其の九、あたしよあたしっ
セイッ!
「ふふふ、あたしよ、あたしっ、あなた、やっぱりいい男だわ~やっぱり絶対に逃がさない」
(隠れたって無駄だから)
「バレンタインデー手作りのチョコあげたでしょ・・・あれ、チョコを包丁で細かくしている時に、指切っちゃって、私の血入りなんだあ、おいしかったでしょ」
(どこよ、どこにいるの)
「ほらっ、ホワイトデーも、マシュマロあげたでしょ・・・あの中にはね・・・」
(かくれんぼね、いいわよ、必ず見つけてあげる)
「でてきなさーい。早く、はやくう~あたしを困らせる気なの」
(でてこいや!コラッ!)
「10数える内にでておいで、そしたら許してあ・げ・る」
(いてまうぞ!オラッ!)
「10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・ゼロっ・・・よおっく、分かったわ!格錬暴すたあとっ!」
まずテーブルに包丁を突き立てる。
「オラオラオラオラオラッ!セイッ!」
長渕キックでテーブルの足を破壊する。
それから四股を踏んで床に穴をあける。
てっぽうで大黒柱をぶち抜く。
「どっせい!」
スーパー頭突きで部屋中を破壊する。
百裂張り手で押し入れを破壊する。
震える人影。
むんずと捕まえ、満面の笑み。
「みいつけたあ!」
セイヤッ!