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それは綺麗な世界のように  作者: 勇野章
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神様を知ってるかい?/忘れ人と無き命/黒赤


神様、お願いです。


僕に能力をください。


僕に……僕だけに……


生きる意味を生きる価値を


『そうか、生きる意味をやろう。生きる価値をやろう。能力をやろう。』


お前を神にしてやろう



(黒の国)


黒の国の能力は無駄な能力だ。相手の視力を奪う能力だ。

『回復も出来ない』『炎も出せない』『金を使えば能力を使えない』『水を自由に動かせない』『地面や風を自由に操れない』


ただ、視力を奪う。目をつぶらせる。それが唯一の能力で黒の国では視力を奪うことしかできなかった。


だから、目を奪ったんだ。自分の目を


お願いです。

僕に……僕だけに……能力をください


「そうですかー!!!能力がそんなに欲しいんですかー!!!私はね?ネロア!!!あ、神の名の方がいいかな?私はスーゼ!!!」


俺の頭に手を置いた女は俺に力を渡した。初めて視力を奪う能力以外を使える気がした。

もう、自分を見てもいいんだ。俺は俺を見てもいいんだ。


「あ、そうだ!!!神様に言われてたんだ。君に神の力を渡した。君はどうする?神になる?それとも、死ぬ?」


こんなに殺意の籠ってない「死ぬ」という言葉は初めてだった。


「一応、私は君に『呼吸をさせない能力』を渡した。だから、神の権利可で『呼吸器破損で死ぬ』……死にたくないのならこちらに来て……ね?」


死ぬ?いや、もう、死んでもいい……

俺は生きる価値なんか無い……

でも、神に……神の能力さえあれば……


「死んでもいい。だから、俺を神にさせろ!!!」


了解した。


(赤の国)


「なぁ?ムルーク!!!赤の国に来たけどどこを見に行く?旅の中で初めて行く国だから」


俺はドブネズミからやっと人間として見られることに喜びを覚えた。

だが、それと同時にあの時にいたみんなに後ろめたい気持ちがあった。


「そうだな……この国の広場に……」と言うとムルークは倒れた。


「大丈夫か!?」と言って近づいた。

その倒れたムルークに俺以外のもう1人近づいた。


「大丈夫ですか?」

その男は心配の言葉を言ったがその男の方に心配の声をかけたかった。


「大丈夫……だが、胸が痛くて……お前の方こそ大丈夫か?すごい泣いてるぞ?」


泣いてる男は自分の目に触れて「泣いてるなんで?」と声を出して思い出したように叫んだ。


「うぉぉぉ!!!マーラだ。マーラ!!!マーラが消えた!!!俺は何も誰も助けられなかったんだ」


そう、言うと男は頭をガンッガンッと地面にぶつけた。

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