第1話 いざ、異世界へ!
高校2年生の冬。 ―――僕は死んだ。
理由は覚えていない。
事故に合ったのか自殺をしたのか、はたまた他殺によって死んでしまったのか。
ただ、これだけは覚えている。
僕は、まだ死ねない。
死んでしまったら、彼女が悲しんでしまう。
それだけはなんとしてでも阻止しなければならない。
何故か?
その理由も勿論覚えている。
それは彼女が―――【ヤンデレ】だからさ。
◇ ◆ ◇ ◆
「わかりました。 それが貴方の願いですね。」
自身を女神だと言う白髪で真っ白な服を身に纏った綺麗な女性が微笑ながら了承した。
僕はどうやら何かの理由で命を落としてしまい所謂あの世という場所へ来てしまったようだ。
しかし、このまま記憶も消され再び輪廻転生をする直前で女神様に声をかけられた。
ある世界で魔王を倒してくれたら願いをなんでも1つ叶えてくれるという物だ。
僕にはどうしてもまだ死ねない理由があった。
だから、僕はその女神様の話に乗る事にしたのだ。
僕の願いはただ1つ。
もう1度生まれ育った世界に生き返る事。
それが僕が女神様に願った願いだ。
「それでは貴方を魔王が支配しようとしている異世界へ召喚致します。 どうか魔王を倒してください。」
女神様はそういうと指をパチンッと鳴らして光の柱を出現させた。
どうやらこの中に入れば僕は異世界へ行けるようだ。
「分かりました女神様。 必ず魔王を倒してきます!」
こうして、僕の異世界への物語が始まった。
僕にはどうしても魔王を倒して元の世界へ戻らなければならない理由がある。
それは、僕には永遠を近いあった恋人がいるからだ。
彼女を置いて死んでしまうわけには行かない。
だってもしも置いて行ってしまったら・・・・。
「こ、殺される!!」
僕は真っ白な光の世界で身を震わせた。