始まりの始まり
この話は、廣太郎視点と鈴視点で書かれています。
2人が思ってるいろんな気持ち。見てるとなんだか癒されます。
カクヨムもやってます!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922014573
「大好きだよ」
俺――坂柳 廣太郎は、隣を歩く一人の女子に向かってそう言った。
きっと、いや、必ず普通の女子ならば少しくらい照れるだろう。が、それはあくまで普通の話だ。彼女は普通ではない。なにが普通ではないかというと―――
「わかる~!ここの店のたこ焼きおいしいよね~、このまえ10人前一気に食べっちゃった。アハハ」
いや、突っ込みたいところがありすぎるが、よくわかっただろう。そう、彼女――三上 鈴は、食いしん坊だ――じゃなくて、察しが悪すぎるのだ。
今の状況で、俺がたこ焼きの話をしていると思ったのは、きっとこの世の中に鈴ただ一人だろう。あり得るのだろうか、鈴の目をしっかりと見て気持ちを込めていった言葉が、すべてたこ焼きに向けられていると思うことなど。どんなけ、たこ焼きが好きだと思われたのだろう。
くそっ!
今日こそ、鈴を照れさせたかったのに。
三上 鈴さん。彼女は、くそ美人である。そして、俺がぐいぐい行っても何も察してくれない、あほな女の子ある。
―――
「大好きだよ」
私――三上 鈴は、隣を一緒に歩いてる一人の男の子にそう言われた。
きっと、いや、必ず普通の女子ならばの少しくらい照れるだろう。が、それは普通の女子の話で、私は照れない。いや、内心はものすごく照れている。
「わかる~!ここの店のたこ焼きおいしいよね~、このまえ10人前一気に食べちゃった。アハハ」
でも、私は照れ隠しをする。それは、彼――坂柳 廣太郎君が悲しそうにこっちを眺めるのが可愛くて、可愛くて、たまんないから!…じゃなくて、って言っても信じてもらえないか。そう、私は廣太郎にぐいぐ来てもらうのが好きで、でも私が照れないことに落ち込んでる廣太郎が可愛いから。照れを隠してるの!
でも、今のは急すぎて、照れが出そうだったけど危ない、危ない。イケメンに急に大好きだよって、夢みたい!
でも、一回照れちゃうとゲームオーバーだもんね。我慢、我慢!
坂柳 廣太郎君。彼は、イケメンである。そして、ぐいぐい来てくれて、でも私が照れないことに落ち込んで泣きそうになってるかわかっこいい男の子だ。
でも、そんな鈴さんが。
でも、そんな廣太郎君が。
「「大好きだ」」
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