今、裏で密かに行われているアルバイト
とある街で不穏な事件が頻発していた。
それはネットで高額な報酬をエサにして人手を募集し、特定の民家へ押し入る犯罪。
そんな犯罪が横行して危険な地域に、なにやら不審な男達が集まっていた。
歩道に不自然に屯する男達から、スマホの音が一斉に鳴りだす。
この屯する男達の身形は総じて地味で、マスクと軍手をしていた。 あまりにも怪しすぎる。
その全員が軍手を外しスマホを取り出し操作すると、全員に同じメッセージが届いていた。
『全員、現地に着いたか確認。 今回は総勢6人。 家に入る5人とバン1人』
メッセージを受けた全員が周囲を見渡し、同類の姿を確認する。
するとその内の1人が迷わず近くに止まっている車へ近寄り、袋を受け取っていた。
その袋を受け取った男が、今度は同類を呼び集めて、付いてくるよう指示を出す。 おそらくコイツが上と繋がっている現場の指示役なのだろう。
それから少し歩き、目的地らしき家の前まで来た。
そしてその指示役は――――
――――呼び鈴を押した。
その後に家から出てきたのは、ご老人。
指示が出てきたご老人の姿を認め、ひとつ頷いた。
「どうも、こんにちは! ひとり住まいの高齢の方を訪問して、困った事があればお手伝いする活動を行う市が認可するNPOです!」
指示役は懐から名刺を取り出し、渡す。
「家の中の掃除洗濯から飼い犬等の散歩の手伝い、大きなゴミを処分する手伝い、ただのおしゃべりまで。 どんな些細なご要望でも、お窺いします!!」
急募!
◯◯県△△市□□町 時給✕✕✕✕円 午前10時〜午後4時 現地集合 昼食付き 給金即日手渡し 先着9人
指定地域にて高齢者の生存確認と安全確認を兼ねた生活支援のアルバイトです。
応募される方は確実に連絡がとれる連絡先を添えて応募をお願いします。
なお、当日は汚れても良い服装で来て下さい。




