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Second Life 38

とても久しぶりの更新になります。

リアルが色々と忙しく全く書けていませんでした。

すいません。

「やったー!この鉱石足らなくなってきてたんだよねー!」


「おっ、俺の方も欲しい鉱石採掘できましたよ!」


「わぁ!私これ高いから買うの渋ってたんです。手に入ってよかったぁ!」


 エレナさんは大量の鉱石を手に入れられてホフホフとした顔をして、俺は作りたい装備がありその試作用の鉱石が手に入り喜び、アリアは今言っていた通り買おうか迷っていた鉱石が手に入り笑顔を見せている。


 モンスター討伐はどうしたかって?

 そんなの後回しに決まっているだろ。

 

 俺達は今鉱石が大量に採掘できるスポットと呼ばれる場所を見つけたため採掘に精を出している。

 スポットはフィールドにランダムで出現し、一定時間経つと消えたり、採掘が出来なくなる。

 また、スポットには鉱石だけでなく材木や薬草などもある。

 スポットでは同じ人がずっと採掘出来ないように一定数手に入れるとそのスポットは利用が出来なくなる仕様にもなっている。


 俺達がスポットで採掘を始めて15分程経ち、


「はあー、採った採った!」


「いやー大量でしたね」


「欲しい鉱石いっぱい手に入っちゃいました!」


「三人とも終わったー?」


 ホクホクしている俺達三人にマロンはクッキーを食べながら問いかけてくる。

 俺達三人が採掘を楽しんでいる間マロンとハルアさんは即席で椅子とテーブルを作りお茶をしていた。

 二人も最初は鉱石を採掘していたが、二人はあまり鉱石を使うことがないためすぐに切り上げお茶を始めてしまった。

 あまり使わないとしても勿体無いと思う。

 武器だって鉱石は使うし、防具にだって使うことはある。ハルアさんなんて装飾品なども作るのだから必要ではないのだろうか?


「本当にハルアさん必要なかったんですか?」


「うん。私は普段あまり鉱石類は消費しないからどれも多めに持っているから必要ないのよぉ~。ユホちゃんやエレナみたいに鉱石を多く使う場合は余分に持っていることにこしたことはないけどねぇ」


「私の場合は使う素材が鉱石が殆どだけど、ハルアの場合は使う素材に幅があるからね」


「そうねぇ~。整理が大変になっちゃうからね。ユホちゃんは今はまだ試作とかを繰り返すから整理とかはまだ気にしないだろうけどオーダーメイドを受けるようになると整理は大変だから気をつけた方がいいわよぉ」


「そうなんですね。でもまだ俺の場合オーダーメイドで相手を満足させられる物が作れるわけじゃないですし、店を出して名が通ってなさすぎて注文こないですよ」


 エレナさんやハルアさん、マロンなんかにβテストの頃から有名だったら店を出したらすぐに情報は広がっていって注文とかは多く来るだろうけど、俺みたいに新参プレイヤーの場合はすぐには注文は来ないし、そもそも信頼度が足らない。


「まだ武器や防具の類じゃ名は売れていないけどポーションに関してはユホは今相当有名だよ?知らないの?」


「おいおい何言ってるんだマロン。俺のより効果の高いポーションはあるだろ」


「ユホが言っているポーションは消耗品専門の生産職プレイヤーが何人も集まって作り方を導き出した物なんだよ。しかもそのプレイヤーの中には中々名前が知られている人もいたんだ。そんなポーションと性能があまり変わらず、しかも作ったのが新参プレイヤーたった一人なんて有名にならないほうがおかしいよ」


 いやいやおかしいだろ。

 たしかにポーション作りを始めて試行錯誤はして満足の出来る物は出来ている自信はある。

 けどあれはそこまで悩みに悩んだと言える物ではない。 


「そうは言うが俺は今試作中の奴の方が悩んでるぞ」


「本当にちょっとしたタイミングの違いで性能が大きく変わるんじゃないかな。それにデータとしては出てないけどプレイヤーによって消耗品の作り方は合っているものと合っていないものがあるなんて一部じゃ言われてるよ」


「流石にそれはないんじゃないか?リアル性を求めて作られてるってしてもそれはゲームとしてはダメだろ?」


「う~んそれは捉え方の違いじゃないのかな」


「今はそんな事より休憩しましょう二人とも」


「うんそうだね」


「そうだな」


 今回はただパーティーとしてやっていけるかのためにファクターヴァッドベアーを討伐に向かう予定だったのに大きく予定が狂ってしまった。

 まぁ、それは別にいい。

 多くの鉱石を採掘出来たのは良かった。


「さ、予定は狂ってしまったけどファクターヴァッドベアーを借りに行きましょうか」


 鉱石を採り終えた俺達は予定には無かった休憩を取ってから行動を開始した。

 俺達のいたスポットから目的の場所まではそう遠くは無く、10分程度の所にある森の奥深くだ。

 奥深くと言っても森自体はあまり大きく無くないためこちらも10分程度だろう。



「緊張してきました……」


「これまで一人でやってきたんだからそこまで緊張する必要ないんじゃないか?」


「それはそうなんですけど、パーティを組む事が滅多にないので…」


「それなら俺達も基本はソロプレイの時間の方が多いけどな」


「そうだね。ボク達の場合取ってる生産系スキルが違うからおのずと必要になってくるものが違ってくるからね」


「そうだな。俺の場合だと手広く取ってるからまだしも、ハルアさんやエレナさん、マロンは一つの方向に絞っているからな」


「でもこれからはどんどん協力してやっていきましょ!そのためにこれから熊を供物にするのよ!」


 エレナさんは何故かとても気合いが入っている。

 別に俺達はやる気は無いわけではないが、何故かエレナさんは異常なまでに気合が入っているのだ。

 エフェクトがついてるとしたら背後から火がメラメラと燃え上がり、目には炎が灯っているであろう程のやる気だ。

 エレナさんの溢れんばかりのやる気を不思議と思っているとハルアさんがコソッと耳打ちをしてくれた。


「エレナがこのクエストを選んだ理由は腕試しに丁度良いって言う以外に、ドロップするアイテムが欲しいからなのよ。どちらと言うと後者の方が大きいかも」


 クスッとハルアさんは笑い、突き進むエレナさんの後ろを追う。

 俺はハルアさんから理由を聞いて内心苦笑いをしつつハルアさんの後を追った。


 突き進むこと10分、俺達は森の入り口に到着し一時停止していた。


「よし、じゃあ行くわよ!」


「「「「おお!」」」」


 森に入るまではそこまで多くのモンスターは出ず強さも大して強くないのだが、森に入るとモンスターは多くなり、強さも跳ね上がる。

 そのためここからは気を引き締めていかなければ俺達のような生産職パーティは壊滅の可能性もありえる。


「前方からクルペッドウルフ四体接近!」


「了解!マロン右二体は任せた」


「おっけー」


「援護します!」


 マロンに同時に飛び掛るクルペッドウルフの一体をアリアの盾が防ぐ。そして一体となったクルペッドウルフを難なくマロンは切り伏せた。

 アリアの盾により転倒したクルペッドウルフはハルアさんにより倒される。

 俺は飛び掛ってくるクルペッドウルフの攻撃を一度防ぎ一匹を弾き距離を空け、もう一匹を仕留めに行く。


「エレナさん!」


「はいよー!」


 俺の合図と共に弾き距離を空けたクルペッドウルフにエレナさんは攻撃を与える。


「マロン!」


「おっけー」


 先に仕留めたマロンがエレナさんの援護に入り止めをさし、それとほぼ同時に俺の相手していた一匹も倒し終える。


「良い感じね」


「そうねぇ。一撃目を防げるだけで余裕が生まれるわねぇ」


 このくらいならいつも難なく倒せはするが、任せられる事が多ければそれだけ余裕をもって対処が出来るため一つ一つの行動が楽になる。

 タンクとなる存在がいるだけでこんなにも変わるのか。

 それとも敵がまだ弱いからなのかはわからないが、ファクターヴァッドベアーと戦えばわかるだろう。


「さ、このまま行くわよ!」


 出てくるモンスターを難なく狩りながら進んで行くと、拓けた場所が見えた。


「さ、到着ね」


「後はあの果物を木から取ればファクターヴァッドベアーが出てくるんですよね?」


 俺達の目の前に広がる拓けた場所の中央には果物がたくさん実っている木が一本だけぽつん、と生えている。

 設定ではこの木の果物はファクターヴァッドベアーの縄張りの場所にあるお気に入りの場所に生えているお気に入りの果実となっており、お気に入りの場所を踏み荒らされ、お気に入りの果実を取られたファクターヴァッドベアーが怒り襲ってくるという事になっている。

 ファクターヴァッドベアーがどこから現れるかはランダムであるため拓けた場所となっている。


「さ、皆行くわよー!」


「「「「はーい!」」」」


 一応この果物は食べればHPを回復できるため採る時は皆で採る。


「「「「「せーのっ」」」」」


「・・・・・何も起こらない?」


 果実を取ってから約30秒程経過するが何も起こらない。


「バグかしら?」


「いや、今までこのクエストでバグがあったなんて聞いてません」


「そうよねぇ~」


「ガァァァァァァァァァッッッ!!!!」


「「「「「ッ!?」」」」」


 突然の咆哮に俺達は全員身構える。

 咆哮は響き渡りどこから聞こえたかが判別できず俺達は円を作るように陣形をとった。


 そして、咆哮から数秒後俺の視界には高速で俺の横にいるマロンに向かう物体が映った。


「マロンッ!」


 俺は咄嗟にマロンの首元を掴みこちら側に引くと同時にマロンのいた所に交代するように俺が動いた。

 動いた時には既に高速で飛んでくる物体は俺のすぐ目の前にまで近付いていた。


 これじゃ回避は無理だ。

 回避は捨て、抜いている剣を目の前に構え飛来する物体に備え、1秒経たない間に物体は俺に衝突し、俺は後ろにいるアリアとエレナさんの間を抜け吹っ飛ばされた。


 強い衝撃が体を襲う。

 吹っ飛ばされながらも視界に捉えたのは情報よりも小さなファクターヴァッドベアーだった。


 

 

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