「うぐおっ!?」

「きゃあっ!?」

 何かが破裂する様な音、閃光の様に強い光、そしてお互いの手から腕に伝わる痺れる様な痛み。

 その衝撃に思わず武具のセットを床に落っことしてしまい、呆然と立ち尽くす2人。

「な、何が起こったの?」

「い、いや……俺は別に何もしていないぞ……?」

 しかし、ニールにはその謎の現象に身に覚えがあった。

 それはつい最近、あのギルドの追っ手に追われる前の宿屋での出来事。

 その時もシチュエーションは違えど、同じ現象を経験したのは今でも記憶に強く残っている。

 そして今また、今度はユフリーにも分かるものとして襲って来たこれは一体何なのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ