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Second Life 10

ブクマ評価感謝です。

更新遅れてしまって申し訳ございません。


サービス開始2日目、俺は優花と共に朝食を早々に済ませ、SLOの世界に旅立っていた。


今日最初にしようと思っているのは、昨日出来なかった合成、調合、調薬をやろうと思っている。



これは調べた事だが、合成と調合は限りなく似ているが微妙に違うらしい。合成でしか作れない物もあれば調合でしか作れない物も存在する。調合は、素材を煎じたりしてアイテムを作り、合成は手間無くアイテム同士を合わせることが出来るスキルだ。また合成と調合両方で同じ物も作れるみたいだ。



この説明を見たとき、調合は合成と調薬両方のスキルを合わせたようなイメージを受けた。


今日の試作の順番は、調薬⇒調合⇒合成でやろうと思っている。

理由としては、回復薬を調薬と調合で作ってから合成で合わせようと思っているからだ。何よりも、合成はアイテムが無きゃ使えない。



まず調薬キットを出す。


「これどうやんだ?」


説明を見ながら準備をしていく。

素材は採取した薬草。それにブルースライムの素材であるブルーゼリーとBスライム体液を取り出す。




《調薬キットでの回復薬作成方法》

・MP回復薬作成方法


・薬草を擂り潰す

・擂り潰した薬草にBスライム体液を少しずつ加えていきながら混ぜる

・よく混ぜたらブルーゼリーを入れゼリーが無くなるまで混ぜる



なんだこの料理の説明みたいなのは。

まぁ浅はかな考えは置いといて、早速やってみるか。



説明通りに薬草を擂り潰す。

薬草は擂り潰すと薬草はどんどんねっとりした汁を出す。

薬草2つでグラス半分ほどの量の汁が出てきた。


折角なのでこのねっとりとした薬草の汁を指に付け舐めてみる。


「まっず!」


これから俺と同じ事を考えるプレイヤー達よ。変な興味は出しちゃいけないぞ。

薬草汁はゴーヤを擂り潰して何の調味料も入れないで作ったジュース見たいな味だ。


口の中に苦さを残しながら、回復薬作成を再開する。


薬草汁にBスライム体液を少しずつ加えながら混ぜていく。

Bスライム体液を加えていき、混ぜていくと、青くなると思っていたがどんどん透明になっていった。

すり鉢の底が透き通って見えている。



「凄い透明度だな」


透明感溢れる薬草汁となったが、ねっとり感は先程の物より増えておりスライムを連想させる物となっている。


スライムもどきにブルーゼリーを混ぜていく。

ブルーゼリーをスライムもどきに入れると、ブルーゼリーの塊はねっとりと溶け始めていく。

ブルーゼリーが溶けるにつれて、透明だった汁は青くなっていき、ブルーゼリーが完全に溶けると透明だったゼリーは青く染まっていた。




「これで完成だな」



《初心者MPポーション》

MPの6%を回復する



「この作り方だと初心者ポーションが出来るのか」


違う作り方をすれば回復力が上がるのか?

それとも道具の性能でこの性能の物しか作れないか、素材のレア度が低いためかのどれかだろう。


可能性として高いのは手順と道具の性能のどっちかだろうな。

今金が無いこの状況で試せるのは手順を変えての作成だ。まずは手順を変えて作ってみるか。


手順以外にも材料の分量も変えてやってみよう。


さっきは全ての材料を2個でやったが今回は、薬草が3、Bスライム体液を1、ブルーゼリーを2でやってみよう。



まず、薬草を擂り潰す前にBスライム体液も入れながら擂り潰す。

擂り潰すのが先程とは違ってねっとりとしたBスライム体液を加えているせいで上手く擂り潰せない。



「おぉ良い感じだな」


薬草から出た汁とBスライム体液が混ざり始めるとさっきとは違って透明にならず綺麗な黄緑色になった。やはり素材を加える順番を変えると出来が変わってくるようだ。


次にブルーゼリーを加えていく。同時に2つ入れず、1つずつ加えていく。

1つ目のブルーゼリーを加えると、黄緑色から黄色へと変化していく。ここに2つ目のブルーゼリーを加えると綺麗な青色になった。



《MPポーション》

MPの19%を回復する



「おぉ大分上がったな。それにレシピも変わってるな」


さっき《初心者MPポーション》を作った時にレシピが追加されていた。

レシピからだと、一々擂り潰したりして作らなくても作成が出来る。レシピは同じ素材からの作成で作ったものが前の物より性能が上だったら性能が上の方の作成方法がレシピに上書きされる。



「これは普通は高いのか分からないな。でも現時点では良い物が出来たし作れるだけ作っとくか」


昨日集めた素材で作れるだけのMPポーションを作る。

数にして合計32個。かなりの量が作れたな。


一旦これを売って金にしてから、初心者ポーションを買おう。





◇◆◇◆◇◆



「どの人に売れば良いんだ?」



まず、SLOは定期的にアイテムが品薄になったりして、値段が跳ね上がる時があるらしい。その時は、10Gが15Gや20Gになったりするらしい。



次にSLOにはNPCに売却する方法と、プレイヤーに売却する方法の2つがある。

NPCにアイテムを売る場合、売る時の値段に変動が無い。

例えば、50Gで買える《初心者ポーション》をプレイヤーに売ると、その時のレートによって買取価格変動して売る事ができる。本来の買取価格は10~30Gで売れるのが、高く売れる時は100~140Gまで跳ね上がる事もあるらしい。

しかし、NPCに売ると20Gでしか売れず、どんなにレートが上がっていても変わることが無いため、売るタイミングを逃すと損が生まれるとのミーサちゃんからの情報だ。



βテスターのプレイヤーが開いている露店通りを徘徊して人が良さそうな人を探すが初対面の人だとやはり判断が出来ない。



このままうろうろとしていても埒があかないな。

覚悟を決め、すぐ近くに露店を開いているお姉さんに声を掛ける。



「あ、あの~。今お時間空いてますか?」


俺が声を掛けた露店を開いているお姉さんは、肩に掛かるくらいの綺麗な金髪で、オレンジの目をしている。雰囲気も優しそうだ。



「どうしたの?」


「MPポーションを買い取ってたりしてますか?」


「もちろんしてるよ。回復薬以外にも素材アイテムも買い取ってるよ」


「よければいくつか買い取って貰えませんか?」


「こんな可愛い子から買い取らないなんてありえないよ」


「一応俺男なんですよ」


「………で、何を売りたいんだっけ?」



完全にスルーされたな。

ま、慣れてるからいいか。



「MPポーションを20個買い取って貰いたいんですけど」


「最初にMPポーションを作るなんて中々チャレンジャーだね。普通はポーションとかなんだけどね。それに、君βテスターじゃないよね?」


「今回のサービス開始で初です。自己紹介が遅れました。ユホって言います」


「ユホちゃんか。よろしくね。私の名前はエレナって言うの。私は生産職プレイヤーだよ」


「エレナさんよろしくお願いしますね。俺も生産もメインにやっていこうと思っているんです」


「それは嬉しい情報だね。生産職プレイヤーはSLOは少ないからね。それで、話が逸れちゃったね。βテスターで生産職を選んだ人は少ないんだよ。理由としては、ネットとかでの生産職の必要性の低さからだね」


「それは昨日聞きました。たしか、生産職に楽しみを持っていないと生産職は無理だって言ってました」


「その通りだよ。基本的にプレイヤーの腕が無いといい物は作れないからね。ポーションの類は代表的だね」


「俺の低かったら買い取って貰えませんか……?」


「そんな事はないと。この時点でのMPポーションの価値は低いけど、少ししたら上がるからね」


「それは良かったです」


「効果を先に見たいんだけどいいかな?」


「わかりました」



エレナさんに《MPポーション》の効果を見せる。

エレナさんはそれを見てから固まり、声を発さない。


効果が低すぎて呆れているのだろうか。

それだったら買取は諦めて、NPCに売ろう。


「これじゃ効果低いですよね。NPCに売るので買い取りは中止でいいです。しつれ」


「ちょっと待って!全然低くないよ!むしろどうやってこんな高いのを作れたか聞きたいくらいだよ」


「そ、そうなんですか?」


「普通のMPポーションの効力はせいぜい良いので12%回復なんだよ。でもユホちゃんのは17%。私の所に売りに来てくれてありがとう!」



泣いてしまうのではないかと顔で両手をエレナさんに握られる。


「20個売ってくれるんだよね?」


「は、はい」


「20個で4000Gで買い取りたいんだけどいいかな?これじゃ少ないかな?」


「い、いえ4000Gで買い取ってもらえるだけでも嬉しいです」


「よかったー。じゃあ4000Gで買い取らせてもらうね」


「ありがとうございます」


「今度からうちで売ってもらえること出来る?効果が上がればもっと高値で買い取るよ」


「大丈夫ですよ。これからは定期的に売りに来ますね」


「助かるよ。よければフレンドにならない?」


「お願いします」


「私は金属を使った武具店を開こうと思っているから、武器とかが必要だったら頼ってね」


「わかりました。これからよろしくお願いします」



エレナさんとフレンド登録を済まし、エレナさんの露店を後にする。


MPポーションを売って稼いだ金で《初心者ポーション》を20個と、錬金キットを買ってログアウトをした。







もう少しほのぼのとした話が続きそうです。

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