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それは綺麗な世界のように  作者: 勇野章
26/28

私ね?/王の資格/青白

私ね?


パパとママがいなかったの……


だって、死んじゃったから……


だって、私が5歳の時に……


殺し……


『だから』


(青の国)


「お姉ちゃんを守るんだ!!!」


私には姉がいなかった。

でも、家の近くにいる姉が好きで遊んでた。


「もっと、近くにいたい。あれ?パパ?ママ?なんで?なんで、動かないの?」

パパとママは動かなくなって血だらけで私は刃物を持って震えていた。

白いワンピースに赤い血と震える小さな女の子……


私は可愛くて血で汚れた服を着て可哀想な『おんなの子』

そして、私はここでお姉ちゃんの妹に初めてなる。


血の繋がりなんていらない……

血の繋がった親なんていらない……


お姉ちゃんの妹になって数十年……

私は本当にお姉ちゃんの妹でいられてお姉ちゃんの妹になれて本当に本当に


『よかった』


その後は覚えてなかった。

好きだったお姉ちゃんのことも殺した親のこともなんで、苦しいのかもなんで、海に溺れてるのかもなんで、足を掴まれてるのかも


そして、なぜ、こんなにもボコボコに殴られてるのかも……




(白の国)


王の姿であるが王ではない化け物が立ち去った。

それが娘である『ユースリア』でも、関係なく踏み潰した。


いや、娘ではないか……人を踏み潰せるやつを俺は王とは親とは思いたくない

でも、それを覚えているのは俺だけだった。いや、思い出したくないのかもしれない。


目の前に本物の王がやってきた。そして、帰らされた。俺が働いてた場所に怒られた。馬小屋で食べる小麦の甘味を感じるパンもポケットに入ってた食べかけのリンゴも人型のバケモノも俺には何も分からなかった。


「ただ、俺はあの女に正面向かって気持ちを話した。シトラスのことも気になる。だが、俺はただの一般人、城の近くに行こうと入ることはできない」

月を見て言った。ボロボロな馬小屋は1つの月と満天な星空が浮かぶ


「私もそう、思う。私のことを気にしているのは少し驚いたがな?」

屋根にいたシトラスに驚いた。腰からナイフを取り出してリンゴを4分の1に切り皮を剥いて下に落とす。

「それを食べるといい。昼間は申し訳ないことをした。この時間は王国のメイドでは、無いからな?少し、話をしないか?」


そのリンゴを食べる。皮が剥かれたリンゴを食べるのはいつ以来だろうと考えているとシトラスは干し草に飛び降りて俺の目を見て「綺麗だ」と喋り下に顔を落としてもう一度、上を向き言った。


「私は貴様の考えに納得している。私も新たな王はお前だと思っている。貴様意外は王に似せたあいつを覚えていないと言っている。王は一旦帰れと言ったが次は王、直属に来いと言われるだろう。貴様は王になる気はあるか?ユースリアはあの通り適当だ。一番信頼を置けていたリンだって姉のユースリアの前じゃ何も言えないやつだ。貴様も知ってるだろうが王だってこの国のことを一番に考えている」


瞬きをして一度、深呼吸をして頭を下げた。


「申し訳ない。私ばかり話してしまった。貴様は言うことはあるか?明日になり連れてこいと命令されてもこのような態度ではいられない」


気になっていると思っていたが俺はこのシトラスという女に恋をしていたのだと初めて知った。

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