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Intent 4

ブクマ感謝です。ありがとうございます。

昼間の投稿が出来なさそうなのでこの時間での投稿です。

通信が切れてもう一度スコープを覗くと、警戒しながら移動しているのがわかる。

隠れながらの移動はこの距離だとさすがに命中率は下がる。


「しょうがないから近づくのを待つか……」


スコープを覗くのを止めて辺りを見回す。レーダーを見るとこのフィールドで最も高い廃ビルに登っている漆原の姿があった。


竜輝のことだから敵の位置を確認するために登らせてるのかな?

いい判断だとは思うが、それは従来のFPSでの話だ。【IGO】はスナイパーの命中率も低く、突入されたら死ぬのは確実だ。

竜が得意とするのはRPGだ。FPSだけで言ったら俺の方が圧倒的に理解している。

この場合百メートル先にある建物の方が視界に遮る物も、広く周りを見渡せる。


俺は竜にプライベート通信を繋げる。態々プライベート通信にしたのには理由がある。俺は漆原を百メートル先の建物に移動させていいかと聞く気でいる。それを今俺に対して怒りを示している島村に聞かれると面倒になりそうだからだ。


『どうしたんだユキ?』

「出来るだけ小さな声で頼む」


俺の意図を察したのか『わかった』と竜は答える。


「今ルルを一番高い廃ビルに登らせてると思うが、百メートル先にある建物に移動させてくれないか?」


竜はあっさりと『分かった』と答えた。


「ごめんな。こんな好き勝手してる俺の意見なんか聞いてくれて」


通信機の先で竜が笑ったのがわかる。


「何笑ってんだ?」

『いや、なんでもない。無理に誘ったのは俺だし、神様が言うならそれを信じるよ』


昔の傷が深く抉られた。

俺の過去を知る唯一の人間……思い出すと恥ずかしさが込み上げてくる。


「おい、それはやめてくれ。頼むから」


竜は『すまんすまん』と軽く返す。


「後で覚えとけよ…」

それだけ言って通信を切った。



まさかこんな黒歴史を思い出すとは……恥ずかしくて少しの間床でのた打ち回った。


「はぁ、はぁ、はぁ、疲れた……俺何やってんだろ……こんなの見られたら黒歴史追加かもな」


一人で悶え、恥ずかしがるという恥ずかしいことをやって終ってから、ふとレーダーを見ると俺の指定した位置に漆原が移動を終えようとしていた。


さてと、気を取り直して真面目にやるか。

漆原に通信を繋げる。


「聞こえるかルル?」

『はい聞こえます』

「用件だけ言うぞ。ルルに敵が近づいてきたら撃たずにその情報だけ俺に教えてくれ。それ以外はリュークに言われた通りにしてくれ」

『分かりました』


漆原の声は和む声だ。学校でもよく聞く声。あまり漆原のことは知らないけど誰もに好かれる声をしていると思う。

俺の羞恥心を静めてくれようだ。


「ルル、このまま通信は切らずにいてくれ」

『それはどうしてですか?』


断じて漆原の声を聞きていたいと言う訳じゃないぞ?

ただ、後五人は2人で屠る気でいるから連絡をすぐに取れるようにしときたいだけだ。


「俺が一人倒したのは分かってるよな?」

『はい』

「東側から近づいてくるのが分かると思うが、そいつらを屠ろうと思うがいいか?」

『二人で大丈夫ですか?』


自分で黒歴史の傷を抉るのは嫌だけど不安を取り除くか。


「なぁ、ルルはβテスターか?」

『そうですけど、何で私がβテスターって分かったんですか?』


意外とあっさり認めたな。違かったら恥ずかしかったな。よかった。

俺は安堵の溜息を吐く。


「理由としてはスナイパーを使ってるからだ」


βテスター以外でのスナイパーなど殆どいない。理由は扱うのが難しいのが一番だが、もう一つは利点を知らないからだと俺は思っている。スナイパーは本当に扱いづらいけどそれでも利点を考えたらスナイパーは強いと俺は思っている。

利点は弾丸予測線が表示される範囲外からの攻撃が可能と言う事。

弾丸予測線は飛んでくる弾丸のルートのこと。このシステムは全プレイヤーに与えられている。自身に当たる予測線は赤く表示され、当たらないのは半透明で表示される。

この予測線は一定の離れた距離からの射撃は表示されない。予測線範囲外からなんてスナイパー以外無理だけど……

それに範囲外からの射撃とか成功しないしな。俺はできるけどね!


こんな扱いづらいスナイパーの武器Lvを50まで上げるなんて普通はしないし、Lv40位からは条件を満たさないと経験値が貰えない時がある。その条件を満たしての経験値取得を出来るのはβテスターと地道にやれる我慢強い奴らくらいだ。βテスターでも好き好んでスナイパーを選ぶのはアホだとは思う。


ちなみに俺はアホじゃないからな!?勘違いしないでね!


『そんな事だけで分かるなんて凄いね』

「まぁま。これでも元ゲーマーだからな」


なんか漆原に笑われた。なんで俺笑われてんの?


「なにがおかしいんだ?」

『いやなんでもありませんよ』


話が逸れたな。敵の集団も近づいてきてるし話を戻すか。


「話したいことはこんなんじゃないから話戻すぞ?」

『あ、すいません。どうぞ』

「神様って知ってるか?」


返事が返ってこないけど何かあったのかな?


そんなことを考えてると漆原からの返事が返ってきた。


『ユキ君も知ってるんですね神様』

「知ってるも何もあれ俺だからな」

『………』


見事に固まったな。うん、これは予想してたよ。俺は元々ちょっとだけ有名だった時期がある。


「まぁ信じなくてもいいが、勝ちたいなら信じてくれ。言いたい事はこれだけだ」


硬直から戻ったのか耳には和みの声が聞こえる。


『そうですか。なら詳しい話は勝ってから詳しく聞きますから話して下さいね』


うん!絶対に話す!その声に誓って!

別に今日で退散だし最後にぶちまけようと思ってしまった。

言ってからだけど、ミスした気もする……



でもやることも決まったし、やりますか!


自分はあまり言葉を多く知らないためここでどんな言葉を使ったらいいのだろ?ってなることがあるんですけど、諦めて書くことがあるんですよね。なので、ここはこんな言葉を使えばいいとかあれば教えてくれると嬉しいです。

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