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それは綺麗な世界のように  作者: 勇野章
25/28

好意たる記憶/悪意ある声に傾けて/赤/緑


いつから、そう決めただろう。


自分が悪いのに周りのせいにして

周りが悪いのに自分のせいにして


そうやって俺は逃げてきた。

そうやって彼女のことも見ずに……


彼女?誰だ?それは……

誰だっけ?彼女の名前は……


確か……マ、マ、マ……


(赤の国)


「マーラだ!!!そうだ!!!マーラ!!!俺が好きな女……好きだった人……好きだった?」


俺は思い出した。その瞬間、忘れた。

「誰だ?好きだった人……」


初めて死体を見た。初めて銃声を聞いた。初めて彼女の涙を見た。


初めて 初めて 初めて


初めて彼女の顔が黒く見えた。思い出そうとする度に顔が黒くなる。

顔がぐにゃりと曲がり顔が黒くなり見えなく……いや、思い出せなくなっていた。


思い出せなくなっていたのならまだいい方だ。


そいつは最初からいたのか?女だったのか?男だったのか?

好きだったのか?嫌いだったのか?

今やいたのか分からない人間を思い出そうと……



「あれ?誰を思い出すんだっけ?何を思い出すんだっけ?」


あれはなんだっけ?あそこで倒れてた人は誰だっけ?血は何色だっけ?


「俺が想っていた人は俺が考えていた人は誰だ?」


頭だけが痛かった。記憶だけが無くなっていた。


そして、俺は全てを忘れていた。


ー我は黒の神、お主の記憶はもらっていく『 』はお主から遠い存在なのだよ。ー


「誰だよ……誰なんだよ!!!」

記憶と共に流れてきた声に震えて叫んだ。


その事に周りは恐怖を感じていた。



(緑の国)


「ノーブル、好きよ?」

悪意を感じる感じることなく好意いや、癒し?安心などが言葉から感じた。


俺はこの言葉を待っていたのだ。

「愛してる。ヴァーテル」


でも、でも、なんで……なんでだ。

俺が何をした?何を求めた?何を奪った?


俺は幸せを……ただ、この普通の日々を暮らしたかった。


「ヴァーテル!!!なぁ?ヴァーテル!!!俺はお前に妖精に何をした!!!」


そうか……わかった。

答えてはくれないのか……

なら、このまま永遠の命を授かろう。


「そして、俺は妖精になった。そうだよな?妖精になれたんだよな?」


悪意だけを持って生きよう。妖精に世界に国に

悪意が無くなるころ俺は初めて死ねる。


深い深い意識の海に落ちた。


これで俺も妖精になる。


落ちる頃に夢を見た。


『ノーブル』の声だ。


夢の中の俺は人の心を苦しませる。妖精などなりたくなかった。


「ノーブル、俺はお前のことが好きだ。だから、俺は旅に出る。お前に迷惑をかけぬように」


だから、来るな……お前にこの姿は見せたくない。


自分の首を切り妖精にならないように亜人にならないように

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