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Second Life 18

ブクマ評価感謝です。

一週間ぶりの更新となりました。

なるべく一週間以内には更新できるように頑張ります。

 エレナさんに連れられ、近くの人がごった返している店に入った。

 注文も早々に済ませ、2人ずつに分かれて座っている。



「じゃあ改めてユホちゃんに自己紹介をしようか」


「じゃあボクからしようかな。改めてよろしくねユホ。ボクもエレナと同じ生産職だよ。ボクは【木工】スキルを取得してるよ」



 【木工】スキルと言うのは、ホームを持っているプレイヤーが使うイスや机などの物を作る事が出来るスキルだ。

 イスや机以外にも、魔法職の人達が使う杖などもレベルを上げれば作ることが出来るようになるらしい。



「弓とかも作れるようになるから、弓を使うときはボクに依頼してくれると嬉しいな」


「わかったよ。その機会があったら利用させてもらう」


「次はアタシね。アタシも2人と同じように生産職プレイヤーよぉ。メインは防具の作成で、副業で喫茶店を近いうちに開くつもりよぉ。開いたら教えるわね」



 防具にはいくつか種類が存在する。

 金属などを使った鎧タイプの防具と、【裁縫】スキルで作る事のできる軽鎧タイプの防具だ。

 細かく分けるとまだまだ種類はあるが、大きく分けるとこの2つだ。

 防具を作る生産プレイヤーは普通なら両方の鎧を作るが、こだわりのあるプレイヤーは1つの種類に絞って商売をするプレイヤーもいるみたいだ。

 こだわって作られた防具はステータスが高い。けど、その反面こだわられてるため値段が高くなるみたいだ。恐らく今の俺じゃ手の届かない額だろうな。



「アタシは軽鎧を作ってるわ。時間も掛かるし、素材も良いものを使うから値段は高いけどステータスは保障するわよぉ。よかったら利用してね」


「金に余裕が出来てきたら利用させてもらいますね。俺じゃまだまだ買えそうにないですからね」


「今度は俺口調かぁ……これはこれでありね」


「いつもは俺口調ですよ」


 マロンと共に苦笑しながら視線をエレナさんに向ける。


「次は私ね。私は副業で卸してもらったポーションとかを売ってて、本業は武器の作成よ」


「3人ともそれぞれ違う職種なんですね」


「ボク達はβ版の時に出会っててね。お金もそこそこ貯めてあったから近いうちに店を出す予定なんだよ」


「俺は新プレイヤーだからまだまだ金なんてないよ」


「生産職なら近いうちにお金は貯まるよ。頑張ってユホちゃん」


「まぁ……店を出すなんて考えてないんですけどね」


「えっ!?あんな良い品質のポーション作れるのに!?」


「しゅ、趣味みたいな感じですからね」


「エレナが言ってるのは狩りの時に言ってたポーションのこと?」


「そうよ。2人にも狩りに行く前に私の露店で買ったでしょ?」


「あのポーションユホが作ったの?」

「ホントに!?」


 マロンは横から、ハルアさんは前かがみになり身を乗り出しながら聞いてくる。


「えっと……」


「2人ともユホちゃんが困ってるでしょ。落ち着いて」



 ごめん、ごめん。と言いながら2人は元の位置に戻る。



「なんであんなにいい物が作れるのに店を出さないの?」


「さっきも言ったけど、生産はあくまで趣味なんだよ。それに店を出す余裕がまだないんだよ」


「じゃあお金が貯まればお店出すの?」


「もうちょい余裕が出てくれば出すかもしれないけど、俺は他の生産スキルを取っていこうと思うんだよ」


「まぁ、私達は無理にはとは言わないわ。でも私達は1人でも多く生産職プレイヤーが増えればと思ってるわ」


「生産職プレイヤーはどんやゲームでも少ないからね」



 やはりSLOでもこれは変わらないようだ。

 IGOでも銃の生産、戦闘服の生産、消耗品の生産、この全てのアイテムはNPCから買える。

 けど、運営が考えてNPCが売っている物よりも、プレイヤーが作ったオリジナルのほうが全体的にステータスが高い。

 でも、これらは全てとても高額だった。

 理由は簡単。生産職プレイヤーが殆ど存在せず、生産が追いつかなかったからだ。

 IGOは他のゲームに比べると更に少ない。



「やっぱどんなゲームでも生産職の人は少ないんだな………」


「そうだね。やっぱ生産職は極端な事言っちゃえば地味だし、どんなにレベル上げと平行してやっても攻略だけやっている人と差が大きく開いちゃうからね」



 今エレナさんが言った事が生産職プレイヤーの少ない大きな理由の1つだ。

 RPGなんて特に地味だが、VRゲームの場合人と直接会って交流を持ち、協力して進められるのがVRゲームの醍醐味だ。それが生産職だと矢面に立つことが少なく、折角のVRゲームを味わえないと事で不人気なのだ。

 でも、生産職は交流が少ないわけではない。

 どちらかと言うと多い。素材の売買や、交換。レシピの交換や、素材などの情報の交換など、色々な場所で生産職は交流をする。

 それに、攻略組が攻略できるのは生産者あってのものだ。

 この事を十分に理解している人が生産職プレイヤーとなるのだ。



「なら俺も店を持てるまでの金額を貯められたら、店を出しますよ。出すとしてもひっそりとですけどね」


「ほんとっ!?そう言ってくれると助かるよ」


「店を出したら教えてね。絶対に行くから」


「お姉さんもお邪魔するわねぇ」



 3人とも喜んでくれてるようだ。

 でも、まだまだ店を出すには資金も足らないし、商品の数が少なすぎる。

 それに、生産スキルのレベルが低すぎる。まだサービスが開始したばっかだけど、エレナさん達に比べるとスキルのレベルに差が出てるだろうな。

 当分は、ポーション作成に力を入れなきゃいけないな。





 話もそこそこに、運ばれてきた食事をそれぞれ口へと運ぶ。

 俺も今回はご飯を注文した。

 皆は食べるのに、自分だけ食べないのも場違いだと思ったからだ。

 別に現実で満腹でもこっちで食べれないわけではない。さっきは皆夕食を済ませていたから感覚で満腹だったためデザートだけ頼んだ。




 それぞれ運ばれてきた物を食べ終わる頃、



「ユホちゃん明後日の夜時間空いてるかな?」


「特に予定は無いですね」


「じゃあ私達と一緒素材採取とレベル上げを兼ねて、一緒にパーティーを組んで狩りしない?」


「良いですけど、俺たちだけで大丈夫ですか?いくら初期ステージでも生産職だけじゃ辛くないですか?」


「大丈夫よ。護衛を1人呼んでるわ。合計5人のパーティーよ」


「了解です。時間は明日にでも教えてください」


「わかったわ。じゃあ今日はもう解散しよっか」



 マロンと、ハルアさんとフレンド登録を済ませ、解散となった。


 俺はこの後1人で近場で素材を採取して、SLOからログアウトした。

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