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【電子書籍化】異世界もふもふ幼稚園(無認可)  作者: 翡翠
第二章 もふもふ騎士さま
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2

 あの後、恥ずかしながらもう一度リンデルさんの家の扉を叩き、図書館の場所を教えてもらいました。

 で、ここで一つ問題が発生するのだ。

 この世界の図書館、お金が必要でした(初回時だけ)。

 初回時の貸出カードを作る際に、日本でいう百円くらいの金額が必要だそうで。貸出カードを失くすなどして再発行する時は、再度百円をお支払するとのこと。

 貸出カードがあれば、一度に十冊までの本が借りれるらしい(一週間以内に要返却)。 

 因みにこの世界のお金の単位は

 十円が鉄貨

 百円が銅貨

 千円が銀貨

 一万円が金貨

 十万円が白金貨

 なので銅貨一枚必要なのだけれど、今の私には銅貨どころか鉄貨すらないけどね!

 さて、困ったぞ。

 どうやってお金を捻出するか。

 とりあえず家にある不要品を売ってお金に出来ないだろうかと、リンデルさんに図書館以外に質屋的なお店の場所も聞いておいた。

 家に戻り、早速売れそうなものを探してみる。

 この世界には個人情報保護法なんてものはないので、誰が売りに来て幾らで売ったなんて話も簡単に入手出来てしまう。

 ヘタに高価なものを持って行って、あいつは金目のものを持っているなどと泥棒に目をつけられても困る。

 まあ、簡単に侵入出来ないだろうけど。

 というのも、この世界の鍵は(市民の間では)錠前が一般的である。

 我が家の玄関の鍵は今まで使用していたものがそのまま使えるので、この世界では一番高いセキュリティードアと言えるのではないだろうか。

 鍵を落としたり盗まれたりしたらアウトだけど。

 あと、外出中にナイフとかを突き付けられて『扉を開けろ』とか言われてもアウトだけど。

 運動神経あまりよくないし、獣人さん相手に攻撃力なんて皆無だろうし。

 そんな事を色々と考えながら、結局○COINSで買ったアクセサリーを幾つか持って行く事にした。

 今必要なのは銅貨1枚だからね。


◇◇◇


「これは素晴らしい!」


 質屋? のオヤジさんが頬を紅潮させて○COINSで買ったピアスを見ている。

 ……もしかして私、やらかしちゃった?


「なんて繊細なカットなんだ!」


 いや、それただのガラス玉をしずく型にカットしただけのものですけどね?

 一時しずく型にハマってたから、たくさんある内の幾つかを持って来たのだけど。

 宝石じゃないし、銅貨か銀貨にはなるかな? 程度にしか思ってなかったんだけど。

 ……私の掌に乗る金貨十枚(プラス銅貨一枚)。

 ガラス玉をカットしてあるものだから、こんなにしないって言ったんだけど。

 オヤジさんは『例えガラス玉だとしても、この美しいカットにはそれだけの価値がある!』とか何とか言っちゃって、はじめ白金貨二枚を渡そうとして来たので、そんなに高い金額なんかでは売れないと持って帰ろうとして、泣きつかれ。

 結局白金貨一枚に、銅貨が欲しかったのでそれをオマケでつけてもらうことで取引成立となったのだ。

 それでもまだ私は納得していないけれど。

 だって、三百円の中古のピアスが十万百円になっちゃったんだよ?

 さすがに白金貨は使い勝手が悪いというか、お店で出してもお釣りがないって言われるだろうから、金貨十枚にしてもらった。

 本当は銀貨百枚の方が良かったんだけど、ジャラジャラ音させて帰るのは『私お金持って歩いてますよ~』って主張しているようなものなので、諦めた。

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