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赫蒼の殲滅者  作者: 怪奇怪獣魔爾鴉男
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最終話「別れの火」

今度はちゃんと設定やストーリー構成練らないと....

A.


春野 紅鴉との戦いが終わって三ヶ月、亜神の街はすっかり白銀の雪に覆われてしまう程に寒い季節を迎えた。


子供たちは雪だるまを作り雪合戦をし、大人たちは炬燵の中で蜜柑を食べながら特番を見ている。



「....けど私達に冬休みは無いんだよね」



「うん。世界中で無力な人たちが私たちを待っているから」



春野 紅鴉は倒したけど、海外に人々を虐げる悪い能力者たちで構成された組織が金城家の活躍で明らかになった。


だからソイツらを倒して皆の笑顔を取り戻す為に、私と水無ちゃんは海外に行く決意を固めたんだ。



「りぼそと〜花とゆりと〜」



荷物を纏めているところ。どれもこれも持って行きたくなっちゃうなあ!



「旅行に行くんじゃないんだよ」



「はーい....」



残念、今まで集めた少女マンガ雑誌と単行本は持っていけないかあ。


着替えとかシャンプーやタオルとか必要なものを入れるとなると邪魔だもんね、全部もう読んだから良いけど。



「....晩ごはん、出来たわよ」



「うわあい、一旦きゅうけーい!」



三人前の、炊きたての白いご飯に、シチュー、麻婆豆腐がテーブルに置かれていく。


幼馴染の作ってくれる料理を食べられるのも、これで最後かも....ううん、最後になんかしない。敵を倒したらまた帰って来るって、ひよりに約束したんだから!



「うわー美味しそう、いただきます」



「料理の腕前が上がってる」



「そりゃどうも....」



ひより、元気ないなぁ。別れるのが辛いと思ってくれるのは嬉しいけど笑顔で見送って欲しいよ....。



「ごめん、わたし寝る....出るときには起こして」



「まだ残ってる。勿体無い」



料理に殆ど手をつけずに上がってっちゃった。頬っぺたが落ちそうな程に美味しいのに....水無ちゃんの言うとおり勿体無いよ。



「あー、食べて良いから。じゃあお休み」



「ひよりってば!」



....ひより、私は.... ....。




最終話「別れの火」



B.


春野家の二階、緋美華が毎日寝ているベッドの上に私は横たわっていた。辛い現実から少しでも逃げたくて....本当は一秒でも長く側にいた方が良いって分かってるのに。



「けど....きっと泣くの我慢できないよ」



寂しくて携帯で話したくてもお金がたくさんかかるなら、金城が払ってくれると言っていた。


けど私の居場所が特定されたら危ないからと連絡も取れなくなるらしい、だから....もう当分は声すら聞けなくなる。



「我慢しなくて良いんだよ」



「きゃっ!」



いつの間にか私の隣に緋美華の顔があった、この年で一緒のベッドってあうあうあああ!?



「ひより、準備も食事も終わったよ。だから時間が来るまで一緒にこうしてて良い?」



私の腕に緋美華の細い腕が絡み付く、凄く幸せ....。



「あ、あは、好きにしなさい!」



寧ろ私からお願いしたいくらいよ、ああもう、つい顔がニヤけちゃうんだけど!



「ありがとう」



緋美華と私は額をくっつけて、腕を絡めて、津神が時間を告げる時まで一緒の時間を過ごした。


それは短いけれど今まで以上に幸福な時間....泣くのは今じゃないよね?




C.


夕方....別れの時間が来た、椋椅さんが運転するリムジンで送って貰い、いま港に辿り着いたところだ。



「ごめんね。連れて行けなくて」



今以上に危険らしいし、足手まといになりたくないから私も行く気はない。


にしたって謝りたいのは私の方よ、結局は何の能力も発現しなくて、何の助けにもなってあげられなくて....!



「別に良いわよ、逆にアンタのお守りから解放されて清々してるんだからね」



最悪....どうして私はこんな時にまで素直になれないの....?



「素直じゃないんだから」



「あ・・・・」



緋美華が私を強く抱き寄せて、頭を優しく撫でてくれる。小さな頃を思い出す、昔は私は泣き虫で何時もこうして貰ってたっけ。



「うわぁああああああああああん!」



私は遂に耐え切れなくなり、子供みたいに泣きながら愛する幼馴染を抱き締めた。


暖かくて優しいこの温もりを少しでも長く感じたい、出来るならばずっと....叶わないことだって分かっているけど願うだけなら良いよね?



「絶対にまた帰って来るからね」



「私はね、ずっと....アンタのことが」



“好き“



「ひより....」



耳元で確かに伝えられた、こんなギリギリになってやっと....本当に私って臆病者ね。



「私も大好きだよ!」



そう言って緋美華も優しく私を抱き締めてくれる、好きのベクトルが違うじゃないの、許すけど。



「嫉妬心爆発しそうですわ、でも今日は我慢してさしあげます」



「もう、本当は寂しいんでしょう?」



「....少しは、ね」



何時になく金城が素直だ、いいものみた。



「私もちょっとだけ、寂しいかも。何だかんだでお前のことも嫌いじゃなかった」



....と言葉は珍しいけど、何時も通りの小馬鹿にした顔をしてる津神。



「お前呼ばわりしないでよ」



「風見ひより、あなたのことも嫌いじゃなかった」



ちょっとデレた。でも生意気な言葉にムカついたから、頬っぺた引っ張る刑に処してやるわ!



「いひゃい」



憎たらしくて鬱陶しいコイツでも、いざ居なくなるとなると意外に寂しいもんね。



「皆さん大袈裟ですわよ、永久の別れになる訳じゃなし。また帰って来ますのに」



....と言いつつ金城、アンタも涙声じゃない! でも確かに永遠の別れじゃないわよね、また何時か帰って来るんだから。



「うん、絶対に帰って来るから」



「私もずっと待ってるわ....」



どんなに惜しくても時は無情に流れる、ついに船が出航する合図の汽笛鳴ってしまった。



「じゃあ行って来ます!」



青い瞳を涙で潤ませて、無理矢理つくった笑顔で緋美華は下手くそで似合わない敬礼をしてみせる。



「じゃあ」



緋美華と水無は手を繋いで乗船し、甲板から私たちに向かって大きく手を振りながら海外へと旅立っていく。



「お気を付けて」



「風見さんはわたくしにお任せ下さいまし〜〜〜〜!」



「私が居なくても寝坊するんじゃないわよ、緋美華!」



夕陽に照らされた海を行く船を、私は涙を堪えることもせず水平線の向こうに消えるまでずっと眺めていた....。





くぅ〜疲れました、これにて完結です!本当に、本当にありがとうございました。

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