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異世界読書ライフ  作者: 白野威 藍玉
初心者訓練編
25/28

薬草採取(ならず)

クローラ北の平原、俺が召喚された場所

世界でも数少ない「魔物が湧かない領域」のようで、たまに周りの森から魔物が数匹紛れ込む程度で、それもすぐに駆除されるため、かなり安全な場所と言える



その平原には、様々な草花が自生していて、初心者冒険者御用達の採取スポット、なのだが…


「広すぎる上に草多くねぇか!?」

俺は叫ぶ、叫ばずにはいられない

クローラ北の平原には、一本大きな街道が通っていて、平原を東西で分断している


先には森が広がり、更にその先にクロシドという町がある


クローラからクロシドまで約100km、途中森があるものの、平原の縦幅は70kmは軽く超えている

そこに横幅が加わるのだから、その広さは伝わるだろう


そして、その平原の大半が草花に覆われている

一面緑の絨毯だ、といえば聞こえはいいが、この中から1種類の草を見つけると考えると眩暈がしてくる


魔物が湧かない領域なだけあって、何か特別な力が働いているのだろうか、普通なら希少な薬草や触媒がわんさかある

そのせいで魔力視を使用しても様々な色が混じってしまい、回復魔力を持つ毒消し草を判別することはできない


「よ…よし!じゃあ、毒消し草を探そうぜ!」

俺の叫びで、難易度を察したであろうグレンが、詰まりながらもみんなに声をかける


「手分けしたほうがいいみたいね…」

「そうだな、パッと見る限り、一定の草が群生している感じもしない、コツコツやっていくしかなさそうだ…」

シルヴィ、タルクがため息をつきながら提案する


「フッ…ただ毒消し草を見つけるだけだろう?その程度のこと、我が邪眼をもってすれば、造作もないわ!」

そう言ったガーネットが、迷いなく一本の草を抜き取る

が、それは確かに回復魔力を持っていたものの、全く別の薬草だった


邪眼とか言っていたが、魔力を判別できたあたり、ガーネットも魔力視を持っているのかもしれない


そんなことを考えながら、俺もしゃがみ込んで魔力視を使用する

回復魔力を持つ草はかなり生えているが、毒消し草の特徴を持つ草は見当たらなかった


「おっ!?これじゃねぇか!?」

グレンが毒消し草のような草を掲げている

「葉の裏をよく見ろ」

静かにキノアイトがグレンに言い、葉の裏を確認したグレンは、一瞬驚いたような顔をして、すぐに崩れ落ちた

ああ、ニセドクケシソウを引いたんだな…


その後しばらく探したが、ステレラやジェムが数本見つけた程度で、他は俺含め未だ一本も採取できていない

どうにか楽な方法は無いだろうか…

そう考えた時、俺はあるスキルを思い出した


「鑑定の魔眼」

すぐさま発動し、辺りを見回す

一面に広がるウインドウ、そこには


「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」「草」


視界が、「草」と書かれたウインドウで埋め尽くされた


どのウインドウも「草」だ


そんなことはわかっている!

そう思った瞬間、草と書かれたウインドウはすべて消えた、1つ残らず


全部消えるのかよ…ほんと草としか鑑定されないのな…


「お?これ毒消し草か?」

そう思って、近くにあった草を注視する

一応回復魔力を持ってるように見えるが…


「毒消し草のように見える草、一応回復魔力をまとっているようにも見えなくない」

パッ、と草からウインドウが現れた


いや、それさっき俺が考えたことそのままじゃないか


もしかして、と思い、少し目の前の草について考え直す

でもな…なんか葉の形が違う気がするぞ?と

すると、一旦ウインドウが消え、再度現れた

「毒消し草のように見える草、回復魔力をまとっているように見えなくもない、若干葉の形が違う気がする」


「…」

このスキル、つかえねぇぇぇ!!

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