ブルービターベリー
リュックのようでリュックでない
ランドセルのようでランドセルでない
黄色の通学鞄を背負っていた頃のこと
決まって土曜の夜になると
自室に籠もってタオルケットをかぶり
耳を塞いで嵐が去るのを待っていた
パパのパパのお家があるのは〇〇〇村
ママのママのお家があるのは☓☓☓区
まるで田舎のネズミと都会のネズミ
自然に触れるべきだというパパと
文化に親しむべきだというママは
どちらも自分の方が正しいと思ってた
きっと両方ともに一理あった
きっと両方ともに極端だった
わたしは中立で居たかったけど
時計はセーラーかブレザーか選択せよと命じた
結局わたしはセーラーを選び
パパについていくことにした
もしもブレザーを選んでいたら
ママの失望の目を見ずに済んだかも
最先端の流行に乗った別軸の自分の姿が
今でも眠れない夜に頭をよぎる
タイムリープであの日の自分に会えたなら
わたしは何と声を掛けるだろう