再び、学校にて
彼女はまだ登場しません。
おはようごさいます。って言ってももう昼なんだけどね。僕はなんで自分に突っ込んでるんだ。これではまるで痛いひとじゃないか。
まあそれはいいとして、何でこんな時間に学校ではなく家にいるのかって。それは・・・別に風邪を引いた訳でもない。もちろん不登校という訳でもない。
さぼりだ。あれ不登校とさぼりって同じ意味なんじゃ・・・まあいいや。ともかく昨日、音に言われたとおり忠告を守っているってこと。
久し振りに心配してくれる人がいたので案外嬉しい僕。なので学校を休んでるわけ。わけなのです。
・・・悪いか。音といえば昨日のお好み焼き、おいしかったな。
まさか、あそこまでおいしいとは、ソースのおいしさがあそこまでキャベツをひきたてるなんて、
それにあの豚肉あそこまでカリカリに焼かれたら、僕はもう・・・って僕はなにを言ってんだ。
とmy worldに入ってると携帯がブルブルと鳴る。いやブルブルと震えている。
まるで雨に濡れた子犬がこちらを見つめてくるように。ってなんか今日テンション高いな。僕
ちょっと冷静になったところで携帯を開く。そこには新着メール1件ありの文字が。
また迷惑メールかと思い、無視する。否。無視しようとしたが何か嫌な予感がした。
昨日、音はなんて言っていた。思い出せ。たしか、明日はたぶんやばいような気がする。そんな根拠がないことを言っていたような気がする。
でも僕の噂を知っていたぐらいだからな。あれは根拠のないことじゃなく確信に基づいたものなら・・・やばい。あわててメールを開く。
メールの内容は・・・・・って迷惑メールかよ。なんか肩すかしをくらった気分だな。でも嫌な予感は消えない。こういうのは一度思ってしまうと
どこまでもひっついてくる。まるで性質の悪いストーカーだ。うーん性質の悪くないストーカーっているのか。まあいいや。こういうときは動くに限る。
見つからないように学校に行こう。それで音が無事ならまあ帰ればいいし、無事じゃなければ助けるだけ。
もしこの物語を見ていた人がいるならたぶん笑うだろう。なんで友達になってたった1日なのにそこまでして助けようとするのかと。
なので僕はこう言うだろう。
友達だからと。ただ理由はそれだけで十分だ。まあ現実には起きないだろうけど。音は普通に学校に行って、普通に生活しているはずだ。
でも制服に着替えて、急いで学校に向かう。一刻も早く自分の不安を解消するために。
学校に着いたとき、僕の不安が的中した。
そこはすでにおかしな空間になっていた。授業中なのに異常に騒がしいし何か空気が狂ってる。
まるで僕が刺されたあのときみたいに。
「おにいちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん、すぐにわたしが××してあげる。」
今は聞こえないはずの幻聴が聞こえたような気がした。
ここはやばい。そう身の危険を感じた僕は隠れようとするが、どうやらそれはすでに遅かったみたいで何者かに後頭部を殴られたあとだった。
当然、僕は意識を失った。
意識が戻ったのは辺りが真っ暗になってからだった。まず状況を確認する。うん縛られてる。力をいれてもびくともしない。
どれだけ縛り好きだよ。っていうかここはどこだよ
「ここかここは生徒会室だが。縛っているのは、うーん君が危険だから縛らせてもらった。といことにしよう。
まさか音君の忠告を守らずに来てしまうとは、まあいい。どちらにしろ、君が俺の目的だったのから。あのときからね。」
聞いたことのない声だった。それに僕は喋っていないはずなのに。しかも姿が見えない。
「まあ、なんとなく分かったっていうことにしといてくれたまえ。ともかく君は一 凛君で
まちがいないね。」
まあ俺が間違える訳がないけどと付け足して僕が一 凛がどうか確認してくる。
「違うと言ったら家に返してくれるのですか。」
「いやそれはないけどね。一応確認しておこうと思って。お約束だよ。」
「まあ僕がそうですけど、貴方は何者なんですか?」
「俺はこの学園の生徒会長。名前なんて名乗るものじゃないさ。特に君、いや歩く不幸君の前ではね。」
「あれ、僕のことを知ってるのですか。その名前は此処じゃ知ってる人はそういないはずなんですけど。」
「知ってるさ。君のことはね。最初に言っただろう君が俺の目的だって。」
「でその目的は何なのですか?」
「とても陳腐なものだけど復讐さ。俺は君に復讐するためだけに生きてきた。」
「そうですか。音はまだ生きています?」
「クールだね。普通ならこの状況で俺を恐れることは出来てもそこまで冷静じゃいられないと思うのだけど
計算が狂ったな。まあある意味計算どおりか。ちなみに俺がなんで君に復讐したいのかは聞かないのか?」
「ええ。言われても僕にはもうどうしようもないことですから。」
「ふむ。なるほど。音君は今は無事だ。今後無事かどうか保障はできないけどね。」
「それならいいです。まあなんとかするでしょうから。今更なんですけどこんなことして大丈夫なんですか?」
「俺の心配かい。いや、俺は捕まるだろうね。危険な橋は相当渡ってきたんだ。それこそ今更だ。
君への復讐こそが俺の生きがい。復讐さえできれば死さえ厭わない」
「そうですか。」
「例えば俺が全校生徒の命を握ってると言われても君は顔色一つ変えないだろう。だがどうだ。君の友達の命を握っているといえば」
そう。その顔が見たかったのだよと言って生徒会長は狂ったように笑った。
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