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Second Life 12

更新が遅れてしまい申し訳ございません。丁度一週間でしょうか?長い間更新が出来ませんでした。風邪を引いてしまいまして、寝込んでいました。

もう大丈夫なので、なるべく早い更新をしていきたいと思っています。


ブクマ評価感謝です。

「……遅い」


 リュークからの連絡がきてから、もう30分以上経っているのにも関わらず、未だにリュークは来ない。

 材料も無くなり生産がこれ以上出来なくなり、さっきからモンスターをひたすら狩っている。



 大きな岩に、寄り掛かりドロップしたアイテムと採取したアイテムを確認する。



「リュークは来ないけど、素材は多く手に入れられたな」




「おーーーーい!待たせた!」



 やっと来たか。

 リュークは、猛ダッシュでこちらに向かってくる。


「はぁ……はぁ……はぁ……遅くなった」


「いや別にそんな急がなくてもよかったぞ?遅いとは思ったけど素材を回収する事ができたしな」


「でも……連絡してから30分以上経ってるし」


「気にしてるなら理由を聞いてもいいか?」


「あぁ。ここに来る途中に強制クエに巻き込まれて、それで遅くなった」



 リュークが今言った強制クエと言うのは、強制参加型クエストのことだ。

 強制参加型クエストは、一定の条件が満たされると起こるクエストの事だ。クエストに参加させられるのは発生元の近くにいるプレイヤーだ。パーティーなど関係なく参加させられるクエストらしい。



 でも、ユカやミーサちゃん、イルミちゃんの情報ではこんな最初の方では無いとの情報だったのだが、β版の時とはやはり違う所も多くあるみたいだ。



「クエスト内容的には全然難しくなかったんだけど、クエスト内容が素材の採取で採取しなきゃいけない数が多すぎて相当時間が掛かった。ごめんな」


「強制クエならしょうがないだろ。気にしないでくれ」


「助かるよ」


「それじゃクエスト行くか。それとも素材集めでもするか?」


「クエストを進めないか?2つ目の町を開放するために進めるのもいいけど、金とかを集めたいからな」


「リュークはそんな装備が買えるんだから金があるんじゃないのか?それともそれを買ったから金が無いのか?」



 リュークの装備は俺の装備とは明らかに違っている。

 俺の装備は、金属部分が一切無いいかにも防御力が無さそうな見た目の初期装備だ。なのに、リュークの装備している防具は、布の装備ではなく金属部分のある軽鎧で統一されていた。それに、武器だって《鉄の剣》の俺と違って、装飾が少し付いていて、少し大きめの剣を持っている。



「知らないのか?βテスターは金だけは引き継ぐ事が出来るんだぞ?ユカちゃんから聞いて無かったか?」


「聞いたかもしんないけど覚えてないな」


「まぁいいか。ユホはこの後用事とかはあるのか?」


「お前とやった後は特に用事とかはないぞ」


「なら、夜も一緒に冒険しないか?時間とかはユホに任せるから」


「別にいいぞ。時間は後でもいいか?」


「あぁ。じゃあ早速いくか」


「そうだな」



 少しの休憩を終え、リュークと共にモンスター狩りへと向かう。


 リュークが素材を集めるのに選んだ場所は、俺が昨日恐怖を味わった(場所)だった。



「なぁ、なんでこの森なんだ?ここって最初の方じゃ難しいはずじゃ」


「そうだけど俺のレベル今13だし、ユホも10くらいはいってるだろ?」


「お前どんだけやってるんだよ。飯とか食ってるのか?」


「お前いい奥さんになれるぞ」


「何言ってるんだ。俺は男だぞ」


「SLOには結婚システムがあるんだぞ?それに今のお前の見た目は完全に女子だ。結婚に性別は関係ないから十分いけるぞ」


「曖昧なシステムだな」


「結婚システムの意味としてはアイテムやステータスの共有だからな。性別はどうでもいいんだよ。それに新たな人生を謳歌するゲームだからな。新たな可能性に目覚めてもいんだよ」



 俺は苦笑しながら森を進む。

 


「今どれくらいの経験値入った?」


「後3・4回戦えばレベルが上がりそうだな」


「ならユホのレベルが上がったら終わりにするか」


「そうだな」



 この後3回のゴブリンとの戦闘で俺のレベルは11になった。


「よし。終わりにするか。俺はもう少しやっていくけどユホはどうするんだ?夜までやらないのか?」


「生産するためのキットとかを見てから一旦落ちようと思ってるよ」


「まて、今キットって言ったか?」


「言ったけどどうかしたのか?」


「お前生産スキル取得したのか?」


「したけど何か問題あるのか?」


「ちょっとセットスキル見せてくれ」



 リュークに言われ、取得したスキルを見せる。



「酷いなこれ……」


「そんなになのか?」


「あぁ。酷すぎるぞ。不遇スキルフェスティバルだな。不遇スキルじゃないの《剣》くらいだぞ」


「それに近い事はユカやユリア姉に言われたよ。でもレベルさえ高くなれば必要とされるならそれまで上げるよ」


「お前本当に根気あるよな。生産スキルなんてすぐに上がるもんじゃないぞ。レベルが上がっても良い物が作れるとは限らないからな」


「で、でも良い物が作れる可能性もあるっちゃあるんだよな。ならその可能性に掛けて頑張るよ」


「まぁ、お前の好きだけどさ、ユカちゃんやユリアさんと冒険してやれよな。今までやれてなかったんだからさ」


「分かってるよ。さっさと戻ろう」


「そうだな。出来るだけ早く出るか。この森、時間帯によって強モブの出現率が変わってくるからな」


「強モブってゴブリンバースの事か?」


「よく知ってるな。ユカちゃんから聞いたのか?」


「うん……まぁ、そんな所だ」



 森に夕日が差し込み始め、暗くなり始めている。

 夜になるにつれて、ゴブリンバース(あいつ)は活発に動くようになるのだろう。もし、仮に夜になるにつれて出現率が上がるのなら、なんで昼間に俺の前に現れたんだ。可能性があるとしても、空気を読んで出てくるなよな。


「出現率も上がるし、相当奥に来てるから出現率は更に上がってるぞ」



 あぁ、そうか。森の奥って言うのも関係してるのか。


「それなら早く出よう」


 あいつとはもう戦いたくないからな。早くこの森を出たい。今の俺じゃリュークの足手まといになるからな。《星月の姫》を使えば話は変わるが、《星月の姫》は、リュークにでさえ今はまだ教えたくは無い。内緒にしていたい。



 リュークも今のレベルでバーストは戦いたくないらしく、来た時よりも速いスピードで歩いている。


 リュークの話によると、夜になるにつれて通常のゴブリンやスライムはこの森では出現率が低くなり、代わりにバースが単体だが遭遇する確率が上がるみたいだ。




「よし、ここまで来れば大丈夫だな」


「なぁ、それってフラグだと思うんだよな俺」


「変なこと言うなよな。それで本当に出てきたらどうすんだ」



 俺の予想は外れ、バースに遭遇することなく森を抜ける事が出来た。

 森を出た時に、リュークは安堵の溜息をしていた。



「今の状態で、強モブに会ってたら死んでたかもしれないな」


「そうだな。でも、町に戻るなら死に戻りでもいいかもしれないけどな」


「楽だけど、死に戻りするとステータスがダウンするからな。元に戻るまで時間が相当掛かるぞ。夜やるのにステータスにマイナス補正が掛かってたら辛いだろ」


「それもそうだな。さ、戻るか」



 ポータルに向かって歩き出す。

 モンスターはいるが、今はモンスターを無視してポータルに向かう。



「あ、あの!冒険者様待ってくれませんか!」


「「ん!?」」


 俺とリュークは声のする方へ振り向く。

 振り向くと、白いワンピースを着た一人の少女が立っていた。髪はボサボサでやせ細っている。


「どうかしましたか?」


「私達を助けて頂けませんでしょうか。お願いします」



 どうすればいいのか分からず、リュークに視線を送る。

 すると、リュークは俺にだけ聞こえる声で説明をしてくれる。


「この子はモブだろうな。この助けるって言うのはモンスターの討伐だろうな。これを承諾するとクエストが発生する。でも承諾しなきゃクエストは発生しないから大丈夫だ。討伐するモンスターによってはこのクエストを受けるのも良いけど、辛そうだったら受けるのは避けよう」


「わかった」


 会話を終え、リュークは少女へと話し掛ける。


「話を聞いてもいいかな?」


「はい。私は近くに位置する村に住んでいる者です。今日その村に、傷を負った大型のゴブリンがやってきて、村を荒らし、占拠してしまったのです。村は壊滅寸前で、怪我人も大勢出てしまっているのに、ゴブリンがいるせいで手当ても出来ないのす。ですので、そのモンスターを倒して欲しいのです。お金は少ないですけどここにあります」


 少女は皮で出来ている袋をリュークに突き出す。


「話を聞く限りそのゴブリンは、ゴブリンバースと言う名前のゴブリンの一種だ。そのクエストは承諾してやりたいけど、今の俺らじゃそいつを倒すのは難しい。だから、他の冒険者に頼んでくれ。ごめんな」



 リュークはあっさり断った。


「行くぞユホ。受けてやりたいけど俺らじゃ勝てる見込みが低いからな」


「でも」


「それに、このクエストは多分明日には消えてる。可哀想でも相手はモブだ」


「あ、あぁ」


俺とリュークは少女に背を向け、ポータルへと歩き出す。


「待ってますから!冒険者様が戻ってくると信じて待ってますから!」


夕日が照らす、草原に1人の幼い少女の声が響いた。

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