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第2―2 夏休みの憂鬱 吉田 修平編

この話はこの物語の登場人物の吉田 修平の物語です。本編とはあまり関係ないし、短いので、まぁ、一話、一話自体短いのですが…時間があるときにでもみてください


その手をひらいてはいけない


きっと何かを離してしまうから…


その手を伸ばしてはいけない


そこには何もないのだから…



第2―2 『夏休みの憂鬱 吉田 修平編』


夢を視ていた…


懐かしく…


哀しく…


儚く…


だから、この夢は嫌いだった。


この夢の主人公は儚く楽しい夢を見た後…


孤独を知るのだから…


その手を離してはいけない…


だから、この夢は嫌いだった…



「はがっ!」

暑く、ダルく、憂鬱な夏休み最後の日を吉田 修平はこうして迎えた


それにしてもダルい、暑い、そして夏休み最後の日は憂鬱だ

ここは私立上山桜丘高等学校の第2学生寮


とりあえず、飯を食うために下に降りる。

この学生寮は四階建てで、一階は共同フロアとして解放

二階以上は学生用の部屋になっている。

人間関係を創りやすいように設計されたデザインとかなんとか… ちなみに男女共同であるが、部屋は東棟と西棟に分かれ、お互いに入れないようになっている。

簡単な話…不純異性交遊はいけません!な設計になっている


下に降りると、見慣れた顔が2つあった。

一人は寮監である村田さんである。もういい歳なのに恋人がいないらしい、まぁ俺もだが…

流石は、不純異性交遊 ダメ 絶対の学生寮の寮監である。


普通にいい人なんだけどなぁ…


「あっ おはよう修平君! 朝ごはんってゆう時間じゃないし…奈々ちゃんは…あっ アハハハハハハ」


村田さんは突然笑いだした。この笑いは、面白い笑いではなく、 恐怖とそれがもたらすであろう圧倒的な暴力を怖れる笑いだ…


よく見ると、テーブルにたくさんのお菓子を重ねてあり、もう一人の見慣れた顔がガツガツ食っている。


こいつは幼なじみの神山 奈々…昔からいいやつで仄かに想いを寄せているが、当のコイツは俺の事を何とも思ってない…

昨日だって…昨日…きのう…き…


時計を見る。もうすぐ12時になる。


昨日コイツと買い物に付き合う約束をしていた。あの夢のせいですっかり忘れていた。

奈々は嫌な事があると大好きなお菓子を食べあさる…昔は観ていて、可愛らしい光景だったが、今はその食い様ときたら何だろう…肉食恐り…


「何ぼへ〜っとしてんのよ…とりあえずここに座って。」


従うしかない。絶対王政の始まりを告げていた…


「約束したよね。買い物に付き合うって!」

ちなみに、約束をした後 修平は幸せな気持ちでいっぱいで夜なかなか寝付けなかった…

だって、好きな女の子から買い物付き合って言われたら、デートですか?デートですか?みたいになるじゃない!少なくとも修平はなった…


そして今に至るわけだが…


「悪かった…悪かった。かわりに、何でも言うこと聞くからさ…なっ!」


修平は手のひらを重ねて、御免なさいのポーズをとる


「なっ!なっ!そ、そんなの当たり前じゃない! バーカ! 変態!」


すると、寮監の村田さんが奈々に耳打ちをした途端に奈々は慌てだし、村田さんをボッコボコにした。


その後こちらを睨み付け

「40秒でしたくしな!」

と修平に命令をして、共同フロアを出ていった。


「俺はどこのパズーだよ…」

修平は呟く。


今日は夏休み最後の日


だけど、楽しくなりそうだった…


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