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赫蒼の殲滅者  作者: 怪奇怪獣魔爾鴉男
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第19話「地獄へ....!」

一番影薄い主題歌が一番好きな曲とか辛い


A.


小学生時代に転校して行った昔の友達、浅見 幽輪ちゃん。亜神町に戻って来た彼女はすっかり悪い方向へ変貌していた。だから目を覚まさせてあげないといけない!



「お仕置きだと? うぜえ!!」



「わっ....!」



素早い連続突きが襲い掛かってくる、だけど厄介なのは速さよりも爆破能力による破壊力....私が避けた事で幽輪ちゃんの突きを受けた電柱が爆発し木っ端微塵に!



「なんて威力なの、ちょっと怖いかも」



「それに近隣住民たちの安全を確保しながら戦うのは難しい」



「そっか、迂闊に避けたら近所の人達が家ごと爆破されちゃうもんね」



お家だけなら最悪、爆破されても金城さんに頭下げて直して貰えば良いけど、命は直せないもんね。


私は水無ちゃんとキスしてから三時間は、痛覚は其のまんまとは言え不死身になれて普通なら死ぬ攻撃を受けても平気だけど。



「うん....攻め立てるしかない」



「了解、友達とは言え悪い事をしたんだから火傷くらいして貰うよ!」



「焔を纏った拳か、食らったら火傷どころか熱くて死んじまうぜ。雑魚だったらな!」



幽輪は自分の拳を私の拳にぶつけてきた、そして焔と爆発の衝撃が発生! 水無ちゃんが咄嗟に水のシールドで私たちを包んでいなければ深夜の住宅街が血と瓦礫の海に沈むところだった....!



「周りを考えて技を出してよ!」



「テメエに言われたくないわ、馬鹿なのは変わらねえな」



「そう言う幽輪ちゃんは随分と変わっちゃって!」



「成長したと言いやがれ、見ろ、かつては非力だった俺だが今では此れ程の力が有る!」



幽輪は転がっていた風見家の瓦と柱を軽々と持ち上げたかと思うと爆破し周囲に勢い良く飛び散らせた。私の顔にもいっぱい当たって痛い!



「もう怒った!」



「ぐえあばっ!」



迎撃してくる拳を潜り抜け、焔のパンチを浴びせて幽輪の膝を地に突かせる事に成功!! 食らったら爆発で大ダメージを受けてしまうから当たらなくて良かったあ!



「緋美華、退いて」



「うん!」



私が幽輪と戦っているのを、水無ちゃんはタダ観戦していた訳じゃない、強力な技を出す為に詠唱していたんだ。


私が相手の足を止めてる間に水無ちゃんが詠唱し技を放つ、やっぱり私達は最強だね!!



「い、いてえ....有り得ねえ。最強の能力を手に入れた此の俺が!」



ふらふらと立ち上がった幽輪に、水無ちゃんが放った高圧水流が目の前まで迫る。



「あわわわわ!!」



慌てながらも幽輪は地面に手をつけ、爆発を起こし、水流を爆風で吹き飛ばしてしまった。攻撃だけでなく防御するにも便利な能力なんだね....!



「自分が生き残る為なら頭も回るか」



「でもっ、これで終わりだよ!」



私が煙の中を突っ込んで来ることは予想外だったのか、幽輪はきょとんとした顔のまま防御を忘れていた為に簡単に顔面に拳を浴びせることが出来た!



「げえっぶ!」



「テメエ友人を本気で殴る奴が有るかよ!!歯が何本か逝ったし」



汚い歯だなぁ、煙草でも吸ってるのかヤニで黒くなって....あんなに真っ白だったのに。心も此の歯と同じように黒く染まっちゃって....!



「火傷もしちまったじゃねえか」



「友達を殺そうとする子には此のくらいのお仕置きしないとダメなんだよ」



「貴様いつの間にこれほど非情になった!」



「あなたに言われたくはないと思う」



水無ちゃんの台詞にうんうん、と私は頷いた。




第19話「地獄へ....!」



B.



「くそ、こうなりゃ....オイ、テメエらアレを見やがれ」



「へへへ、この女がどうなっても良いのか〜?!」



「!?」



隠れていたのか、幽輪の部下である黒服が屋根の上に女性の首に鋸を突き付けて現れた。人質だなんて汚い真似を....!



「貴様らは知らん女だろうが、人質用に拐って置いた善良な何の罪も無い女だ!」



「やはり卑劣な」



「飽くまで勝つのが目的なら手段を選ぶ必要はねえんだよ!!」



ここまで堕ちるなんて、いったい彼女の身に何が起こればこんなに悪い娘に変われるの!!



「じっとしてろよ二人とも....今だ!」



「きゃあああああああ!!」



人質を取られ身動きが取れない私と水無ちゃんの体に、幽輪の拳をが襲いかかり爆発を起こした。やっぱりキツイ、一撃で私も水無ちゃんも立っている事すら出来ないダメージを受けてしまった!



「良くやった、貴様には後で礼をやろう」



「はっ、有り難き幸せ」



幽輪とその部下の歪んだ笑みが私を見下している、負けちゃダメだ、こんな顔をする様な奴等に負けちゃ....!



「何でひよりに復讐なんて!」



「冥土の土産に教えてやろう....気に食わなかったんだよ」



「は?」



「風見ひよりは常に秀才の俺を平然と超えやがる! 奴さえ居なければ俺が学年、いや学校のトップの点数だったのになぁ」



「要するに嫉妬....」



そんな理由で私の大事な幼馴染を....ひよりを殺そうと....彼女は何も悪くないのに、水無ちゃんが言う通り、それってただの嫉妬じゃん!!



「お前....」



ひよりは一生懸命に勉強して、試験じゃ学年一だった。でも幽輪は自分の頭の良さを過信し勉強せずに遊んでただけじゃないか!



「はははは風見ひより、奴の為に俺は罪のない人間もぶち殺してやった、全ては奴のせいだ!」



ふざけないでよ、ひよりに非は一つも無い、悪いのは全部コイツだ....怒りで体が震えてくる!!



「悔しいかあ?ふはは、そして須田を狂わせたのも此の俺よ」



「な!?」



「はーっはっは、馬鹿な奴だったぜ。能力を使い人を殺し捲りゃ不死身の命を手に入れられ無苦と永久に寄り添えると吹き込んでやれば、暴走しやがったひゃはははは!!」



じゃあ水無ちゃんが酷い目に遭ってきた抑の原因は、こいつが....幾ら昔の友と言えどもう赦す訳にはいかない!



「悔しいか悔しいか、いくら治癒するとは言え再生までは暫くかかるだろう、その間に風見ひよりを爆殺してやるわ!」



「お前が....」



怒り、もうお仕置きなんて甘い事は言わない。処刑だよ、処刑に変更する....殺す、殺してやらないと気がすまない!!



「な、バカな....こんな肉体で再生しきってないのに立ち上がれるだと!?」



確かに体の色んなところが吹き飛んで血も止まらない、再生するまでに時間はかかる。けど怒りがエンジンとなって私と水無ちゃんの体を突き動かしてくれる....!!



「くっ、幽輪様に刃向かう奴は死ねえ!」



「せやっ」



「ぐああああ!」



水無ちゃんの錫杖が黒服の顔面を貫き、人質の女性は解放された、これで存分に処刑出来るね。



「ひっ....糞ったれがあ!」



「えやっ!」



「わびゅっ!?」



さっきまでは速く見えていた幽輪の腕が今はスローに見える、それを蹴りでへし折るのは容易い事だった。



「死ね」



腕を折られ転げ回る理不尽狂気の復讐者に、水無ちゃんの錫杖が突き刺され、ゆっくりと引き抜かれる。わかる、水無ちゃんも私と同じく怒ってる、自分の親友を狂わせ地獄に落とした元凶に!!



「ぐはわば!」



「地獄へ....」



「落ちろ」



私の焔の拳と水無ちゃんの水を纏った拳が同時に幽輪の肉体を爆破し崩壊させた!!



「ぎぃやあああああああ!ちきしょうがああた」



なんてタフネスさ、あれで死なないだなんて生命力はゴキブリ並か!!



「須田を狂わせた理由はなに!」



「馬鹿が、理由を言えば俺は殺される!」



「こんな風にな」



「がは、がばばばば息ができねえしぬば!」



復讐者の最期は私たちでは無く窒息死に依る物となった、一体これは....まさか新手の能力者!?



「誰っ....!?」



な、なんで....焔を出す事が出来ない、さっきまで普通に出せてたのに!!



「くくく、我が妹よ成長したな」



「う....緋美華と同じ顔!」



気配も無く突然に現れた彼女、赤く長い髪に青い目、瓜二つの顔....私より無い胸、間違いない此の人は私の....!!



「我と似て美しく成長したものだ、妹よ!!」



お姉ちゃんだ....お父さんとお母さんが殺された日、行方不明になっていたお姉ちゃんと、まさか再会するなんて!!



つづく



個人的に悪役は小物臭い方が好き(小物ではなく飽くまで小物臭い)

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