健やかなるタマゴ達
うっかり昨日の分を1つ投稿し忘れてたorz
“素材”集め。それはやもすると地道で単調な動作が要求されたりもする作業の一つである。
時間は喰う。まずどれが使えて何が使えないのか覚える必要があるし、
物によっては高額な“道具”も必要な場合すらあるだろう。しかし“生産”に関わる者ならそれは避けては通れない道でもある。・・・では、それ以外の者で時間が無いがお金はある者達はどうするだろう。
“素材”や“完成品”が“店”で売られてる物ならば、ワザワザ自ら“村”や“町”の外に出向いて“採集”したりする時間を省きたくなってくるに違いない。
“品質”にこだわる者ならば時間を惜しみつつも自ら“採集”に出向くであろうが、“即製品”との価値の差が無いか逆に価値がマイナスになりがちな“品物”を個人で作ろうとする者は少ない。
なりたての“冒険者”は兎も角として、“生産”に直接関わらない“大人”ならなおさらそういった物はめんどくさいと考える。だが、・・・“子ども”ならどうだろうか。“外”が危ないからと言って“村”や“町”の中だけでただ過ごさせておくのはもったいない。
小さい頃から“体感”的にいろいろ教える事が出来るのなら、机上でだけで教えるよりもよっぽど効率は良いし、“採集”中の“魔物”対策用としての見張り役の訓練等やらの副次的な要素も生み出せるのならば住人からは異論は出にくくなるのは当然な流れとなった。
かくして村の子ども達は自分の小遣いの増額という“飴”を公然と目の前にぶら下げられる立場となった。子どもによってはよりよい暮らしを求めて自分の未来の学習の為に貯め込む者から兄弟の為に使う者等得た金銭の使い先は様々だ。
・・・最も。“依頼”によっては貰えるのは必ずしも金銭であるとは限らないのではあるが。
★★★★★★
そんな裏事情は置いておいて、今日もまた“村”の外で“薬草”や“毒草”や“虫”の“採集”する“クエスト”を行ってる子ども達が居た。簡単そうだが唯単に集めればいいという訳でもない。効率を上げる為に腕により自信のある者は下手な者をサポートするのが決まりだ。
彼らに最終的に求められるのは“上質”よりも“平均的な質”の“量”だからだ。時たま現れる“魔物”等は見張り役達が追い払ってくれるからそちらを余り気にする必要もない。
だが、今日の所は違った。まだお昼には早いだろうというのに誰かのお腹の空腹の虫が鳴いたのが何処からか聞こえて来たからだ。おぃおぃ。朝はちゃんと食べたのか?誰からともなく思わず笑いかけながら見上げたその視線の先に。
~見慣れないその娘が居た。~
その娘はいっちょ前にふんぞり返りながらジト目でこっちを見返してきた。“獣人”の女の子だ。
服装はかなりぼろっちぃし、遠くから来たのか木の枝っぽいモノを片手に杖代わりに持って立っている。
虚勢を張ってる様だが耳は傾き“猫”だか“犬”な尻尾はふよふよと力なく揺れている。
誰かが思わず皆に声を掛けお互い目を見合わせつつ彼女を観察する。
(知り合い?)(・・・さぁ?)(近所の子?)(・・・・私知らないよ?)(どうする?)
かくして彼女はまず子ども達の手によってこの“世界”の“社会”に保護された。
今度は夢オチじゃありません。余談ですが夢オチ分は本来不採用にする心算だった部分を再利用した物となります。