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23.馬のポーズ

「ポーズの練習?」

「ああ、カラリパヤットのポーズの練習だ」

 まだ時間が結構掛かる道のりだし、馬に乗りっぱなしだと運動不足になってしまうので休憩や野宿の度にニールは地球での日課にしていたカラリパヤットのポーズのトレーニングをする事に決めた。

 まず最初にニールがやるポーズ、それは馬のポーズだ。

 馬は四足歩行の生き物なので、必然的にカラリパヤットのポーズも四つん這いになるのだ。

 とは言え、そのポーズはただ単に四つん這いになるのでは無い。

 まずは片足を目一杯まで後ろに伸ばし、もう一方の足の裏でしっかりと身体を支える。この時に両手は両腕を胸の前でクロスさせ、そこから手の甲をそれぞれ耳にくっつけておく。


 次に後ろに伸ばした足の向きだが、これは土踏まずの部分を下に向ける。

 つまり地面に対して平行になる様に足首の関節を90度に曲げるのだが、これは最初の内は限界ギリギリまで足首を曲げるので、日常生活で外股気味に歩いている人でも結構辛いものがある。

 そうしてそのまま上半身を下に向かって下ろして行く。

 この時に顔は真っすぐ前を見たままで、肩も真っすぐにする。

 つまり上半身を真っすぐに保つ事がポイントの1つになる。両腕と両手はそれぞれ最初に耳にくっつけたままの時のポーズを維持する。


 そこから今度は両手を耳から離し、腕を真っすぐに伸ばして手のひらを地面にくっつける。この時にくっつける位置は踏ん張っている前の足の横に手を並べて地面に置く感じだ。

 このポーズを横から見てみるとカラリパヤットの馬のポーズになる。

挿絵(By みてみん)

 伸ばしている足の方はなるべく曲げない様にしなければいけない為、かなり足に力を加えておかなければならない。

 このポーズによって股関節の柔軟性もそうであるが、踏ん張り続ける事で持久力もつくし、膝の関節も伸ばす事が出来る。

 肩も真っすぐにしていなければならないので、自然と背中が反るフォームになる。


 次にここから元の体勢に戻る時には、まずは伸ばしている足とは逆側の手を伸ばしている足側の肩につける。

 次にもう片方の二の腕を頭の上にくっつける位まで近づけて通し、その通した勢いを利用して身体全体を後ろに起き上がらせつつ、通した腕の手で自分の頭の後ろを押す。

 この時に伸ばしている方の足は動かさずに、前で踏ん張っていた足を少し後ろに引っ張って元の体勢に戻り、再び両腕を胸の前でクロスさせて両手の甲を耳にくっつける。

 ポイントとしては手を後ろに押し出す時に身体も横を向いてしまいがちなのだが、ここも横に向けずにまっすぐ前に向ける姿勢をなるべく保つ様にする事だ。

 と言っても人間の身体の構造上、少し横を向いてしまうのは仕方無いが。


 この馬のポーズは素手の格闘術では主に回避行動に使われる。

 例えば相手が回し蹴りをして来たら馬のポーズでしゃがんで避け、そこから伸ばしている足を前に踏み出して、そのまま両手でパンチを相手の腹やみぞおちに繰り出す事が出来る。

 また、相手に自分の脇の下から両腕を通されて首を押し下げられた時、馬のポーズの歩幅で下に身体を自分から下げる事で相手も勢い付いて一緒に下に下がるので、そこから手を相手の首に回して後ろから前にぶん投げる事も出来る。

 後ろに下がる時に二の腕を頭の上から通すのも理由があり、この二の腕で相手の攻撃をブロックする役目を果たしているのだ。


 これは剣と盾を使う時の鉄製の武器のトレーニングにおいても同じ事が言える。

 相手の攻撃を右手に持っている剣で頭の上に二の腕を通す事でしっかりと弾いてブロックする事が出来るし、そのまま後ろに突き出す事で後ろの相手にも攻撃やけん制が出来る。

 つまりストレッチや柔軟運動にも使う事が出来るし、尚且つ実戦でも素手、武器共にこのポーズが役に立つと言う訳だ。

 実際にニールも師匠のインド人からトレーニングを受ける時に、このポーズを実際に使う場面を知って感心した覚えがある。

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