冒険者ギルド
ギルド、冒険者ギルド
ファンタジー系のラノベでは大概存在する仕事の斡旋所
作品によっては職業ごとに細かく分けられるが、大概はギルドといえば冒険者ギルドとなる
基本的に、仕事内容は雑用から魔物の間引き、殲滅、素材の採集や街の防衛など多岐にわたる
そして、大概の主人公は大体ギルド史に残る偉業を成す
と、偏見だらけで言ってみたはいいが、そもそもまだそのギルドには着いていない
冒険者ギルドは南門のあたりにあり、今俺がいる場所は北門を入ってすぐの大通り
さすが大通りなだけあって活気がある
街は整備されているように見えるが、どのような仕組みかはわからない
そんなことを考えながら、なんとか人混みを抜けてギルドにたどり着いた
冒険者ギルド、その扉は開けられていて、多くの人々が行き交っている
筋骨隆々の男や、性別がわからないローブを着た者など
いつまでも、扉の前で立っているわけにもいかず、半分人ごみに押し流されるように俺はギルドへ一歩踏み出した
ギルドの中は案外広い、入り口から右手には、簡単な食事処、メンバー待ちの時などに使われているのだろう
軽食も食べられるようで、今は仕事が終わったであろう冒険者が騒いでいる
左手には掲示板、様々な色に分けられた紙が貼ってある
多分クエストボードだろう
そして正面にはに受付と思われるカウンター
夕方だからか、クエスト報告の受付には多くの人が集まっている
登録はどこでできるだろうか、と、吊り下げられている看板を読む
ギルド加入の受付は、今は誰も並んでいない一番左のカウンターだった
「いらっしゃいませ、こちら、ギルド加入の登録受付となっています、ギルドへの加入希望の方でしょうか?」
「はい」
「それでは、こちらの書類に名前、年齢、職業をお書きください」
「はい」
名前欄にヨウレン、年齢に16と書き、職業欄を書こうとした時に、少し迷ってしまった
「えと、職業についていないときはどう記入すれば良いでしょうか?」
「それでしたら、今のところは空欄にしておいて、加入手続きが終わりましたら、転職をしましょうか」
「あ、はい、わかりました…と」
書類への記入を終える
「あとは、この水晶に手を置いてください」
言われるがままに水晶に手を置く
体の中から何かが抜けるような不快な感覚とともに水晶玉が黒色に輝く
「これで、登録は完了です、ギルドカードの発行には時間がかかりますので、明日の朝にこちらの仮登録証を持ってきてください」
番号が書かれた小さな木札を手渡される
「それでは、冒険者ギルドの説明をさせていただきます
まず、本ギルドでは、冒険者の技能を測る目安として、ランクを割り振っております」
「このランクは、以来の達成と、試験によって上昇します」
「ヨウレン様は、戦闘スキルを所持していませんので、最低ランクのGとなり、初心者講習と、戦闘講習を受けていただき、それらをうけ、合格判定を受けることで、Fランクとなり、クエストを受注可能になります」
「訓練所以外で街の中での刃物、魔術の使用は禁止で、場合によっては降格処分の対象となります」
「また、殺人、強盗などはギルドカードに保存されますので、発覚した場合は死刑、もしくは永久除名の後、国の法に従っていただくことになります」
「他にもいろいろな規則などありますが、後はほとんどが心得のようなものですので、こちらの冊子にまとめております」
「ギルドカードの再発行には金貨1枚がかかりますので、お気をつけくだだい」
簡単な説明ののち、冊子を手渡される
俺は受け取った冊子を丸めて、ポケットに突っ込んでおいた
「続いて、転職の手続きをさせていただきます
こちらの水晶に手を置いてください」
先ほどとは装飾の違う水晶に手を置く
すると目の前にステータスと同じようなウインドウが現れる
そこに表示されていたのは
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読書士
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…これだけ?というか読書士って何?
色々と謎な職業だが、つかないよりはマシだと思うので、選択する
「…これは…初めて見る職業ですね、ギルドカードをお渡しする時までに調べておきます」
「ああ、有難うございます、それでは、宿の部屋が取れていないので」
「ありがとうございました、宿をお探しでしたら、ギルドの斜向かいにある雪花の宿という所がオススメですよ」
意外と時間が立っていたのか、辺りは暗くなりはじめている、おとなしく、受付の人に教えてもらった宿へ行くとしよう
雪花の宿は宿泊費も、料理も、部屋もそこそこだったので、ギルドから勧められるだけあると思った
とりあえず3泊分のお金を払い、残金は銀貨85枚となった