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赫蒼の殲滅者  作者: 怪奇怪獣魔爾鴉男
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第29話「狂機の創造者」

ちょっと暑すぎませんかね

A.


文化祭での騒動は金城さんが金の力で皆を黙らせてくれたので、大きな騒ぎには発展しなかった。


ネットで関連情報を少しでも書き込もうとすれば、その端末のデータは全部消えるようにしたらしいし凄い隠蔽力だよ。



「残念、そのつもりじゃなかったなんて」



「また無理矢理に迫ったりするんじゃないわよ」



自宅のリフォームも終わり、家族旅行から御両親も戻ってきたから、居候生活は終わったけどパジャマパーティー的なのでひよりは今日、私の家にお泊まりに来ている。



「しない。嫌われたくないから」



そう言って膝上にいる水無ちゃんが私の顔を見上げたから笑顔で返すと、逆にとってもキュートな笑顔が返ってきた。


嫌いにはならないけど、流石にまた同じ目に遭うのは凄く遠慮したいところだよ。


今回ばかりはこうやって無事ピンク色(深い意味はないよ!)の部屋に帰れないと覚悟したんだから。



「体だけじゃなくて心の特訓も必要なんじゃない?」



「アレは能力の一つ。精神論で何とか成るものじゃない」



「そう言うもんかしら」



....ついに現れなかった敵が久々に現れてしまった、倒せたから被害を抑えられるのは良いんだけど。



「今日はもう寝たら?」



「まだ集まったばかりだし勿体無いよ!」



「こんなの何時でも出来るでしょうが、無理してくたばられても困るのよ」



無理なんてしてない、確かに水無ちゃんとの戦いで疲れ切っていたけど数字化もすれば私の疲労は回復しちゃうのだ!



「オールもオッケーだし、まさしくオールオッケー!」



「寒いこと言わないでよ!夏は終わったんだから」



「えー滑っちゃっ....」



やば、一気に眠けに襲われて瞼が意思とは無関係に閉じていく。二人が私の名前を呼ぶ声が聞こえる....けど心配しないで、死んじゃうんじゃなくて寝るだけなんだから、お休みなさい。




第29話「狂機の創造者」



B.


次の朝。この日は晴天、犬の散歩をしているオバサンやジョギングしているお兄さんに登校する児童、模範的な平和な日常。



「奴を殺す....あの人達の為にも」



そんな場所に、右腕はシルバーのドリル、左腕はハサミが装着され、頭部はフランケンシュタインの怪物を連想させるネジが付いた顔は可愛いが物騒な装備の少女が現れた!



「家族を我が主に救済して戴く為にも頑張るんだよォ」



少女の隣には白衣の幼女....この亜神町に千戦狂叫と彼女に長い改造手術を終えて春野 緋美華に対するリベンジの為、秋影月夜 が再び訪れたのだ....!



「こんな姿にまでなったんだ、負ける訳には行かない」



「君は私の改造手術に狂わず耐え抜いた貴重な個体なんだ。破壊されては私も困るよォ」



「心配は要らねえ、今度こそ勝つからな。先ず誘き出す為にも....」



月夜は不幸にも通りがかった女二人、男一人で登校している学生グループに向けて開いたハサミからミサイルを発射し纏めて爆殺した。



「あはははは、出てこい!! この爆音が聞こえたならなあ!」



「酷いことをするねェ」



「テメエの主のせいだろうがよ....!」



容赦なく無差別に暴れ回る月夜。ドリルで抉られハサミで真っ二つにされ、ミサイルで爆殺される罪の無い人々!



「きゃあああああ!」



「助けてくれええええ!」



崩れるブロック塀、血に染まる電柱....平和な亜神町は悪夢に再び包まれた。警察も出動したが来たところで返り討ちにされるのがオチだ!



「そこまでだよ!」



「やっと来たようだねェ」



この危機に春野 緋美華と津神 水無が参上した、テレビニュースの速報を見て慌てて駆けつけてくれたぞ!



「あなたは秋影 月夜」



「本当だ....機械っぽくなってるけど浴衣姿と顔は変わってない!」



「奪われちゃうから使えなくても、能力なしで勝つよ!」



月夜は相手が能力を発動した瞬間に奪う能力を持っている、だから能力を使用して戦うのは敗北に繋がるのだ。



「ではお手並み拝見と行こうか」



そう言って幼いマッドサイエンテストは一軒家の屋根の上に飛び乗った、どうやら月夜と春野たちの戦いを高見の見物といくつもりらしい。



「お前は戦わないの?」



「蒼黒の殺戮者よ貴様ごとき私が手を下さずとも、改造手術を施した彼女一人で十分なんだよォ」



「との事だ、私が殺さなきゃ意味ないからな」



その言葉に緋美華はどういう意味だと首を傾げた。



「テメエが知ったところで何も出来ねえよ!」



改造され更に強力になってリベンジを挑んできた強敵に、果たして春野 緋美華達は彼女に勝つことが出来るのだろうか?




C.


罪の無い人たちを、私を誘き寄せる為だけに殺しちゃうなんて絶対に許せない。


けど私が殺さないと意味がないと言った月夜の顔には焦燥と余裕の無さを感じた、一体なんで私の命を狙うの?



「ボケっとしてんじゃねえっ....!?」



「てやっ!」



私は突き立てられたドリルを回し蹴りでへし折り、かがんでパンチを放ち月夜を吹き飛ばす....!



「確実に前よりパワーアップしてやがる!」



「貴方もね」



「ハッ、使い物にならなくしてやる」



背後から振り翳された水無ちゃんの錫杖も、月夜はハサミで受け止めて真っ二つにしちゃった。



「ダイヤモンドよりも硬い私の錫杖が....」



「そんな切れ味鋭いハサミで鋏まれたらどうなるかなーっ!」



ダイヤモンドより硬いモノを切断するようなハサミに鋏まれたら、人間は簡単に真っ二つにされちゃう....!



「チョキにはグーに限る」



「気でも狂ったのか!」



ホントだよ水無ちゃん、あんな危ない物に素手で対抗しても切り落とされるだけだよ....でも何か考えがあるに違いないよ。



「ふっふふ自分から鋏まれに来るとはなあ、このままミサイルでぶっ飛ばしてやる」



「それで良い!」



次の瞬間に爆発した、月夜だけが。今の爆発で全身黒焦げになってドリルに次いでハサミも無くなったし、超優勢だよ!



「とんだガラクタに改造されたものだね。石を詰められただけで暴発なんて」



「ふざけやがって....」



月夜は目から虹色のビームを発射してきた。シュールだけどその威力は凄まじく、亜神を囲む山がみんな一瞬で大火事だよ!



「水無ちゃん、消火に行ってくれないかな」



「あなた一人でも....大丈夫だね、行ってくるよ」



「ありがとう!」



私が勝つことを信じてくれたこと、嬉しいよ。安心して行ってきて、戻って来た頃には倒しちゃってるからさ!



「私が殺すべきは春野、テメエだけだから奴は行かせてやるが....舐めてるのか?お前ひとりで私に!!」



「勝てる。そう思わなきゃあんなこと言えないでしょ!」



「うぜえ!」



「あびえ!」



ジェット噴射での体当たり攻撃を仕掛けてきた月夜。彼女の体中が機械になってる分、威力は並みじゃなく防いだ腕の骨がバリバリと折れちゃった!



「いったーいいたたたた」



「チャンスは今しかねえ!」



「あうっ!?」



痛みに気を取られている隙に月夜のサーベルが私の胸を電柱ごと貫き動きを封じてしまった、痛みより、あれー....ヤバイかもって焦りが勝る。



「心臓貫けば一旦、死んでくれたかもしれねえがズレちまった。だが銀月蹴屠(アルギュロシュート)なら!」



「あわわわわわ!」



思ったより強くサーベルが刺さっていて抜けないよ、月夜は既に宙に舞っている....!



「上空、二百メートルから改造され今や五百キロの体重で放たれる急降下キックだ。流石のお前も気絶は免れねえぞ!」



うわーっ、そんなの喰らったら負けちゃうよ....! でも動けないから避けるのは無理....あ、そうだ!!



「なっ!? 焔を纏いサーベルも電柱も纏めて灰にして自由になりやがった!」



説明ありがと。そしてサヨナラホームラン....!!



「キックにはキックだね、焔神力キーック・回!」



焔を纏って飛び蹴りを放つのが焔神力キック、それの回し蹴りバージョンを急降下してくる月夜の脇腹に浴びせた。飛んでけえええええええ!!



「ぎゃああああああああああ!」



「ありゃ、ヒット止まりか」



思ったより飛ばなかった....けど威力は十分だったみたいで、月夜の鋼の体は大破し、彼女は戦闘不能に!



「まだだ、まだやれる」



「もう辞めてよ!」



フラフラでもう闘える状態じゃないことは自分でも分かってるのにまだ立ち上がるなんて。



「絶対にお前を殺さなくてはならない理由があるんだ」



ジリジリとゆっくり瀕死の状態ながら月夜が近付いてくる。凄い迫力に思わず動けないよ!!



「見苦しいねェ」



「ぐああああああ!」



私の目の前に立ち止まると月夜は悲鳴を上げて倒れた。それは屋根の上でずっと見ていた白衣の女の子、彼女のスカートから伸びた触手に背中を貫かれたから。



「ぐああああ!」



「何で?仲間じゃないの!」



私は幼女を見上げて思わず叫んでいた。見た目は水無ちゃんと同じくらい、同じ幼い能力者でも随分と中身に差がある。



「研究材料のモルモットを仲間と呼ぶのは些か狂気的ではないかねェ....?」



「テメエどういうことだ....!」



「飽くまで君はあの二人のデータ採集の為に使ったに過ぎない。君も見ただろう、アレを」



「アレを完成させる為に私を利用したのか!」



アレってなに....てかいつの間にか蚊帳の外になってないかなぁ、わたし!?



「でさ去らば、今度は画期的な兵器を連れて来るから楽しみにしてねェ。我が主の妹よ」



「待て....っ!? げふっ」



やっぱ待てと言われて待たないよね、ああいうタイプは。意味深な台詞を残して白衣の幼女は煙幕を使い逃げてしまった。



「ああもう、逃げられちゃったよ」



さて、置いてかれた月夜はどうしようかな。トドメを刺すか....でも。



「クソっ、クソ....守れなかった、私はあの人達を!」



あの人達とか守れなかったとか何なんだろう、やった事を許せはしないけど気になるし話だけでも聞こう。



「赦すつもりは無いけど」



「は?どういうつもりだ!」



殺そうとした相手に肩を担がれちゃ驚くよね、でも情けで助ける訳じゃないし目的はちゃんとある。



「聞かせて欲しいんだ。私を何で狙ったのかとか」



「お前....」



「あ。でも水無ちゃんが戻って来るまで待ってなきゃ!」



「....いてえ」



「その間に話を聞い....」



「急に腕を離すなよ!」



疲れでついついボーっとしてたみたいで、月夜が倒れてるのに気付かなかった。というか肩貸してないと立つことも出来ない状態なんだね。



「ごめん」



「怪我人なんだからもっと丁重に扱えよ」



「次は注意するよ....って何で私が怒られてるの!?」



とにかく私はボロボロの月夜を道路の橋に寝かせて水無ちゃんが消化を終えて戻って来るのを待つことにした。



つづく



み、水...

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