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【電子書籍化】異世界もふもふ幼稚園(無認可)  作者: 翡翠
第六章 もふもふ幼稚園
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2

 里緒菜の体温を背中に感じて安心するのか、リリちゃんの顔に少しずつ笑みが浮かぶようになってきた。

 仲良く遊んでいればあっという間に時間は過ぎていくもので、誰かの可愛らしい『きゅるる〜』っというお腹の音が聞こえ、時計に目をやると十一時半になっている。


「あら、もうお昼の時間だね。お弁当を持ってくるから、みんなはここをお片付けしていてくれるかな〜?」

「「「「は〜い!」」」」


 とってもいいお返事が返ってきた。

 キッチンに向かい、準備してあったキャラ弁をレンチンしている間に冷蔵庫から麦茶を取り出し、グラスに注いでいく。

 お盆にキャラ弁と麦茶の入ったグラスを乗せてテーブルへ運べば、若干雑ではあるけれどちゃんと片付けをしてテーブルを拭いていてくれた。


「お片付けありがとう。今日のキャラ弁はお花畑だよ〜」


 以前作ったスライスチーズとハムのバラや、ソーセージを半分にカットした面に格子状の切込みを入れて焼き、その周りに半分に折りたたんだ薄焼き卵をちょちょっと切りこみを入れて巻いたヒマワリや、かまぼこを花型にくり抜いたものなど。

 お弁当箱の中にたくさんの花が咲き誇り、とても彩りよく可愛らしく仕上がっている。

 我ながら結構な力作だと思っているけれど、問題は子ども達が喜んでくれるかどうかだ。

 ドキドキしながら様子を見ていれば、


「うわ〜、お花がいっぱい」

「すご〜い」


 といった声が子ども達の可愛らしい口から漏れてきた。

 とりあえずは喜んでもらえた、のかな?

 両手を合わせて「いただきます」する。

 ニコニコ笑顔で美味しいと言いながら、今日も残さず食べてくれた子ども達。

 ごちそうさまをした後は、お昼寝タイムである。

 

「さあ、公園で遊ぶためにエネルギーチャージするよ!」


 和室に布団を敷いて、誰が里緒菜の隣で眠るかで少しばかり言い争いになったが、ジャンケンで順番を決めることになり、今日はゲイルくんとナギくんが里緒菜の隣で眠ることに。

 悲しそうな顔のリリちゃんとゾイルくんには、


「明日は隣で眠ろうね。仲良く順番こだよ」


 と言って頭を撫でた。

 大変ではあるが、自分の隣をめぐる争いとか、もう何のご褒美ですか!?

 ニヨニヨしながらスマホで『すぐ眠れる音楽』を検索して流す。

 少しして子ども達の寝息が聞こえ始め、最後まで起きていたゲイルくんの寝息が聞こえることを確認してゆっくり起き上がり、部屋をそっと出る。



 お昼寝の後は公園に行き、元気に遊んだ後は家に戻っておやつタイム。

 今日のおやつは『手巻きクレープ』だ。

 みんなに一枚ずつクレープ生地を渡し、カットしたフルーツやホイップクリーム、チョコソースやナッツなど、好きなように作ってもらう。

 フルーツはよく食べているから知っているだろうけど、ホイップクリームやチョコソースはこの世界にはないものなので、ちょっとずつ味見させたら反応がものすごかった。


「うめぇ! 何だこれ!?」

「美味しい! もっと食べたい!」


 他にも色々と叫んでいたけど、全員が同時に叫ぶもんだから、何を言っているのか分からない。

 でも喜んでくれているのは確かだ。

 里緒菜はまず見本となるように、自分用のクレープ生地にフルーツとチョコソースをかけた。

 生クリームはあまり得意ではないのであえて省く。


「この生地にフルーツとかホイップクリームとかチョコソースをかけて、こうやってクルクルッて巻いて食べるのよ。ホイップクリームやチョコソースはかけ過ぎると甘くなり過ぎて美味しくなくなっちゃうから、かけ過ぎ注意ね。何事も適量っていうのがあるからね。じゃあ、作り始めようか」

「「「「は〜い!」」」」


 子ども達がいいお返事をして、クレープ作りに取りかかる。

 ゲイルくんとゾイルくんはあまり考えずにフルーツをこんもり乗せようとしているので、


「それはちょっと多すぎるかなぁ? あまり多すぎるとクルクルッて巻けなくなっちゃうからね」


 とアドバイスすると、素直に「うん」と頷いてフルーツを少しお皿に戻していた。

 ナギくんは普段からお手伝いをしているのか、なかなかに手際がいい。リリちゃんが一生懸命フルーツを生地に少しずつ乗せていくのを見守って、ちょうどいい量になったら


「リリ、次はこの白いクリーム乗せようか?」


 と声を掛けている。

 ナギくんてば、本当に良いお兄ちゃんだよねぇ。

 ゲイルくんとゾイルくんはヤンチャだけど素直で可愛いし、本当にもう、こんなに可愛い子ども達に囲まれて、幸せ過ぎるっ!!

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