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Second Life 34

ブクマ評価感謝です。

「キャソール……それ本当か?」


「絶対ではないけど、信用性は高いよ」


 マロンの言ったキャソールとは、SLOに存在する四本の大樹のうち南にある大樹の事だ。

 アイテムの正式名は『キャソールの葉』。今現在確認されているポーションの中で最も高い回復量を出すポーションに必要な素材だ。

 ポーションを作っている俺としては、とてつもなく欲しい素材の一つだ。


「可能性は低くてもドロップさせる事が出来れば、ユホはポーションのレシピを増やせるし、試したい事も出来るんじゃない?」


「……そうだな」


 俺は少し考えた後、このクエストを受けることにした。

 マロンは俺の返事を聞くと、飛び跳ねるように喜んだ。


「よし!頑張ろうねユホ」


「まぁ、やるからには頑張るよ」


 俺達の話が終わり、また雑談に話が戻るとすぐにハルアさん達の話し合いも終わったらしく、こちらのテーブルへと戻ってきた。

 戻ってきたハルアさんの顔は笑顔で、商談が上手くいった事は聞くまでもなかった。


「おまたせぇ~」


 ハルアさんは椅子を他の席からこちらへと持ってきて、ユーリンとセリエさんを座るように促した。二人は、「失礼します」と言って席につき、勧められたクッキーを口へと運んだ。


 少しの間、クッキーと出された飲み物を堪能して終わると、「さてと」とハルアさんは一呼吸おいた。


「二人はさっき何を話してたの?」


 これは話して良いのかと一瞬迷い、マロンの方を見ると頷いたので、俺達は何を話してたのかを全て話した。


 ユーリン以外の二人にはこの情報は軽くだが入っていたらしくあまり驚いてはいなかった。


「ハルアと二人も良かったらどうかな?」


「いいわよぉ。ドロップアイテムも気になるしね」


「その日は私ははずせない約束があるので、一緒に受けたい気持ちはあるんですが残念です」


 ユーリンは本当に落ち込んでいる様子を見せている。

 セリエさんも同様で。用事があるらしく受けることは出来ないらしい。


「じゃあ、いつものメンバーってことだね」


「そうなるな」


 いつもと変わらないメンバーならいつもと同じ陣形で出来るし困る事ではない。

 不安なことがあるとしたら、出てくるレアモンスターの強さだ。強くはないけどレアアイテムをドロップするのか。それともドロップするレアアイテム相応の強さのモンスターが出てくるのか。

 俺達は皆生産メインのプレイヤーだ。戦えるモンスターが強すぎたら俺達は勝てないだろう。

 だから、ここは出来れば五人は欲しい所だ。


「あの、ユホさん」


「ん?どうしたユーリン」


「人数が欲しいんですか?」


「まぁ、確率は低いから期待はしてないが、レアモンスターが出てくるとしたら人数は欲しいな。それに俺達ギルドを作ろうとしてるからな。後一人入ってくれるプレイヤーを探してる」


「そのお話とても魅力的で本当だったら頼んで入れてもらいたいですが、私ギルドのほうはもう決まってしまっているので」


 やはり、イベントの近い今だと皆ギルドに入っているんだな。

 これだとギルドは作れないし、作らなくてもいい気がしてきたな。


「ですが、ユホさんに紹介したい子はいます。あってくれませんか?」


「俺にか?ハルアさんやマロンじゃなくて?」


「はい。ユホさんにです。ユホさんが作っているポーションを愛用している子なんですが、是非会ってみたいと言うので」


「俺の作ったポーションを使ってくれているのか?」


「そうです。その子も生産職プレイヤーですから話は合うと思いますよ」


「それなら俺は是非会ってみたいな」


「そうですか。ありがとうございます。会ってくれると伝えときますね」


「よろしく頼む」


 会う日程は後で伝えてくれるとの事でユーリンとは別れた。

 俺とユーリンが話している間、ハルアさんとセリエさんは素材の事で話し始めており、マロンはクッキーを頬張っていた。

 ちなみに、エレナさんは未だに唸っている。


「なぁ、マロン。相談なんだが」


「ん?なになに?」


「俺が今使っている武器は剣って事は分かってるよな?」


「当たり前だよ」


「俺、そろそろ剣以外の武器を使おうと考えてるんだけど」


「なんでさ?二種類の武器を使うプレイヤーは珍しくないけど、それはある程度武器スキルが育っている人がパーティーの構成に合わせるためにする事だし、僕らみたいな生産職では武器を途中で変える必要はないと思うんだけど?」


「そうなんだが、俺らの中に遠距離武器を使える人一人もいないだろ?だからこれから素材を回収するために誰かがやらなきゃいけないことだろ?」


「それはそうだけど、ユホは接近戦の中じゃ僕たちの中で一番なんだよ?やるならユホ以外の僕たちだと思うんだけど?」


 俺達は互いに見つめ合い、長い溜息を吐いた。


「「よし、保留にしよう」」


 俺達の意見は同じだったらしい。


「今日は僕落ちるよ。この話はまた今度エレナがいる時にしよ」


「それが一番だな。俺も落ちるよ」


「じゃ、また明日ねユホ」


「おやすみマロン」


 俺達は、セリエさんとハルアさんに挨拶をし、一応聞こえていないであろうエレナさんに挨拶をしログアウトした。


次の更新は五日以内にします。

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