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第2―1 アンチ・スカイ 優夢編


俺は唯孤独


悲しみも


悦びも


怒りも


俺だけのもの


目指すべきものは唯1つ

孤立すること…


畏れることは唯1つ


何かに執着してしまうこと…


第2―1 『アンチ・スカイ 優夢編』


「一護は回収。このガキは消せ」


三つの影の中の二番目に背が高い影が言った。声質からして、男だとわかる。


「了解」

他の二つの影が応えた。どうやら女も居るようだ。


三つ影は喜一が入ってきた入り口から現れたので、あそこから逃げることは出来ない。

他に出口があるかどうか知らないが、今こいつらから逃げたほうがいいのは明らかだった。


取り敢えず、ビルの奥に逃げていく。


「どうする?」

一番大きな影が質問した。どうやら男のようだ。


「目撃者がいる事事態今の俺達にはマイナスにしかならない。 まみ、頼む。」


「わかったわ。あなたたちも気を付けて。」


そう言って、まみと呼ばれる女は喜一を追うために奥に走っていった。






喜一は走った。が、出口らしい場所は見つからない。


「くそっ」


あそこしか出口がなかったら絶望的だ。


突然、空気を切る音がした。同時に隣にあった柱に何かめり込む凄まじい音がビルに響く。


見ると、柱に蒼白い矢のようなものが刺さっていた。


後ろを振り替えると、女が立っていた。黒い長髪でオールバックにしている。しかし、そんな女には似合わないものを持っていた。蒼白く輝く弓のようなもの。


喜一の顔がひきつる。 逃げようとしたが、足が震えて動かない。

「あら?震えているじゃない。かわいいっ。」


そのセリフからこの女がSなのは明らかになった。


「うるせぇ!これは、あれだ!武者震いってやつだ!きっと!たぶん…」


「最後に言い残すことはある?」


「できたら、苦しくないので…」


「残念ム・リ! テヘッ」


と言って弓の標準を足に向けた。どう考えても急所を外す気満々だ。

「最悪だ〜!このどSばばあ!」


「楽に死にたいなら、今Mになることお薦めするわ。」

と言って弓を引き、放つ。


もうちょいかっこいい死に方が良かったな…兄貴俺火葬にしれくれ。


しかし、弓は弾かれる。驚くまみ。



そして巨人が出現する。やはり十字架を持っている。


「デュアル・シンボル!!」


まみの顔には明らかに焦りが出ていた。


女の言ってることは解らないが、こいつ出てきてとりあえず、ホッとする。


そもそもこれ何だよ…


安心したのか、喜一に当たり前の質問が頭をよぎる。


そんな喜一に反応したのか、巨人はこっちを見てきた。


まみは巨人を驚きの目で見ていた。


巨人と十字架から感じるシンボルは明らかに違うものである。デュアル・シンボル。初めて見る…



まみがどうするか迷っていると、巨人は喜一を掴み、廃ビルの壁を壊し外へ逃げていった。


まみはしばらく動けなかった。










廃ビル入り口付近


「ほら、鎮静剤だ。」

と言って謎の薬を男に手渡す。


「で、どうだったんだ。あの女は。」

一番大きな男がしゃべる。この男の名は花村。


「いや、あの女じゃない…確かにいままでとは、干渉レベルは格段に高くなったが、あれじゃまだ無理だな。」

と言って手渡された薬を飲むこの男は一護と言う。


「まだリストアップされてる人間はまだいる。行くぞ」


先程からリーダーのようなこの男は優夢。

「待て。その女の近くに刑事がいた…三人潰したが、たぶん奴らも何らかの方法で俺達に近いリストを持っているだろうな。 それに、上村空に会った」


優夢と花村が驚く。


「それは本当か?一護。」

花村は明らか動揺している。


すると、奥から足音が聞こえてきた。


「遅かったな。お前なら……どうした?何かあったのか?」

優夢はまみの顔見て、質問を替えた。


「デュアル・シンボルを持ってた。さっきのガキ。」


「それは、本当か?まみ!」


優夢の顔は興奮していた。


「リストアップされてないから。ドールがまだ調べてない者か…」

優夢はぶつぶつと喋っている。


「とりあえす、伊藤さんに報告したほうが…」

花村が遠慮がちに優夢に提案する。


「そうだな…帰ろう。」


彼らを乗せた車は闇の中に消えていった。













ある程度ビルから離れると巨人は消えた。


そこから、意識が朦朧しながらも、家に辿り着く事ができた。


部屋に入り、パニクった頭を整理するために、独り言を無意識にしてしまう。


明日は始業式だが、喜一の頭の中にはそんな事は消え去っていた。














喜一が帰ってくる音がした。空ははめている腕時計を見ると0時を過ぎていた。


どこに言ってたのか。喜一に聞くために喜一の部屋の前に行き、ノックしようとした。

そのとき、喜一の部屋から独り言が聞こえてくる。


空には、喜一の独り言がまるで二人話しているかの様に聞こえた。


途端に体動かなくなる…


それは、自分の中に重い罪悪感を感じたからである。


それでも、日は昇る。 何事なかったかのような朝を迎えた。


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