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さあ出発

俺たちは今、御前会議の巫女候補である聖羅を安全な場所でかくまうために聖羅が旅支度を終えるのを一条家の居間で待っている、その時にやってきた男がいた。




「司、私、あの男マジでイラつくんだけどなぐっていい?」




「やめとけ、めんどくさくなる。」




「司が言うならそうするけどあいつは誰なの。」




「弟だ母親は違うけどな。」




「なにをぶつぶつ二人で話してる。それでお嬢さんそんな男より俺の方が断然いい男だぜ。」




「お生憎様あんたみたいな生意気なおこちゃまより私の婿殿の方が断然いけてます~お子様はママのお膝でお昼寝してなさい」




あちゃ~、華怜、そのワードはダメだ、あいつに母を引き合いを出すのはまずい。




「華怜、いい加減にしとけ、それと司郎も悪いけど俺たちすぐいなくなるから抑えてくれ。」




「だめだ、あのくず女は母様と俺を侮辱した、到底許される言動ではない。まあ、俺のペットにになるというのならその見た目に免じて許してやってもいけどな」




「はい、却下ですごめんない、300年修行して出直してきてください。ほんと気持ち悪いです。あっちいってください。」




いやいやいや、そんなにまくしたてなくても・・・




「このくそアマ、表出ろぶっころしたらぁ」




居間にいる華怜まで一瞬で距離をつめ胸倉をつかもうとするが隣で俺がその腕をつかむ。司郎は俺をにらみつける。




「いい加減しろ司郎、礼宮の客人でもあるんだぞ。華怜も頼むから静かにしててくれ、これ以上この家に迷惑をかけたくない。」




「俺は出した手を引っ込めるようなことはしない、だったら司兄さんが相手してくれるのかい?」




「それで、お前の気が収まるのなら。」




「ぼこぼこにしちゃうけどいいの、司兄さんすごく弱いから」




「二人とも何をしている。お客人の前だぞ。」




その鋭い言葉が飛んできた瞬間つかんでいた腕を離す。


使用人が連絡したのか、偶々通りかかったのかわからないが父さんが来てくれて助かった。司郎はあんな感じでも本物の天才だからな、今の俺なら負けることはないが誰が敵かわからない状態じゃやりあうのは得策じゃない一条の技だけじゃ倒せないし、新技を披露するのもここでは悪手だしな。




「司兄さんの服についてる汚れを払おうとしただけですよ父様」


俺の胸をパッと払うようなしぐさを見せる。


何とかおさまったか、それと、華怜にはあとできつくお説教だな。ったく。やっぱり連れてくるんじゃなかった。




「司、少し話がある。」


「ですが・・・」




この状態で華怜を一人にするわけにはいかないんだがどうしようか。




「わかっている。礼宮のご令嬢も一緒についてきてくれまいか」




「そして右近、司郎を別部屋につれていってくれ。」




「御意に」




とおくから、機嫌の悪そうな怒鳴り声が聞こえてきているが気にせず行こう。




そうして、父さんは指示を出した後、振り返り謁見場の方へ戻っていく。俺はその後をついていく。ついたのは謁見場ではなく、父さんがいつも書斎として使っていて対面のソファとその後ろにやや大きめの机がある8畳ほどの広さのある屋敷には似つかない洋風な部屋だった。




「まずはすわってくれ。」




俺と華怜は促されるままにソファに腰掛ける




「司、担当直入ににいうぞ。一条の家に戻ってこないか?」




「私はもう礼宮の人間です。それと、それを言うには、少々虫が良すぎるのではないでしょうか。俺はあの事件のことはわすれませんよ。」




「それは重々承知だ。そのうえで言っている。やはり司郎は当主の器ではない。私が甘やかし過ぎたようだ。」




「だからと言って私が一条に戻る理由はありません。戻ったとして司郎は俺を許さないでしょう。総司郎様、本題をお願いします。」




目つきが鋭く変わる




「そうだな、巫女様の事だ。巫女様の式だがあの性格のため戦闘に向いた式がおらん、宮城の別荘滞在中に戦闘に向いた式の調達をたのむ」




言われなくてもそれくらいはやるつもりだったが、いい機会だから少し報酬をねだっても罰は当たらないだろう。




「その件に関しては条件を一つのんでいただきましたら受託いたします。」




「なんだ申してみよ」




「一条が持っている第3者委員会の情報・・・」




父さんはにやりと笑っていたが瞳の奥を良く観察すると1mmも笑ってない。




「すべては無理だ、私の権限で開示できるものなら良しとしよう。」




「そうですかでしたら、追加で・・・任務が終了した際に一献注いでいただけたら姫の護衛と式の捕獲を引き受けましょう。」




父さん口を大きくあけ笑っていて瞳の奥もしっかり笑っている。




「よい。それでたのむ。司殿」




「拝承いたします。」




さあ、そろそろ、聖羅の支度も終わるところだろ。話がまとまったからにはもう長居する必要はない。司郎の奴がいつまた癇癪をおこすかわからないからな。




そうするとノックが聞こえてくる。おそらく左近の使いだろう。父さんが要件を言うように促す。使用人は聖羅の支度が整ったことを告げる。




「ではここで、いったんお暇いたします。」




俺たちは、一条家当主に書斎から離れ聖羅と合流した。




「司様、華怜、お待たせしましたの。では、参りましょう。詳細は道中でお願いいたします。」




そして、俺、聖羅、左近の3人は宮城の別宅に向かい華怜は一旦、旅支度を整ええるべく礼宮の本家へと出発した。






4人を見送ったをと見知らぬ老婆が総司郎に話しかけている。




「総司郎よ、あれが長らく離れておった嫡男か?」




「はい。」




「なかなかに御前会議の中でも見たことのないほどの霊力を秘めておるな。あの若さであれほどとは、放逐したのが悔やまれるのではないのか?礼宮にまでとられるとなるとな。」




「いえ、司は一条の枠では収まりますまい。もしやすると長い歴史の中で誰もなしえなかったことをしでかすやもしれません」




「お前はほとほと、息子には甘いのふぉふぉふぉ。まあうちの大切な孫娘を託すのじゃそうでなくてはな」




「あまりいじめないでいただけますか、姫巫女様」




(姫巫女:御前会議の長であり、最高権力者を指す。世襲の名前)

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