黒の国のママ/兄なんて /黒黄
お母さん……お母さん……
どこ?お母さん
(黒の国)
「やっと……ついた……」
赤の国を出てから約1日ぐらい経ったのだろう。
「黒の国についてからどこに行けばいいか……分からない……」
ー二日前ー
「なんで?パパ……なんで、ママを殺したの?殺さなきゃいけなかったの?」
私は心の底から思った。
「悪い……マーラ」
その一言だけを残してパパは私の前から姿を消した。
そして、私はママの生きてきた所に行きたかった。
たとえ、私が死んでも……
「君だーれー?」
そんなことを考えていたら声が聞こえ後ろを向くと誰もいなかった。
正面を向くと小さな女の子がいて驚いたが私に向かってもう、一度「君だーれー?」と言った
その子に近づくと私は倒れて小さな男の子が私にむけてナイフを首に当てて私を殺そうとした。
「ニア?この人、殺してもいいよね?」
私は殺される。
「いいよ?リノ……殺しちゃお!!!」
首元をかき切って私は殺された。
ーお前は本当の死は『いつ』だと思う?俺は……ー
(黄の国)
「ルイ兄!!!バンが……バンが!!!」
僕はバンが自分の身を売ってまで金を用意し僕達を生かそうとしたのを兄さん達に言おうとした。
それでも、兄さんは……
「金を作るのは大変だが自分の身まで売って作った金だ。ありがたく使え……」
兄さんはそう言ってこの下水道から出ていった。
「バンが……いなくなったのは……僕達がドブネ……」
兄さんは大声で「ニール!!!もう、いい……もう、いいんだ……喋るな」と泣きながら叫んだ。
兄さん達は知っている自分の身を売るという事は牢屋で一生を送るか金持ちの一生奴隷になるかということを……
その日の夜に僕達には聞こえないような声で兄さん達が言っていた
「いいの?ニールはバンのことが好きだったのに……」
「しょうがないだろ……俺らだって作れる金と言えば朝の牛乳配達と他の国からの輸入補充だけだ。金持ちはこれ以上金持ちになりドブネズミは食べる物が無くなれば死ぬだけだ。生きてることに……ただ、生きてることだけに感謝をするんだ。」
その言葉で生きてることに感謝をして寝床に行った。
幸せな世界を壊されないように……世界を壊す兵士に会うまでは……