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変化
いそいそとベッドシーツの取り替えを始めた綾瀬の背中を見ながら亮治は言う。
「なあ、綾瀬ぇ」
ちらっと亮治を見た後に、また姿勢を戻す。
「ダメだぞ」
「まだ何も言ってねえじゃん」
「嫌な予感しかしないからな」
綾瀬はやっぱりオカンキャラで素気無く返す。
「人肌恋しいんだよお。抱かせてよ、一回だけでいいからさあ」
もう一回抱いただろ、と綾瀬に叱られる。
「冷えなあ。あ、ついでに俺のもシーツ変えて」
「まったく!仕方ないな!」
綾瀬は少しプリプリしながらベッドメイキングを続けている。
亮治はファミレスで見た悟の顔を思い出していた。