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51杯目 僕と祓と状況把握。

本日二杯目です。

「こっちよ」


僕は祓の後をついて歩いていき、学校を回り込むように公社の裏に向かう。


するとそこには小さな神社があった。


こんなところに神社があったのか。初めて知った・・・


祓はその境内の小さな建物に近寄ると聞き取れない言語で何かつぶやく。

すると掌がぼんやりと光を放つ。

一瞬の間が開いてカコン、と木製の閂が中で動く。


「さて、入りなさい。」


促されるままに靴を脱ぎ中に入る。

外から見た時は3畳もなさそうな建物に見えていたのだが、中に入ると意外なことに10畳以上はある板の間があった。


「あれ?広い?」


「融和と拒絶の魔術を使えばこのぐらいは造作もないわ。」

そう言って彼女は座布団を指さす。座れ、ということだろう。


そこに座ると向かい合うように祓も腰を下ろす。

ほれぼれするような美しい所作で自然な正座。


それを見て胡坐で座った自分が恥ずかしくなるが今更座りなおすのも不自然なのでそのまま座る。

すると奥の壁に会った引き戸が開き、いつか見た巫女服の少女が入ってくる。



「あ!あのときの!」



僕はそう声をあげるが少女はしずしずと茶を運び、僕らの前に置くと軽く頭を下げ戻ろうとする。



「え?あの!?」



再び声をあげるが彼女はやはり反応することはなくそのまま出て行ってしまった。



「・・・・きこえなかった、のか?」


「聞こえていたとは思うわよ。あの子は口数が少ないのよ。」


「・・・いや、無視はないでしょ無視は・・・」



ひょっとして彼女からは見えていないんじゃないかってぐらい無反応だったけど。



「まぁ、それはさておき。一応情報交換しておきましょう。」


そう言って祓は現状の説明を始める。



「私は構成員からの情報に基づき、町外れに現れた特大の穢れを払いに行ったわ。」



あの亜矢から聞いた話の続きだな。



「そうして向かうと予想に反して捜索はあっさりと終了。草原に設置してあるベンチに座っている標的を確認。」



余裕、だったのかね?それともやってくるのを待っていた?



「気配で確定できていたが最低限確認として主食の確認。結果穢れである最終確認。攻撃を仕掛けることにしたわ。」


ずいぶんペースが速い。

エーデルガルドの時と比較して早すぎる対応。

それだけ危険っていうことか。


「しかしそこでの相手の行動により、私たちは撤退。」


「相手の行動って?」


「武器を出したのよ。ちょっとやそっとの大きさじゃなくてどう見ても200キロは越えてる巨大な斧。」



あれそれって。


「ショニエッター、のことか!」


「知っている・・・のね。反応からして敵対中?ならちょうどいい。」


「ちょうどいい?」


こくり、とうなずきお茶を飲む祓。


「私たちがそのショニエッターに攻撃を仕掛けた時は8名の逢魔が討で攻撃を仕掛けたの。」


「8!?そんなにいるのか!?」


「正直強さはまちまちだけれどね。とはいえ、穢れの一体や二体軽く(ほふ)れる戦力であることは間違いないわ。」



一人でもエーデルガルドと明らかに人外の戦闘をこなしていた祓。

こんな奴があと7人もいるのか・・・・



「それでも、アイツは並みじゃなかった。一振りで二人がやられ、私の白蛇を含めた攻撃も続く二振り目で粉砕。追撃を仕掛けてきたのを私が結界で防ぐも、その硬直中に攻撃が当たっても無効。」


・・・俺たちが襲われた時と同じだ。

攻撃が通じないのにあっちの一撃でこちらはやられる、基本性能(スペック)差による不利。



「白光の目つぶしだの融和による光学迷彩だの、全力で使ってどうにか退避。初撃でやられた二人も重症だけれど命に別状はなかったわ。」


「この結果私たちは現在の戦力ではあの穢れを滅することは不可能と判断。外部助力を受けることにした。」


「外部・・・その話を僕にするってことは?」


「察しがいいじゃない。怪物、エーデルガルドの助力をお願いしたい。貴方にも仲介をお願いできるかししら?」



強大な敵、倒す目的は一緒。なるほど僕とショニエッターが行動を共にしていると思っているからこそのちょうど良い、か。



「彼女攻撃力は結界で防げなかったことから考えてショニエッターを上回るわ。奴に通る攻撃ができる可能性があるのは彼女しかいないの。」




あっちからの提案。

祓は真摯な態度で話しており、こちらを謀ろうといった雰囲気もないから協力するのはやぶさかではないのだが。



「えーっと。」


「なにか問題あるのね?できるだけ譲歩してあげてもいいわ。」


「いや実は、エーデルガルドどこにいるか知らないんだよね。」


「え・・・?」



驚いたような彼女の顔を見ながら僕は手を付けていなかった茶碗に手を付け中身も見ないで口につける。



「って!!これコーヒーじゃねぇか!!」


まさかの罠。



噴き出すのをどうにかこらえるとサァッと引き戸が再び開き、先ほどの少女が現れる。



「祓様。エーデルガルド、探索します。」


「・・・そうね。できる限り急いで。」


「はっ。」



そう返事をした後こちらをちらりと見て。



ニヤリ


と邪悪な笑みを浮かべ少女は退室。







・・・・え?僕何かした?


遅くなりました。

読んでいただきありがとうございます。

諸事情により二杯しか更新できませんでした。

精進いたします。

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