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第1―2 兄


もし、この世界に存在する罪に色があるなら…


俺の色はきっと黒


決して薄まらない黒


赦されることなき黒


そんな俺に赦されることはただ1つ


誰かに救われる夢を視ること


たとえその人がどんな色をしていても…



第1―2 『兄』


時刻はもうすぐ12時になろうとしている

今日は10年ぶりに喜一が帰ってくるらしい…


「迎えにいこうか…」


ふと、そんなことを呟く


もう戻れない関係だとゆうことは解ってる…


しかし、時間の流れが俺の罪を薄めてくれるかもしれない…


あいつは知らないだろうが、俺の罪は重い…何度も幸せだったあの頃を思い出してしまう…


その時携帯が鳴った


「はい、上村ですが… そうですか…有田が…解りました。今現場にいきます。」

車を走らせること20分 上山市中心街の路地裏


既に何人もの警察が到着している


「またか…クソッ」

ベテランの風格漂わせる刑事の岩田が呟く

そこに一人の男が到着した上村空とかゆうまだ若い小僧だ


この男がうちの署にきてからろくなことがない


「状況は?」空は岩田に聞いた


「永山は、いっこうに目を覚ましません… 原因は不明。前の二人と同じ症状です 上村さん…あんた永山に何させてたんすか?」

「家族にはいつもの通りに伝えてください。現場の処理は岩田さんにまかせます。私は急ぎの用ができたので…」

そう言って、その場を去る


「ちょっ、右席殿」

岩田が空を呼び止める。右席とは空が所属している組織の名だ 「あんた…いったい何やってんすか?我々には何の情報もない、部下はどんどんヤられてく… これで三人たぞ。あんた…」

「すみません。今は何も話せません…」

そう言って、空はその場を去った


「クソッ」

今日二度目になるセリフを岩田は呟いた…


空は同僚に連絡をとっていた

「村田か…今日例の娘を張り込ませていた永山さんがヤられた…

恐らく、奴らの仕業だ。 あの娘の場所を今すぐにだ!」


電話先の男は軽い調子で

「今日の上村さん怖いですね… 2 3分待って下さい。すぐに特定します。」


「村田!速くしてくれ!」


「解ってますよ……


見つけました!場所は上山映画館のすぐ脇の路地裏です! ヤバい!既に接触しています!」


それを聞きハンドルをきる空の顔には明らかな焦りがあった


あそこなら、ここから遠くない…間に合え!








上山映画館の近くの路地裏…人の多い映画館前とは違い人はまったくいない


そこに二つの影があった一人はグッタリとしている

もう一人は手に半透明で黄色く輝く剣のようなものを持ち、グッタリとしている女に刺している。が、女の刺されてるはずの場所からは血が出ていない…

「はぁ はぁ はぁ」

男の息は荒い


いい調子だ…このままいけば…


その時近くに人の気配がした


周りを見ると、一人の男がこちらに走ってくる


確か…あの男は…






上村は路地裏について、すぐに二つの影を見つけた


一人は既にグッタリとしている


もう一人の男のほうには、疲労の色が見える。


見るからに長時間女に干渉していたのがわかる。


あの娘の精神はもう無理かもしれない…


だが!


そう決心して、空は顔の前に手を重ねる。


そして、一気に下に引く抜く…


すると、空の顔に蒼く輝く半透明の仮面が生まれた…


「お前、上村空か?お前を連れてくるように命令されてもいる…一緒にきてもらうか?」


男は女から剣を引き抜きながら、威嚇してくる。


「誰の命令だ?」


「知ってるだろ?

だから、お前は戦ってる」


数秒睨み合う二人…


刹那


二人の力がぶつかる


路地裏の景色が少しかわる

電柱は不自然にネジまがり、コンクリートでできた足元にはひびが入る…


二人の力は拮抗しているかに見えたが、男に限界がやってきた


クソッ!強い…力を長い間使って疲労していたとはいえ、コイツは強い…

一人では勝てないだろう


あの女からこれ以上『あれ』に干渉することはできない


逃げるか…


そう考えているとき、空に明らかな変化があった。手に力を蓄えているのか、左手が蒼く輝いてる


「ヤバッ!」

逃走モードに入ろうとしたが、少し遅かった。


空はためた力を男に放った…











空は女の様子を調べていた。回復には時間がかかるが、なんとか無事だった。


男には逃げられた。手応えはあったが、逃げられたと言う自覚もあった。


あいつらは俺を欲していた。何故だ?


思い至るものは1つしかなかった…




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