34杯目 僕と学校
遅くなりました。
彼女、エーデルガルドとの約束。守ることや、仲間でいること。
正直勢いで決めたことでそんなに真剣に彼女が受け止めるとは思っていなかった。
僕だけの覚悟、そう思っていた。
でも彼女は覚えていた。
現在まさに彼女との約束を破ってしまっている身としては申し訳ないことこの上ないが、正直嬉しかった。
その思いには、誠実に答えなければならない。
あの後僕は手持ちの全財産を彼女に押し付けるように渡し、五日後の夜僕の家で落ち合うことにしてその場で彼女とは別れた。
その後一晩様々なことを考え、その結果として翌朝高校に登校することにした。
久々の学校は拍子抜けするほどに普通だった。
最悪ヴォルフが待ち伏せしている可能性ぐらいまでは考えていたんだが。
まぁ、僕を捕まえても倒しても大した影響はないんだけれど。
そういう意味ではいる確率は低いんだけどさ。
普通に玄関を抜け靴を履き替え二階へ。奥から二番目、2-6の教室に入る。
するとわずかに驚きの声が上がり、クラスのお調子者が寄ってくる。
「久々だな!体調でも悪かったのか?何日も無断欠席してたんだろ?」
「大したことじゃないよ勢いよく転んでしまって歩くのが大変だから休んでたんだよね・・・」
ちょうどよく全身に巻かれた包帯を見せる。もちろん事故によるものではなく昨日転がりまわったからで来たうちみと切り傷だ。
まぁ、正直に言うわけにも行かないし。
そうしてしばらく話していると教室の後ろから静かに教室に入ってくる彼女の姿が見える。
彼女はこちらを一瞥した後自分の席に腰掛ける。
僕も数人の話好きに囲まれていて抜けだすことができない。
まぁ、後でいいか。
そう考えて僕は周囲の人間に事情を説明した。
昼休み。
かなり進んでいた授業に驚いた午前中を終えると彼女、亜矢が席にやってきた。
「おはよう。災難だったわね。」
「それはどれに対して?」
「朝からの質問攻めと、ついていけない授業と、よ」
「ありがとう。そこで物は相談なのだけど・・」
ドン!と音を立て机に乗るノート。
「これでしょ?ほしいのは。」
中身は今日の教科。
「おぉー!たすかる!ありがとう!」
「いいのよ俊也。私たち五年間の仲じゃない。」
その声に早速ノートを借りる。
そうして彼女と食事をしながら僕は、彼女の様子をうかがう。
「どうかしたの?」
「いや、どうもしていないけれど。ただ亜矢が普段より元気ない気がするなぁとさ。」
「そうかしら。気のせいだと思うけれど。」
「泰樹も今日休みみたいだし。」
「・・・・そうか、あなたは知らないのね。」
「え?」
「泰樹は今身内が危篤ならしいわ。かなり近しい身内みたいで、しばらく学校には来れないらしいわ。」
「そうなの!?え、身内の誰なんだい?」
「それが誰にも連絡していない見たい。」
「そうなのか・・・」
気になり色々と話を聞いたのだが結局亜矢の口からそれ以上の情報が出てくることはなかった。
その後クラスの人間にもそれとなく聞いて回ったがほとんど新しい情報を得ることはできなかった。
しいて言えば最後の登校日に駅の方へ歩いていくのが目撃されたこと、休んでいるのが一週間を超えたこと、の二つだった。
本人にも電話してみたが通じない。
これ以上できることはないとあきらめて僕は授業に集中した。
六限目が終わり片付けしていた借りたノートの中に、あると思って探していたメッセージを見つける。
それはノートの端にうっすらとメモされていた。
メッセージの内容はこうだ。
18時2-6の教室でまつ。
これだけのメッセージ。
内容は何もない。
けれどこれだけで十分。
送ってきた話も、内容もすべてわかる。
さて、彼女からのお手紙。
ちょっくらお話ししましょうか!
お読みいただきありがとうございました。
更新遅くなり大変申し訳ありません。キリが悪く今回短いです。
明日更新できなかったら申し訳ありません。
2018/06/12 意味不明になっていた部分を修正。




