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103.機密書物庫のバトル

 そう言い終えると同時に、バトルアックスを手にニールに仕掛けるエルマンと、それに続くイルダー。

 だがニールは落ち着いて素手で迎え撃つ。

 第三者が見たら「その腰にあるハンドメイドの武器を使えば良いんじゃないか」と言われそうだが、まだこの武器には使い慣れていないので今回は素手で戦う事を決めるニール。

 エルマンのバトルアックスを足で弾いてブロックし、イルダーのロングソードを屈んでかわす。

 このホールはそれなりの広さがあるので戦うには十分なスペースがある。

 そして「ここで捕まる訳にはいかない」と言う執念だけでニールはイルダーとエルマンに立ち向かう。

 しかし、ロングソードのイルダーとバトルアックスのエルマン、と言うタイプの違う相手を2人同時にしなければいけないのでかなりきつい。

 イルダーの素早いロングソードが向かって来れば、素早くかわして懐に飛び込んで膝蹴り。

 エルマンのバトルアックスには手技を中心に接近戦で対抗。


 一方の冒険者コンビはニールに対して2人と言う人数差を活かし、エルマンが本棚にニールを押さえつけて膝蹴りをかまし、イルダーがニールの腹にロングソードを持っていない左手でパンチ。

 ニールは細身のエルマンの顔面に裏拳を突っ込んで脱出するも、すぐさまイルダーが追撃をかまして来る。

 それを接近戦で手技で回避しまた膝蹴りをかますが、立ち直ったエルマンの連続キックがニールの顔面と腹にクリーンヒットして、彼の身体がゴロゴロと後ろに転がる。

「ぐほっ……あっ……ぐぐ……っ!」

 顔よりも腹の痛みの方が大きいニールが腹を押さえて立ち上がれば、その視線の先ではイルダーがエルマンと共に再びニールを両側から挟み込む。


(くっ……やっぱ強い……)

 2人の体術の違いを考えると、イルダーはロングソードのリーチを活かした手技と押さえ込み系で、エルマンはどうしても大振りになりがちなバトルアックスの隙を補う為の足技中心の体術らしい。

 若いけどやはりギルドの冒険者と言うだけあるな……と心の片隅でニールは感心しつつ、先に向かって来るエルマンのハイキックを回避しイルダーのロングソードも回避。

 そのままイルダーを力任せに押し倒すが、エルマンのキックで押さえ込みが中断される。

「おらあ!」

 更に向かって来たエルマンのバトルアックスを持つ手をキックで弾いて、さっきのお返しとばかりにキック。

 しかしキックは隙も大きいので、その隙にイルダーがタックルをかましてニールを地面に押さえ込む。


「まだ……まだぁ!!」

 完全に抑え込まれる前にニールは脱出し、お返しとばかりにイルダーの顔面にパンチ。

 そこにエルマンの飛び蹴りからの回し蹴りが来るものの、後ろに下がってから屈んできっちり回避し、回し蹴りを繰り出す足を掴んで軸足の向こう脛を全力で蹴り付ける。

「ぐっ!」

 痛みで顔を歪めつつ怯むエルマンを尻目に、イルダーがロングソードを振りかざしてニールに向かう。

 だが、ニールはそれをまた屈んでギリギリ回避し、カウンター気味に連続ストレートパンチからの膝蹴りでイルダーをぶっ飛ばす。

 パンチやキックだけでは無く投げや関節技も取り入れ、向かって来たエルマンの勢いを利用して彼も投げ飛ばす。

 1人を遠ざければ1人が近づいて来るのでキリが無い。


「このっ……!!」

 イルダーが連続膝蹴りを繰り出して来たが、それをニールは耐え切ってカウンターの肘で回避。

 次にエルマンの連続キックを迎え撃ち、今度はラリアットをかまして地面に押し倒す。

 その隙を突いてイルダーがロングソードを振り回すが、上体を反らして避けつつ前蹴り。

 ……が、咄嗟にイルダーも前蹴りをかましてニールをぶっ飛ばし、2人が同時に機密書物庫の床に倒れ込む形になった。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……ふぅ……」

 腹を押さえつつイルダーは何とか立ち上がる。

「オッサンの割になかなかやるじゃねえかよ……もう容赦はしねえぜ……うらぁっ!!」


 息を切らせつつも立ち上がったエルマンが先にバトルアックスを振って向かうが、ニールも立ち上がると同時に彼の懐に飛び込みつつの前蹴りで近寄らせない。

 イルダーもロングソードで向かうも、ギリギリでまた回避してカウンターでパンチ。

「貴様っ……!!」

「やろっ!」

 こうなったら同時に……とイルダーとエルマンはそれぞれの獲物を振るうが、ニールは片手ずつでその手首をキャッチしてグルッと身体を捻り、自分の左からやって来たイルダーの腕の下を2つの手首を掴んだまま潜る。

 そうすればイルダーとエルマンの腕が絡み合う形になり、そこから引っ張ってやれば冒険者コンビの身体が前のめりに倒れる形になった。

「うぐぅ!?」

「うお!?」


 その瞬間、イルダーのマントの内側からジャラリと音を立てて金属製の手錠が飛び出た。

 それを見た瞬間、ニールは手錠を掴んで2人の右手首同士で錠を繋げる形で掛けてやる。

 それもただ繋げるのでは無くイルダーの腕を背中に回し、イルダーの下でうめいているエルマンの右腕も背中に回す形……背面で右手同士で繋いでやればお互いに身動きが取れない。

(もしかして……)

 エルマンの着こんでいる上着の内側を探れば、やはりそこにも手錠が。

 もしかすると自分を活かして捕らえる為にこうして持って来たのだろうかと考えつつも、それを使って今度は彼等の左手首同士を背面クロススタイルで繋ぎ合わせ、こちらでも身動きが取れない状態に。

 この瞬間、機密書物庫のバトルはニールの勝利で幕を下ろした。

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