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26.ヘビのポーズ

 その鉱山の町では、結論から言えば地球に関する手掛かりはまるで見つけられずに終わった。

 鉱山で働く町人が多いので何かしらの情報が得られるのではないかと期待してはみたが、そう言う違う世界がどうのこうのとの情報は持っていないらしい。

 ニールとユフリーも事情が事情だけにアバウトにしか聞き込みが出来なかったのも大きいし、ユフリーが魔力を持っているにしても2人揃って余り他の人物に近づき過ぎるとニールが魔力を持っていないのがバレてしまうので、基本的にはユフリー任せの聞き込みになったのも情報を上手く集められない原因だった。

「くそ……なかなか上手く行かないもんだな」

「無理もないわよ。だって違う世界があるなんて私達は信じられないし、ましてその情報を集めてます……なんて大っぴらに言ったらまたあのギルドの連中に目を付けられちゃうもの」

「そうなんだよなぁ……」


 心底残念そうに頭をバリバリと右手で掻くニール。

 しかし、自分がもし逆の立場だったら……と考えると同じ行動を取るかも知れないとも考えた。

「とにかく、この町にはもう用は無いな」

「そうね。色々と旅支度をして、それから食料もまた買い込んで……後は貴方の武器や防具を集めたいけど、今の時間帯はギルドの人間がまだそこら中に居るから武器と防具の店には閉店ギリギリに行きましょう」

「分かった」

 それまでは町の片隅で、ひっそりとニールは3つメノポーズのショーをユフリー相手にする事に。

 その

 3つ目のポーズはヘビのポーズである。

 ヘビのポーズは横から見ると、下から上に物凄く身体が反っている柔らかさ満点のポーズ。

 このポーズの使い道を先に言っておくと、最初に道場に入る時に祈りを捧げる道場礼拝と言う儀式をしなければいけないのだが、その時に使われるポーズの1つだ。

 それから剣と盾を使った練習の時に、相手と一緒にヘビのポーズをして盾と盾をお互いに合わせる時にヘビのポーズを使う時がある。

 それから腕をロックするテクニック(関節技)がカラリパヤットには存在しているのだが、その関節技をかけられる前に(かけられてからでは抜け出せなくなるので遅い)ヘビのポーズの動きで、そのロック技から抜け出す事が出来ると言う寸法だ。


 ヘビのポーズのやり方についてだが、まずは馬のポーズと同じ歩幅にする為にどちらかの足を目一杯後ろに伸ばして、片膝立ちのポーズから土踏まず側が地面になる様に90度に曲げる。

 ここまでは馬のポーズと同じで、手はいつもと変わらずに両手をそれぞれ反対側の耳にくっつけたままだ。

 膝は地面から徐々に離していき、まっすぐ伸ばした状態にしておくのも馬のポーズと変わらない。

 つまり足のポーズは馬のポーズの時と何も変わりが無いのだが、ヘビのポーズはここからが違う物になる。

 馬のポーズでは耳にくっつけていたそれぞれの両手を下に下ろして、前に出している足の横に並べて地面にくっつけていたのに対して、ヘビのポーズではまず両手の平を合わせる。

 次にそのまま斜め上に向かってまっすぐ両手を突き出しつつ、背中も自分の限界まで反らしながら顔は少し斜め上を見る様にする。

 つまり伸ばした両手を顔全体で見る様にする事で、自然と背中の反り方もついて来る事になる。

挿絵(By みてみん)


 これがヘビのポーズになるのだが、ここから身体をターンで180度、270度、180度とそれぞれ向けて4つの方角にある神に祈りを捧げる事もしたりする。

 180度のターンをする時はまず腕をクロスさせて両手を耳に当て、上体だけを起こして足はそのまま。

 そこから右手を頭の後ろに持って行き、左手は右の肩に当てておく。

 次に上半身全体を前に倒しつつ右手を頭の上から下に持って行くと同時に左手を肩から離して、両足をそれぞれ一緒にかかとを使って反対側にターンさせる。

 その足のターンと一緒に前かがみになった頭を身体の内側に入れて股の間から後ろを見つつ、両腕を顔の前でクロスさせておく。

 そして180度のターンをして、手をもう1度合わせてから腕を斜め上にまっすぐ上げ、顔も斜め上を見れば終了だ。


 270度のターンは最初に、後ろに伸ばした足に前の足を移動させて足を一旦閉じ、そこからまた足を後ろに伸ばして180度のターンをする。

 この時に、最初の後ろの足は馬のポーズと同じで90度の方向を向いているので、前に出している足を90度に曲げたままの後ろの足にくっつける事になる。

 つまり最初の時点で90度のターンが終了し、そこからプラス180度でトータル270度のターンが完成するのだ。

 ヘビのポーズでは腕と上半身を斜め上に向ける事によって胸と背中のストレッチになるし、前にバランスを取る必要があるので太ももの裏側を両足ともに鍛える事が可能になる。

 下手にスクワットをするよりかは簡単で、尚且つ効率良く足の筋肉を鍛える事が出来るし、上半身の姿勢も自然と真っすぐに伸びる様になって、身体全体の姿勢も段々良くなって行くのがこのヘビのポーズのトレーニングだ。

 最初は無理に斜め上に向けようとしなくて良いし、ターンの時も出来るだけで良いので頭を屈め過ぎない様に注意するのがポイントである。

 そして慣れて来たら胸と背中と手の位置、それからターンの時に自分の限界まで上半身を屈ませてヘビのポーズを極めて行く。

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