74杯目 僕と一分の状況変化。
状況確認が終わり、身構える僕ら。
ショニエッターの上で振り上げられた巨大斧。
僕が見えたのはその一瞬で、次の瞬間にはズドグァン!!とでもいうのか?
とにかく爆音がする。
体を突き抜ける衝撃と吹き飛ぶ僕の身体。
そのまま本日何度目かの。僕は地を舐め、地表を高速で縦回転、という吃驚芸を敢行した。
しかし歓声はなく、代わりに僕の押し殺した悲鳴が上がる。
正直、痛い。
でも今はそれよりも!!
慌てて顔をあげる。
状況の確認が先!!!
その視線の先には斧を振り下ろしたショニエッターと体をひねり、斧の柄の部分に手を当て、巨大斧を支えるエーデルガルド。
状況から判断するに毎度のことながら、僕には視認できないスピードでショニエッターが攻撃。
大質量かつ超高速、という物理学を持ち出すまでもなく分かる強力無比の攻撃を行った、のだろう。
それに関して驚嘆すべきことは?
そう、彼女が。エーデルガルドがショニエッターの攻撃を受け止めたことだろう。
「お・・・・うぉおおおおおお!!!」
何よりも僕はその状況に叫ぶ。
絶対にできないと思っていた、ショニエッターの攻撃を止めるという快挙!!!
歓喜に興奮し思わず歓声を上げる。
やった、これで勝ち目が出てきた。
エーデルガルドの腕力はショニエッターに負けていない!!
「じゃまだぁぁぁぁあああどけぇえええええええええええええええええ!!!」
背後からの叫び声。
人間は叫び声を聴くとどうするか。
いくつかあると思うがこの時の僕の行動は最悪に近い。
振り返った僕の真横をかすめるようにして閃光が駆け抜ける。
頬に熱。
正面にはライフルを持った矢撃。
一瞬間をおいて、僕は横に飛びのく。
「・・・・・・うぉおおおおおおおおお!!!!????」
そして叫び。
その声なぞ無視して矢撃はバジャゴッと銃を操作、飛ぶ薬莢
再び構える矢撃。
発砲、閃光。
いや、閃光、発砲、か。
その動きを高速で絶え間なく、連続で行う!!
バジャゴ!ガァオン!!バジャゴ!!ガァオン!!バジャゴ!!
銃に詳しくはないが、あんな連続で銃とは撃っていいものだっただろうか?
銃身などにもよくなかったような…
いや、そうしなければならない状況?
振り返る。
先ほどと同じ態勢。エーデルガルドの手の中に斧。
不意にふっ一瞬エーデルガルドが押さえている巨大斧が消える。
そして再びスドォオオン!と轟音と共にエーデルガルドの手の中に斧が出現。
それが数度繰り返されたところで先ほどまで気が付かなかったことに気が付く。
エーデルガルドはあんなに身長が低かっただろうか。
彼女はあんなにも顔が赤かっただろうか?
いや、彼女の足は。膝から下はどこに行った??
まさか。
「う、埋まってんのか!!!?」
ズドン!と音がする度に杭が撃たれるように彼女の身長が縮む。
地面に埋もれていく足。
さらによくよく見れば手の長さもどんどんと縮んでいく。
噴き出す鮮血、ギチギチと骨の軋む音!
手首は衝撃に叩き潰されているのだ!!!
そんな状況でも彼女がどうにか耐えていられる理由は。
僕の背後からの青い閃光のお陰だろう。
「くそっ!!!我が血を捧げる!!捧げる!!捧げる!!捧げる!!!」
その閃光は振り上げられ、ショニエッターの頭上で一瞬だけ制止する巨大斧を打ち抜く。
質量の大きさのせいで弾き飛ばすことはできないまでも、ほんの一瞬振るう速度が鈍る。
その瞬間に高速で手が再生し始める。
一瞬だけ手が伸び始める、とその瞬間再び巨大斧が手の中に出現。
顔にまで鮮血が飛び散る。
「ぐっ・・・がっぅ!!でぁ!!!ぐッ!!がッ!!」
瞬間的連続でにエーデルガルドの周囲に残像のように出現する巨大斧。
連続する発光により彼女たちの姿はほとんど見えない。
その中から聞こえるはショニエッターの・・・
「えい!えいえい!えーい!・・・いえ?あれ?いえ、いえ、いえーい!!」
ふざけた気合の声。
豪速の斧撃。
負けてない?勘違い。
確かにほかの者と比較してエーデルガルドはまともに戦えている、が
圧倒的にショニエッターが強い!!
「ぐ・・・・・はぁああ!!!・・・・・・・彼のものを抑えん!!!」
祓が発光。
続いて声質が変わり唱えるとショニエッター手首、足首に白いリングが出現。
「ん?あれ。ちょっと重い?おもいい?良いものくれたたた?・・・・・ん?良くないにぁい?すりぐちゃできないじゃないのぉおおおお!!!」
相当な重量があるらしく、一旦ショニエッターの攻撃が中止。
その瞬間ヴォルフがエーデルガルドに駆け寄り、脇に手を入れ引きずり出すように地面を砕きながら救出。
僕の横まで来たエーデルガルドの姿は凄惨の一言に尽きる。
両手は手首以外がぐちゃぐちゃにつぶれ、飛び出した白骨が妙に鮮やか。
鮮血は袖まですべてを濡らし、足もふくらはぎから下は皮膚が蛇腹状に骨からはがされ、骨の先端は折れて、杭のように尖っている。
口からはヒュウヒュウとした呼吸とブグブグという血泡が交互に生じる。
奇跡的に意識はあるようで目線は僕としっかりと合う。
隙を作って。そういわれた第二ラウンド開始、一分もしない短時間の出来事だ。
王道展開の、敵にしちゃ強すぎるんじゃないか?
超高速の展開に僕の頭は麻痺し始めていた。
バギィイン!と硬質の物が砕ける音。
「プラプラ軽々・・・潰すの。」
左手首の光のリングを右手で毟り取ったショニエッター。
おいおいおいおい・・・・・・・次は、どうすりゃいいんだよぉ・・・・
とてつもなく遅くなりました。
読んでいただきありがとうございます。
更新スピード、あげるよう努力いたします。




