食堂にて
冒険者ギルド、食堂
最初酒場だと思っていたここは食堂だったらしい
お昼時だからか、朝ほどでは無いが賑わっている
俺たちはその中で空いていた机に集まった
「おお〜、なんかこうしてると冒険者パーティっぽいな!」
「パーティ、ねぇ、いっそこのメンバーでパーティ組んじゃう?」
「確かに、斥候1、戦士3、盾1、魔法使い1、治癒士1、謎1、計八人で、ちょうどパーティ上限人数だね」
グレンが笑い、シルヴィが提案し、タルクが冗談っぽく言う
「謎扱いってひどくねぇか!?」
大きな声でツッコミをするが
「「「いや、謎だろ(でしょ)」」」
声を揃えて言い返される、自分でも把握できていない分、反論ができない
「ぐっ…そ、それで?こういう感じに冒険者の同期とパーティを組むってのはよくあることなのか?」
強引に話を変える
「よくある様だぞ?我の師も同じタイミングで初心者講習を受けた奴とパーティを組んだらしいしの」
ガーネットが言う
よくあることなら乗るのも良いかもしれない、なにせ自分のスキルの詳細がわかっていないからな、個人行動は避けたいし、下手な奴等と組んで騙されるのも面白く無い
しかも、全員初心者でパーティを組んで共に成長していくのも悪く無い
そう考えているうちに、料理が並べられ、代金を支払う
割と安い値段だったが、量だけはかなり多く、肉がメインだ
食前の祈りとか、宗教的なものががあるのかと思ったが、そう言うのは特に無いらしく、みんなは自分の前におかれた分を食べ始める
俺も小さな声でいただきますと言い、食べ始める
ギルド食堂の飯は、決して絶品と言えるほどの美味しさではなかったが、何か病みつきになる味だった
「そういえば、今回の訓練だが、できたやついるか?」
食事後、ふと思い聞いてみる
「簡単にできたよ〜?」
「その様なこと、造作も無いわ!」
「僕は昔から訓練してたし、普通にできたよ?スキルももう持ってるしね」
ステレラ、ガーネットとタルクが言う
「全くわからなかった、魔力の把握とかどーやるんだ?」
「そもそも何で魔力感知ができなきゃダメなのかがわからないわ!」
「大体の位置は把握した、動かせないが」
「同じく、位置の把握はできた」
グレン、シルヴィ、キノアイト、ジェムが言う
「へぇ、俺も(方法は間違えたが)感知するところまでは出来たな」
自分の状況も話す
「だが、俺も少し気になってたんだ、なんで戦士職にも魔力感知がいるんだ?」
戦士職でありながら魔力感知を持つタルクに聞く
「それは、身体強化魔法のためですね、他にも、魔力を使用するスキルも使える様になりますし、レベルが低くても魔力感知があるか無いかで、戦士として大きな差ができてしまうんですよ
もっとも、僕は家の名声のために教え込まれただけなのですけど」
最後に自虐を含めて言う
「では、なぜ魔法職に武術スキルが必要なのだ?
近接戦闘用の魔法もあるし、必要無いと思うのだが」
魔法攻撃職であるガーネットも問う
「それはもっと簡単な話だね、宮廷魔術師などになってくると関係なくなるんだけど、魔法が封じられた時に対応するためだよ
護身程度でも戦えた方が生存率は上がるから、ギルドとしても貴重な冒険者の生存率の向上のために取得させたいんだろうね」
「ほぉー、いろいろ知ってるんだな」
タルクがすらすらと答え、グレンが感心した様に頷く
「憧れてたからね、冒険者みたいな自由なところに」
と、傲ることなく、むしろ少し照れた様にタルクは言う
「話の途中ですまないが、そろそろ時間だぞ」
キノアイトが言ってくる
元の世界の癖で、ポケットの中に入れてある魔道書籍を確認し、時計が合っているのか確認していなかった事を思い出すが、時刻は12:55を示していて、昼の鐘を12時と仮定すれば、時間があっている事に思い当たり、初日の疑問が解決したりしたが、そのまま訓練所へ向かった
定期更新できる様に頑張りたい…