Second Life 15
ブクマ評価感謝です。
ギリギリ更新が出来ました。
「硬いな」
「多分お兄さんの剣じゃ殆どダメージ与えられませんね」
「お兄ちゃん何で武器すら買ってないの!」
「金が足らなかったんだよ」
ユカは呆れながらも攻撃を続けている。
「お兄さん全然準備OKじゃないですよ」
「すまん」
イルミちゃんにも呆れられてしまっている始末だ。
「皆お喋りも良いけど攻撃するのを休んじゃダメよ」
ユリア姉の水属性の魔法攻撃と、HP回復などでちょっと無理してでも攻撃をする事は出来ているけど俺の攻撃は殆ど意味が無いみたいだ。攻撃が通っているのは、俺以外の4人だ。
ユカの武器は片手直剣。ミーサちゃんはダガー。イルミちゃんもダガーを使っている。イルミちゃんだけはダガーよりも殴りと蹴りを中心とした攻撃をしている。
「流石にHP多すぎだよ」
「ボス戦みたいだね」
「裏ボスって所かな」
俺達が戦っているゴブリンはボスに匹敵する強さらしい。
ゴブリンのHPバーは合計で5本。
現在4本目の半分程度まで減らす事が出来ている。攻撃回数は少ないが、一撃一撃が高い攻撃力を誇っている。ユカが突っ込んで喰らった時にHPの半分以上が吹っ飛んだ。俺が喰らえば瀕死状態になるのは確実だ。
「甘く見てたな」
「そうだね。バースだと断定してた私達のミスだよ」
「バースが可愛いくらいですよ」
「皆MPは大丈夫?」
「後アーツ二回撃てるかどうかくらいかな」
「私も同じくらいです」
「同じくです」
「俺は満タン」
「ユホちゃんはカウントしてないから大丈夫」
完全に戦力外と思われてるな。
「回復薬も尽きそうですし、ちょっとまずいですよ」
「アーツ撃ち込みまくってるのにまだ3本目ってほんと疲れるわ」
「皆一旦下がって回復して。その間だけ私がタゲ取るわ」
「ありがとうお姉ちゃん」
「ユホちゃんはそのまま」
「分かってるよ」
攻撃、回復を今何度繰り返したかも分からないくらいに突入してきた。
「お兄ちゃん、イルミちゃん少しの間タゲよろしく」
「「了解」」
「いくよミーサちゃん」
「うん!」
ユカとミーサちゃんの足元に大きな魔方陣が現れる。
ユカの足元に現れた魔方陣は金色。ミーサちゃんの足元に現れた魔方陣は黄緑色だ。
それぞれの属性魔法の色が魔法陣に現れている。
「ユカ何分くらいで撃てるの!?」
「2分間頑張って!」
相当高火力の魔法なのだろう。
本来こんな初期で撃てる魔法ではない。つまりスペシャルスキルの魔法だろう。
それに、ユリア姉から聞いた話だが初期レベルでの魔法は正確なMP消費ではなくパーセント消費らしい。
「じゃあお兄さん魔法が撃てるまで耐えますか」
「2分か。長いな」
「これで倒れなかったら私達の負けかもしれませんね。詠唱時間が長い魔法にはアーツと一緒で反動があるから私達そっちのけでユカたちに突っ込まれたら壊滅しますよ」
「なら倒れるのを願うしかないな」
「ですね」
ゴブリンのHPバーはようやく2本目に突入した。
けど、大体こういう大型のモンスターはHPが少なくなってきたら攻撃パターンが変わったり、ステータスが上昇したりする。
「もうちょい踏ん張れるか?」
「大丈夫ですよ。それにもうすぐ2分経ちますし、ちょっとくらいの無理しても減らせるだけ減らしますよ」
ゴブリンからしたら俺の攻撃なんて蚊程度のものだろうがさすがに10回もアーツを撃ちこめば中々の量を減らす事ができている。
まぁ、こんな俺に比べるとイルミちゃんのアーツだと俺のアーツ3回分くらいのダメージを与えている。それに、ユリア姉の支援もあって2人だけでも良いペースで削れている。
「お兄ちゃん下がって」
「いきます!」
2人の魔法も詠唱時間が終わったようだ。
「雷神の憤怒!!」
「ゼノムストリーム!」
ゴブリンの周りに5つの雷が落ち、ゴブリンを囲み、ゴブリンに雷が伝わり、地面から大きな雷が出現する。
雷が止んだと思ったら、次はゴブリンを大きな竜巻が襲い、竜巻に風の杭が数本突き刺さる。
「すげぇな」
「あのコンボは喰らいたくないですね」
2人の魔法で砂煙が舞い、周りの地面は抉れて無くなっている。
「まだ終わってないわ。サイレントブリザード!」
砂煙ごと凍りつき、氷が破裂する。
砕け散った氷が上空から降り注いでくる。
「何が起こったんだ?」
「同時詠唱です。超レアスキルですよ」
「ユリア姉もスペシャルスキルに当たったって言ってたな」
「同時詠唱なんて魔法職をやっている人全ての人が手に入れたいスキルですよ」
「でも、倒れていないみたいだな」
「ですね。私もう回復薬尽きますし、回復なんてさせてくれませんよね」
「だろうな」
ゴブリンは今の大魔法3連発に耐えている。
HPの残りは1本の半分をきって、赤くなっているがギリギリ残っている。
「ガァァァァ!!!」
「めっちゃ怒ってるな」
「ですね。お兄さん今魔法とか撃てたりしないんですか?」
「撃てない事は無いが、イルミが撃つまでに死ぬぞ。それに撃たせてくれるかも分からないぞ」
レベルも上がり、スキルが取れるようになったので魔法が撃てるようスキルを一応取ってはいる。けど、まだ一度も試したことが無い。
「ですよね」
「どうするか」
「ユホ大丈夫か!?」
「え?」
いきなり名前を呼ばれて、目の前にいるゴブリンから視線を逸らす。
視線の先にはリュークがいた。
「どうして」
「お前の事だから1人で向かったんじゃないかと思ってな。それよりも目の前に集中しろ!」
リュークは手に掴んでいる野球ボール程の大きさの球体をゴブリンに向けて投げつける。
リュークが投げた球はゴブリンの目の前で閃光を放つ。
閃光が消え、眩しさで瞑っていた目を少しずつ光に慣らすように開ける。
目の前には持っていた剣を地面に落とし、大きな手で目を覆いながら地面に倒れこんでいるゴブリンがいた。
「今のうちに一旦下がりますよお兄さん!」
「わ、わかった」
ゴブリンと距離を置き、ユカ達の元に駆け寄る。
「一度身を隠した方が良さそうですね」
「そうだね。今のままじゃ残りのHPを削りきるのは無理かも……」
あの攻撃で倒せないとは思っていなかったユカとミーサちゃんは完全に落ち込んでいる。
無理も無いだろ。俺もあれで倒せないとは思っていなかった。
「2人とも落ち込むよりも隠れよう」
「本当に助かった」
リュークも合流して、戦闘していた場所から少し離れた家に皆で隠れる。
「ここすぐに見つからないか?」
「それは大丈夫だろ。あのゴブリンは一定の範囲から動かないタイプか、歩き回るけど家の中とかは探さないタイプのどちらかだ。けど、その間に少しずつだけど体力が回復していくと思うぞ」
「作戦といえる作戦もないしな。これ無理ゲーだな」
「すいませんでした。頑張って時間稼いで貰ったのに倒しきれなくて」
「ごめん……」
「2人ともそんな落ち込まないで。普通ならさっきので倒せていたから」
「じゃあなんであいつのは残ったのか聞いてもいい?」
「それはね、防御スキルが働いているからよ。あのゴブリンの防御スキルは一定のHPより少なくなったら一撃では死なないものだと思うわ」
「だから死んでなかったのか」
「スキル持ちのボスなんてβテストの時はいませんでした」
「あら、イルミちゃん知らないの?最終日だけあのゴブリンが出現してたのよ?」
「そうなんですか!?」
「じゃあなんで最初にその事教えてくれなかったのさ」
「聞かれなかったもん」
確信犯だなこれは。
ユリア姉を軽く睨みながらも、この後どうするかの話に話を戻す。
「あいつはどうした倒せるか聞いていい?」
「あそこまでいったら後はとにかく削る、しかないわ。それに、正式のとβのは同じじゃないわ。βテストの情報を完全に信用するわけにはいかないわ」
「じゃあどうすれば……皆回復アイテムも無くなるぞ」
「もうどっちが早く倒れるかの勝負だな」
「そうですね。後は殴り勝つしかないですね」
「あのゴブリンだけは許さないよ!自信無くしそうになったもん!」
「そうですよ!始めてすぐに自信無くすところでした!」
最後の2人だけは戦う理由が変わってしまった様だな。
それでも、やる気と自信を取り戻してくれたなら結果オーライだ。
「回復アイテムなら少し多めに持ってきてるから皆に分ける。それでも足りなかったらもう後は気合だ」
「俺も全然攻撃喰らってないし、アーツも使ってないから回復薬は皆よりもあるから分ける」
「それじゃ作戦も決まったし行こうか。皆準備はいい?」
「任せてください!」
「ミーサちゃん頑張るよ!」
「もちろんだよユカちゃん!」
「頑張ろうなユホ」
「当然だ!」
こうして、ゴブリンとの第二ラウンドが始まった。




